【インタビュー】LUV K RAFT、結成13年目のメジャーデビューに貫いた信念「’80年代が音楽史の最高峰だとしても、我々はそれを今やりたい」

■チャラいポップスをやってるようで
■実は音の作り方がゴリゴリという二面性
──では、Mishuさんのイメージカラー的な『GREEN』に続いて、KARENさんの根底にある紫=『PURPLE』収録曲から1曲ずつお願いします。
北野:やはりリードであり1曲目の「Alice」が一番推したい曲で、ここを入り口に順番に聴いていただくといいのかなと思います。僕個人的には、「魚」を聴いていただきたいです。これはLUV K RAFT史上一番愛されてない曲だったんです(笑)。
──“史上最も愛されてない曲”って気になります(笑)。幻想的な感じもあるので“これはなんだ!?” “もしや深いことを歌ってるのかも”と気になった曲です。
北野:当時は、“こういうのがあってもいいよな”とミーハー心から作った曲だったんですけど。それにしても、予想以上に周りから愛されなくて、ライブでもやらずに放置し、知ってる人は知ってるみたいな、ちょっと黒歴史っぽくなってたんですよ(笑)。それを全てやり直すべく完全に新録しました。アルバムの中で一番苦労した曲です。
──どんな風に変えようと?
北野:もっとエッセンスを足してあげようと思いました。’80年代当時の…たとえばデペッシュ・モード然り、イケメンで、シンセティックな要素やダークさを取り入れた形。その成功例ができた感じです。労力が掛かったぶん愛されたいですね。
──歌詞クレジットはLUV K RAFT名義ですね。
北野:スタジオでご飯を食べながら3人で書きました。最初、「英詞で書いたら音のハマりはいいし、めっちゃカッコいいけど、やっぱり以前のまんまなんだよね」となって。で、“固定概念にとらわれない”をテーマに、“これはこうあるべき”っていうものを完全に覆したいってことを表現したのが「魚」です。“カッコいいトラックで、お魚の話したらどうなるか?”っていうところから、《今日の夕食に合う魚》という歌い出しになりました(笑)。
KAREN:うん、そこから始まったよね。だからインタビューで語れるものがなにもない(笑)。
──歌詞に深い意味があるんじゃないか?って思うことこそ固定概念でしたね(笑)。
北野:僕は、The ピーズ(現・ピーズ)とかカステラとか、あの界隈も大好きなんです。特にスターリンの「勉強ができない」が大好きで《勉強ができない! 頭が悪い!》の繰り返しだけで最後まで通すんですけど、でも、なんか伝わるんですよ。そのエッセンスも出したかったんです。

──なるほど。ではKARENさんの推し曲は?
KAREN:5曲目の「Dive into the BLUE」も新曲で、歌詞は海。私たちは全員スキューバダイビングのプロ資格を持っているんですね。すでに北野はインストラクター資格も持っていて、私とMishuも9月中旬にインストラクターの資格を保有したので、3人ともに人に教えられるようになりました。このご時世だからこそ忙しくても海に行って、ダイビングしたいし、“海の中ってこんなに異次元で、すごいんだよ”っていうことを伝えたいと思っていて。海に対する愛をふんだんに詰め込んだ曲が「Dive into the BLUE」です。
──全員が国際スキューバダイビング団体のアンバサダーとして、海洋環境保全活動にも取り組んでいるそうですね。
KAREN:3人とも本気で海の環境問題に取り組んでいるので、アンバサダー日本代表に選出していただいて。今度、世界各国代表者が集まるサミットに参加させていただくんです。ダイビングを通して音楽を広めつつ、音楽を通してダイビングも広める活動をしていきたいので、“LUV K RAFTの海の曲といえば、この曲”って言われるような歌詞に仕上げたいと思いました。

──Mishuさんの『PURPLE』収録推し曲は?
Mishu:8曲目の「Heart」です。私が加入する前から存在している曲なので、KARENさんがメインでずっと歌ってたんです。だけど今回収録するにあたって、ツインボーカルの楽曲として私も一緒にメインとなるように新しくアレンジしたんです。
──ライブでもすでに披露されているそうですね。
Mishu:はい。これまで私はハモリだけだったんですけど、今はもうツインボーカルのアレンジでやっています。たぶん以前からのファンの人からしたら、アルバムで聴くと“うわっ!”ってなるんじゃないかな。
──反応が楽しみですね。
Mishu:それと、今のLUV K RAFTのイメージにドンピシャだなって思うところもあって。北野さんのギターももちろんそうですし、そこに私たちのツインボーカルに加えて、強みだと思ってるハーモニーもしっかり表現されているので。3人が重なった音が、よりわかりやすく強調された楽曲になったと思います。
──なるほど。ところで、『GREEN』収録曲「PaperLove」は他の曲と音圧が違います?
北野:そうかもしれないですね。「PaperLove」は一番最後に録った曲で。流れとしてだいたいは、ふたりが録った歌を僕が聴いて「カッコいいやん」ってなるんですけども、この曲は「もうちょっと違うアプローチができるんじゃないかな?」って3人で話して、もう一回ふたりに再構築してもらったんです。で、次にボーカルテイクが上がってきたら、「うわっ!それだ!」ってなったという。自由度がだいぶ高いぶん音圧もガツっと上がって聴こえるのかな。
KAREN:基本的には「これでどうだ!」ってボーカルテイクを出しているので、リテイクすることってあまりないんです。だけど、この曲に関しては、めちゃくちゃカッコいいアレンジが仕上がってきたので、私たちにも「確かにもうちょっといけるかも」みたいなところはあって。それは歌い方なのか、ふたりのパート分けがそもそも違うのか、とか。本当に合わなければ、Mishuが1曲丸々歌ってもいいし、北野が歌い始めるかもしれないっていうことも、フレキシブルにできたらと思ってるんです。
Mishu:結果、《It’s not magic》という部分のもともとのメロディがKARENさんには合うけど、私には合っていなくて。そこの譜割りを少し変えたり、お互いの良さがより出るところを強調させたのが、このテイクでした。
KAREN:もともと私が歌ってた部分がちょっと多かったので、Mishuからスタートにして、ふたりの声をハーモニーじゃなくユニゾンにしたりとか、今まであまりやったことがないテクニックを使ったよね。とにかく曲がカッコよく聴こえるのが一番なので。
──もうひとつ、『GREEN』収録曲「カラバリ」はタイトル通りカラフルですが、a-haの影響を感じました。
北野:a-haの「Take On Me」を作りたくて、間奏はもうそのまんま(笑)。僕とKARENがチケットを取っていたa-haの来日公演がコロナ禍で中止になってしまったんですよ。そうこうしてるうちに、モートン・ハルケット(Vo)がパーキンソン病になってしまった。もう観ることができないかもしれないんですよね。だったら“我々の「Take On Me」を作ろう、やるなら徹底的に”と思いました。
──愛情たっぷりのオマージュです。
北野:たとえば、パフ・ダディが「I’ll Be Missing You」というタイトルで、ポリスの「Every Breath You Take」と同じイントロとサビを使ってメロディだけラップにして「あれは我々のオリジナルだ」って言い張ったことがあったんですね。ポリスのアンディ・サマーズ(G)は優しいので、「使ってくれていいよ」と言ったから騒動が収まりましたけど。 でも、“それは違うんじゃね?”と思うわけですよ。“やるなら公言しようよ”って。
──なるほど。『GREEN』収録曲「17days」には「Every Breath You Take」のイントロフレーズも入ってます。
北野:もうまんまです(笑)。しかもラップもあるので、僕の中ではパフ・ダディの「I’ll Be Missing You」に対して「オマージュってきっとこういうことですよ」って物申すという…あんな大御所にそんな大それたこと言えないですけどね(笑)。「17days」は、そのイントロフレーズも敢えてアコギでやりたかったし、「あ、この人はアンディ・サマーズが好きなんだな」っていうことに気づくようなアレンジがオマージュだと思って、入れさせてもらいました。まったく違うジャンルに持ってきたときに、エッセンスとしてね。
──聴きどころを細かく挙げればキリがない(笑)。本当に充実の24曲となりました。
北野:この2枚のアルバムには、面白いところがもうひとつあるんです。我々の音楽性を軟派だなと思う人もいるかもしれないですけど、LUV K RAFTに二面性があるということは、インタビューの最初のほうでお話したとおりで。今回、最大の二面性と言えるのが、OUTRAGE、GARLICBOYS、UNITEDっていう大御所メタルバンドをエンジニアリング/プロデュースしてる乾冬比古が、『GREEN』『PURPLE』のミックスをしてるということなんです。めちゃくちゃ面白くないですか? チャラいポップスをやってるようで、実は音の作り方がゴリゴリっていう。「PaperLove」で感じてくださった音圧は、乾冬比古のアンチテーゼがそこに込められているからかもしれませんね。

──では最後に、アルバム2作同時発売とメジャーデビューについて、ひと言ずつお願いします。
KAREN:全24曲。今まで日の目を見てこなかった自分たちが作った子供たちが、1stフルアルバムにすべて入っています。“これぞLUV K RAFT”っていう形がしっかり定まった作品ですし、ここからスタートを切るには最高の仕上がりになりました。初めて知ってくれた方にも聴いていただけたらなと思います。
Mishu:念願叶ってメジャーデビューです。結成13年のLUV K RAFTの軌跡みたいなところは自分たちのルーツとして残しつつ、門出ではあるので、新しいLUV K RAFTの姿を見せられるように。たくさん愛してもらえるように、しっかりと活動も頑張っていきますので、よろしくお願いします。
北野: LUV K RAFTは9月26日に徳間ジャパンコミュニケーションズからメジャーデビューして、これからリリースやライブ活動をさせていただきます。昔で言うとavexイコール誰々、SONYイコール誰々っていう、看板アーティストの図式があったように、「徳間ジャパンといえばLUV K RAFTだよね」って言われるように、しっかりとこのアルバムを引っ提げて頑張っていきたいと思います。
取材・文◎岡本貴之
撮影◎TOYO


■メジャーデビュー1stフルアルバム『GREEN』『PURPLE』
2026年9月26日(土)配信開始
※2作品同時リリース
配信リンク:https://tjc.lnk.to/LUVKRAFT
レーベル:徳間ジャパンコミュニケーションズ
▼アルバム『GREEN』収録曲
01.ココア
02.バリア
03.ZOMBIE ZOMBIE
04.カラバリ
05.17days
06.Day by Day -Happy Birthday 2021-
07.The day dragged on
08.SOMEDAY
09.PaperLove
10.グッバイ・マイ・ラブ
11.ありがとう…
12.ボッチャモーレfeat.BLD
▼アルバム『PURPLE』収録曲
01.Alice
02.春色
03.NEW AGE 9IRL
04.真夏のファンタスティックボーイ
05.Dive into the BLUE
06.Everybody 君とWonderful World
07.Wishing you feat.Cöco -Happy Birthday 2024-
08.Heart
09.魚
10.雨あがりの空 -Happy Birthday 2025-
11.Beautiful Days feat.松井絵里奈, Richard, Marty Friedman
12.浪漫飛行
■<LUV K RAFT LIVE 2026「LIVE K3Y ROOTS」>
【大阪公演】
9月26日(土) Yogibo HOLY MOUNTAIN
open17:00 / start18:00
【東京公演】
10月4日(日) 浅草花劇場
open17:00 / start18:00
【東京追加公演】
2027年2月20日(土) I’M A SHOW
open17:00 / start18:00
■<BIRTHDAY LIVE 2026>
10月18日(日) 東京・Padma ~Libe&Bar~
open19:00 / start19:15
■<LUV K RAFT LIVE“the ACOUSTIC”>
11月14日(土) 東京・GT LIVE TOKYO
open17:30 / start18:00
11月15日(日) 東京・GT LIVE TOKYO
open16:30 / start17:00




