インストゥルメンタルの「P-Skins」で始まったステージ。次いで「Can’t Get Enough」「Wanna Dance Tonite」。一気にその気にさせずに、じわじわとヒートアップさせていくやり方は、じつにイヤらしい。確実に観客を魅きつけているのに、ベタベタしない。そういった第一引力はまちがいなく、ハリーの声といえるだろう。
後半には、「のら犬にさえなれない」や「New Dance」といった初期の楽曲の間に3曲の音源未発表曲が演奏された。これまでの<THE LATE SHOW>でも披露されているためか、いわゆる“新曲”に対するリアクションとは違う反応が客席に起こっていた。ライヴで練られ、磨かれていく楽曲。それが音源としてどのような型に仕上げられるのか、という期待。そんな想いがあったのではないだろうか。
アンコールが終わり、時計を見ると午前0時を回っていた。そして再びステージへ目を戻すと、公平が、ジェームス、ズズと順に堅い握手を交わし、最後にハリーと肩を抱き合う姿があった。それは馴れ合いではなく、目に見えない合図でコミュニケーションをとることができる者たちの、互いへの敬意と感謝の表れだったのではないだろうか。THE STREET SLIDERSが、こんなにも清々しい笑顔を見せるのか、と少々驚いた夜でもあった。