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天才と狂人は紙一重、ということわざがある。なかでも何人かの狂人はずば抜けてる。Richard James、またの名をAphex Twinは、ずっとエレクトロミュージックの暗黒の天才といわれ続けてきた。ハンマーが炸裂し巨大な虫がブンブン飛びまわる滝のようなサウンドとビートは、Prozac(かぜ薬)好きなエレクトロミュージック・ファンやトレンド好きなわき役たちにはたまらないだろう。
Jamesの’96年のアルバム『Richard D.James』は、彼の亡くなった双子の弟に捧げられている。人気を博したビデオ「Windowlicker」では、巨大なおっぱいとビキニを着けた虫歯だらけの世にもおぞましい女性に扮した。さらにその姿がデフォルメされているものまで……。
それとはうってかわって、最新の2枚組CD『DRUKQS』は穏やかでまともだ。’96年以来ちゃんとした作品を出さず、その間に何度、もう音楽は作らないらしいと噂されたことだろう。あの皮肉屋の嘘つきJamesから真実をひきだすのは不可能だろうが。
赤いヒゲと細い目をしたJamesは、試験管と微生物によって盲目にされたへんちくりんな科学者のようにもみえるが、サンプラーやキーボードを使い、ゆがんだ彼の心理状態から作られた『Drukqs』の世界では、Erik Satieの澄んだピアノの音とSquarepusherのロボ・ドリルン・ベースが交互に顔を出す。
その新作『DRUKQS』をプロモートするため、彼はメール・インタビューにだけは応じてくれた。おそらく質問と答えをコントロールできるからだろう。以下のインタービューにおけるスペルや文法上の間違いは、すべてオリジナルのRichardの返信のままである。
――なんでまた、マッドなアシッドチューンときれいなメロディを一緒にしたんですか?
RJ:まだそんらことやってない。
――ツアーをやる予定は? もしやるとしたら、どんなものになるんでしょう?
RJ:先週やった、UKとアイランドで。どれもちっちゃなもんだったけど。きのうはエレファント・キャッスルの古い映画館でやった。
――MACとPCで全部やってるんですか? それともまだドラムマシーンとかサンプラーは使ってるんですか?
RJ:いろんなもの使う。
――何曲かシンセドラムを使ってるように聞こえますが、レコードからサンプルしてるんですか、それとも独自にサンプルしたものですか? キーボードを使ってドラムの音を出したりしますか?
RJ:あそこ使ってドラム叩いたら、すっごくへんな感じがした。
――『Richard D.James』以来、音楽に対する興味はどう変わりましたか?
RJ:もっと広がってるし、もっといろんなもの。
――「Omgyjya Switch」はあなたの声ですか、それとも誰かほかの人?
RJ:母親。
――最近、携わってる何か大掛かりな仕事は?
RJ:アルバム発売中。
――あなたは正常なんですか、それともクレイジー? まだ戦車に乗ってます? ゴルフのほうは?
RJ:潜水艦買った、もう、さぁぁい高。戦車はこわれた。今度はミサイル欲しい。インターネットで買えるの知ってるよね。
――新しいエレクトロニカ、2ステップやRadioheadについてはどう思います?
RJ:3%ステップと54フットスライドしたとこにいる。
――あなたの作品以外で好きなアルバムは?
RJ:squarepusher『go plastic』
――このつぎ流行りそうなプログラマーは?
RJ:宇宙時間を変えちゃうもの。
サンキュー
またね
Richard
By Antonio Walker/LAUNCH.com
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