【ライブレポート】<LAPOSTA 2025>、JO1とINIのメンバー自らが演出した22公演のソロステージ開催

2025.01.30 17:40

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【1月29日 会場:シアターGロッソ/IMM THEATER/後楽園ホール】

◾️INI/佐野雄大 <Wonder Angel Land> 会場:後楽園ホール

オープニングは佐野が散歩をしながら今回の公演に対する気持ちやMINIへの思いを話す映像が流れ、和やかなムードでスタート。自然な口調で話す、佐野らしい演出でMINIも思わず笑顔になる。ロングコートにマフラーを巻いた冬らしい装いでステージに登場すると「INIのエンジェル、佐野雄大です!」と定番の挨拶。公演コンセプトは「天使の癒やし」で、自身の人生を辿りながらMINIと心の距離を縮めて互いに寄り添える関係性を作れるようなステージを用意したという。

1曲目はオーディション時代に披露したもさを。の楽曲「ぎゅっと。」でライブが始まり、思わぬ選曲に会場は大歓喜。当時は、未経験ながら一生懸命歌う姿に「かわいすぎる」「優しい歌声」というコメントが多く寄せられていたが、今回の公演では余裕のある表情も見え、INIの佐野雄大として成長した姿を披露し、「INI人生の原点」と語る大切な曲を届けた。スタンドマイクを用意し、「ここからはバンドマンモードの雄大でいきます! 皆さん準備はいいですか?」と煽り、Vaundyの「怪獣の花唄」へ。自身のライブ前によく聴いていると話すこの楽曲では、 MINIと一緒に歌って盛り上がった。企画コーナーでは、思い出の写真をたくさん用意し、MINIと共に振り返っていた。軽快なトークを繰り広げ、時折MINIの反応にツッコミを入れるなど、MINIとの距離を縮める場面も。

ラストはオーディションの課題曲だった「STEP」だ。本当は11人で披露したい気持ちもあったと話しつつ、「自分のことを好きな人が集まっている絶好のチャンス。ここだ!と思い、準備しました!」と意気込み、イントロが流れると会場には割れんばかりの歓声が上がった。最後はマイクを外して「ほんまに大好き! 嬉しい! ありがとう、みんな! 悔いない!」と溢れる思いをまっすぐに伝えて<Wonder Angel Land>は閉園した。


©LAPONEENTERTAINMENT

◾️INI/田島将吾 <LOOK UP> 会場:IMM THEATER

タイトルの<LOOK UP>は、ソロステージのために制作されたメイン曲の「The sky make me slow」からインスピレーションを受け考案したという。ステージは、そんなキーとなる1曲でスタートした。メロウなラップをスタンドマイクを使ってパフォーマンスすると、独自のムードを作り上げる。今回は特技であるドラムをステージに用意し、ムーディーで心地のよいビートを刻み観客を引き込んでいく。続く、初披露のオリジナル曲「noise」ではバックダンサーと共にしなやかなダンスを披露し、田島のダンススキルを存分に発揮したクールなパフォーマンスでMINIを魅了した。

今回のコンセプトについて田島は、「“ブルー”を意識していて。初めてのソロステージなので、今日を“0”と捉えて、僕の“ブルーな部分”や“弱い部分”、“まだ青いところ”をみんなに知ってほしいと思っています。そういう想いを込めて曲も作ったので、そんな気持ちを共有していけたら今日は幸せだなと思います」と秘めたメッセージを率直に伝えた。さらに、メンバーの池﨑理人と西洸人がステージにサプライズ登場すると、観客からは大きな歓声が巻き起こる。そして、本公演のために用意した「耳を澄ませば」、約3年前に3人で作詞した「How are you」を久しぶりに披露した。

またコーナー企画では、デビュー公約として掲げていた「#たじの悩み相談室」を3年半越しに実施。事前に募集された様々な質問に観客とのコミュニケーションを取りながらどんどん答えていった。最後は、田島自身の思いやMINIへの伝えたいことを綴ったオリジナル楽曲「SOMEDAY」で幕を下ろした。キレのあるパフォーマンスと、田島の醸し出す柔らかな空気でMINIを大いに楽しませたソロステージとなった。


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◾️JO1/豆原一成 <Now Loading…> 会場:シアターGロッソ

みんなのヒーロー・豆原一成のオリジナル映像がビジョンに映し出されると、青年からアーティストの姿に“変身”しアクションをきめた豆原に観客のテンションが上がっていく。そして、豆原初のオリジナルソロ曲「Not Puppy Love」のイントロで豆原のシルエットがステージに現れると、「まめ〜!」と呼ぶ大歓声が沸き起こった。「かわいいだなんて呼ばないで、君の男って呼んで」というメッセージが込められたこの楽曲で、大人に成長した今の豆原一成のすべてを投影したパフォーマンスで魅了した。

さらに、JO1の楽曲から「Trigger」ではダンサーとともに、これまでひたむきに培ったスキルを輝かせ、「NEWSmile」では、可愛らしく客席へ手を振り、会場全体をいっきに笑顔にしていく。<Now Loading…>というタイトルについては、「まだまだ僕は進んでいくんですけど、皆さんは今日その中のミニゲームに参加したというイメージ」と説明。さらに、「今日は初めて一人でやっていますが、僕が最終的に戻る場所はJO1なので」とJO1の活動に対する豆原の思いを覗かせた。

事前に募集したJAMからの質問に答えるコーナーでは、ルーレットで選ばれた質問が「反抗期はありましたか?」「子供の頃、両親からの言葉で心に残っているものは何ですか?」「最近した親孝行は何ですか?」など、家族にまつわるものが多く寄せられていた。そして、「ママへ」と母親に向けて綴った新曲をサプライズ披露することに。会場にも駆けつけているという母へ、手紙のように思いを込めて歌唱すると、感極まった⾖原の目には涙が。真摯な歌声とその想いを受け取ったJAMも自然と涙し、豆原と豆原のファンだからこそのほっこりとした時間となった。


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◾️JO1/木全翔也 <easy life> 会場:IMM THEATER

「肩に力を入れ過ぎず、もう少し気楽に過ごしていいんだよ」という思いで、自分にも言い聞かせるように作った楽曲「easy life 」 でスタート。普段から緊張しやすいタイプで知られる木全は、リラックスした空気感でライブをできるように、ソファやランプ、キャビネットなど自分の部屋の雰囲気をイメージしたステージを用意したという。

「横にJO1メンバーの10人がいないのでめちゃくちゃ緊張してるんですけど、ゆるい雰囲気で頑張れたらと思います。マジで緊張してます(笑)」とこわばった表情を見せていたが、「本当に全員僕のファンの方なんですよね?」という問いかけにJAMがあたたかい声援を送ると少し緊張が和らいだ様子を見せた。あいみょん「愛を伝えたいだとか」のカバーでは、いつもより少し大人びた雰囲気を醸し出す木全をJAMもにこやかな表情で見守る。今回は全編生バンド構成となっており、バンドメンバーを紹介する際はウッドベースに興味津々。楽器の音に合わせて自由に身体を動かし、良い意味で“ゆるい”空気感に。さらに、JO1の楽曲の中でも木全が大事にしている曲をメドレーで披露する。「JO1の曲、1人で歌うの大変ですね~。BPMやKeyを変えたり、今回限りのアレンジで皆さんのために準備しました!」と笑顔で話しました。

ラストは「easy life」の次の段階という意味を込めて作詞した「Groove on」を初披露。みんなと夢を追っていく、前向きな気持ちを歌った楽曲で、JAMもタオルを振って盛り上がる。初めてのソロステージに緊張していた木全だが、自身が目指すアーティスト像を具現化し、ファンにとっても自分がこういう存在でいたいという思いを表現したステージとなった。


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◾️JO1/川西拓実 <My Everything> 会場:IMM THEATER

川西は公演タイトルに<My Everything>と銘うち、自分の曲だけで自分のすべてを詰め込んだライブを開催。唯一無二のオーラを放つT.Kがステージ中央へ姿を見せると、たちまち歓声が起こる。「SUPER STAR」「Come Again」とT.Kサウンド爆発の新曲を続々と披露すると、会場全体がT.Kの音楽の渦に飲まれていく。

クールに決めていた川西は、トークに移ると「知らない曲ばっかりやってすみませぇん」とおどけてみせ、「何が起こるかわからないイベントに来てくれた皆さんは変態だなと思います(笑)」とJAMを笑わせる場面も。さらに、シンセサイザーの前へ座り、鍵盤を奏でながら「一瞬だけ清澄になります」と微笑むと大歓声が上がる。2024年全国公開され、川西が主演を務めた映画『バジーノイズ』の主題歌で、作曲と演奏に没頭する主人公の清澄として歌った楽曲「surge」を初披露する。続けて、この映画主演を機に川西が「清澄が作っていたかもしれないデモ楽曲」とイメージして作詞作曲した「Heaven」も歌唱。ファン待望のパフォーマンスで湧かせた。

「次の曲は僕歌わないので、皆さんで歌ってください!」と投げかけ、鈴の音色が鳴り響く。川西が作詞し、作曲にも携わったクリスマスソング「サンタさんへ。」をJAMみんなで楽しく歌い、ハートフルなムードに。続けて、JO1のライブツアーでのユニット曲「BINGO」では、川尻蓮がサプライズで登場した。川尻の服装をみた川西は、「なんかピンクじゃね?」と笑い、川尻は「誰が言ってんねん!」と返します。川西のメンバーカラーであるピンクだらけの二人は、互いをリスペクトし合う表現者としての戦友同士だ。そんな二人ならではのパフォーマンスを繰り広げた。最後は、2024年開催した<JAM 感謝祭>で川西がJAMに贈った手紙で綴ったメッセージ”足踏みだっていい、明日は晴れるよ”という思いを、なんと新たな1曲「世界が広いのか。僕が小さいのか。」に昇華。日々生きているみんなへ送る、そっと背中を押すやさしいエールソングで、川西自身の心の温かさが伝わるライブとなった。


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◾️JO1/後藤威尊 <NUMERO 1> 会場:後楽園ホール

<Numero 1>はスペイン語でナンバーワンや数字の1という意味があり、「ひとりでの初めての公演」ということでそのタイトルが付けられたという。「見に来てくれるMINIのみんなが喜んでくれるか」という部分に重きを置き、笑いあり涙ありで、最後は後藤威尊について行きたくなるようなカッコいい姿で魅せたいとの思いから、好きなものや得意なことを詰め込み、自身の最大限を表現できる公演に仕上げているとのことだ。

1曲目は、Vaundyの儚く温かいラブソング「napori」をキレのあるダンスで冒頭から観客を魅了する。そして「オーディションの時からいつも応援してもらって、夢や目標を叶えさせてもらっているので、今日は僕が皆さんを支えたい」という思いで選曲したというthe pillowsの「Funny Bunny」をスタンドマイクで歌い上げました。すると、突然メンバーの池﨑理人の怪しげな笑い声が。「今からこの場は俺のルールで動く」と告げると池﨑は声のみで姿を現さず、なぜか佐野雄大が登場する。後藤と佐野が様々なバトルを繰り広げることになり、結果は後藤が全勝。池﨑は、このバトルは後藤のかっこよさをMINIに証明するためのものだったと明かし、「MINIのみんなこれからも威尊を応援してくれよな」と伝え、会場は和やかな雰囲気に。

後半に差し掛かり、後藤はサプライズで用意した手紙を取り出す。INIになってからの3年半はとても幸せだったこと、ネガティブになった時にはファンレターに何度も救われていたこと、これからもMINIを一番に思う王子様であることをしっかりと伝え、会場からは拍手が起こる。最後は、幼少期から習っていた特技の和太鼓をMINIの前で初披露。普段から鍛えている筋肉を活かして、たくましいパフォーマンスを魅せる。静寂の中に和太鼓の音が鳴り響き、あまりの迫力にMINIは釘付けに。今日一番の大きな拍手で幕を閉じた。


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◾️JO1/尾崎匠海 <CAFE> 会場:シアターGロッソ

初のソロステージのテーマを「自分のことをもっと知ってもらうこと」とし、普段よくカフェに行くということでステージセットや映像などをカフェのような雰囲気に仕上げていた。オリジナル曲や公演の演出など、自身が制作した作品を届けることによって、「いつも応援してくれているMINIの皆さんに、自分自身をより深く知ってもらいたい」という思いを込めて作ったという。

真っ白な衣装に身を包み、オリジナル楽曲「Don t Worry」をダンサーと共にパフォーマンス。息のあったダンスと芯のある歌声で会場のボルテージは急上昇する。MINIもペンライトを振り、尾崎のメンバーカラーであるオレンジ色がステージに彩りを添えた。MCでは「僕が好きなカフェを共有したくて準備しました! カフェといえばコーヒー。このステージはカフェにいるようなリラックスした気持ちでやります」とステージ上でコーヒーを淹れて飲む場面も。 続いて、事前にファンクラブを通して募集していた尾崎に歌ってほしいリクエスト曲をランキング形式で発表した。楽曲にまつわる思い出話を交えつつ、1位に輝いたOmoinotake の「幾億光年」を披露すると、伸びやかな歌声で観客の心をぐっと掴んだ。そして、気持ちを言葉で表現するのが苦手だと話しながらも、この日は手紙を用意。想いがあふれ、言葉を詰まらせつつもMINIへの感謝や、今後の活動に対しての熱い思いを伝えた。

最後は、デビュー後初めて作詞作曲を手掛けたオリジナル楽曲「幻想」。「うまくいってなくてどうしようもなくなってる人もいるかもしれない。そんな時にも希望の光はあるんだよ、と思ってほしくてこの曲を書きました。僕を支えにしていいですよ。1人じゃないから、僕がいるから、この曲もあるから」と、自身が辛い時も歌に助けられた経験があり、皆さんの支えになればと心を込めて歌い上げげ、公演を締めくくった。


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◾️JO1/河野純喜 <Singing in the rain> 会場:IMM THEATER

ギター、ベース、ドラム、キーボードだけでなく、トランペット、サックスなど、超豪華なバンドの音色で彩られた生演奏と共に音楽を奏でるボーカル河野は、自身も作詞に参加しているJO1の楽曲「Lemon Candy」のセルフカバーでリサイタルをスタートさせる。JO1のYouTubeでカバーを公開しているback numberの「水平線」は、河野自身がネガティブになったり、悪い考えをしてしまう時に聴くと、少しでもやさしくなりたいな、正しくありたいなと思わせてくれる楽曲だという。そんな想いを届けるように歌うと拍手が巻き起こる。

続いて、「これ本当に緊張します」と河野がピアノに向き合うと、ざわざわと驚喜の声が上がっていく。初めてピアノでの弾き語りで披露するのは、河野が初めてひとりで歌ってみせたJO1の楽曲だ。「その時はすごく緊張して、震えた手を握りしめながら歌ったなということを今でも覚えています」と大人気YouTube企画「THE FIRST TAKE」で「Voice(君の声)」を歌った約4年前を振り返り。こうして大事に思ってきた曲を、今回は初挑戦のピアノと共に歌い届けた。久保田利伸の「LOVE RAIN~恋の雨~」のカバーでは、メンバーの與那城奨がゲストでサプライズ登場。相性抜群の二人の歌声で4曲を楽しそうに歌い上げる。與那城は「純喜と歌ってると安心するんですよ」と河野のことを褒め讃えた。

今回の公演タイトル「Singing in the rain」は、河野初めてのオリジナルバラード曲。「自分が皆さんにあまり見せない心の影の部分が、僕は実は音楽のルーツで。雨の中、悲しい気持ちを吐き出すように大きな声で歌っていた昔の自分の気持ちを歌に込めました」と気持ちを明かし、披露した。しっとりと雨のように降り注ぐ歌声を響かせた河野らしい1時間のライブに、観客からの拍手と「ありがとう〜!」という歓声は止むことなく続いた。


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