【ライブレポート】THE ORAL CIGARETTES、<Home Sweet Home TOUR>結成の地・奈良公演は地元愛溢れるステージに「もっともっとたくさんの人に奈良の魅力を伝えたい」

THE ORAL CIGARETTESが、全国ホールツアー<Home Sweet Home TOUR 2026>奈良公演を2026年9月6日になら100年会館 大ホールで開催した。
奈良はバンド結成の地であり、ツアータイトルにある“Home”の中でも特別な場所だという。チケットはどの公演よりも早く即完した上、ツアー中のセットリストやステージ演出に関するSNSでの情報公開を制限。以下より、そんな奈良公演のライブレポートをお届けしていくが、本記事は千秋楽の北海道公演を終えたタイミングでの公開に加え、12月に開催される熊本公演の振替については、メンバー自身が「特別なものにしたい」と語っているため、公演に参加する人も気にすることなく楽しんでほしい。
7月から続いた今回のホールワンマンツアー。例年であれば全国各地の大型フェスに出演していたはずの彼らが選んだのは、大切なファン、そして自分たちの音楽と向き合う時間だった。ライブハウスを主軸に活動してきた彼らが、ホールという環境でどれだけ音楽を、感情を昇華できるか。その答えが、この日のステージにあった。

恒例の“4本打ち”が会場に響くなか、「俺たちの地元、奈良!」、いつもとは違う口上に会場が一気に沸く。「奈良、帰ってきたぜ! マジでうれしい! 楽しんで!」、1曲目に選んだのは「LOVE」。満面の笑みで“LOVE”を叫ぶメンバーに、観客も大きな声で応える。たった1曲で今回のツアーに懸ける思いが伝わり、会場は早くも多幸感に包まれていく。
「最高の夜にしましょう! <Home Sweet Home TOUR>、ここが俺たちのホーム。行けるとこまでいこうか!」、山中拓也(Vo, G)の叫びに続いて披露したのは「What you want」、「ワガママで誤魔化さないで」。楽曲はもちろん、鮮やかな光の束が会場を彩る空間演出に目を奪われる。初日の大阪公演よりも音響も演出も格段にブラッシュアップされていて、山中が以前に語っていた“ホールごとの個性を活かすためにスタッフと会話を重ねている”という言葉を思い出す。バンドの進化を目の当たりにすることで“もっとすごいものが観たい!”という欲求が自然と高まっていく。


「ツアーもあと3カ所、俺らも悔いなく終わらせたいし、アップデートしていきたい!」と、「気づけよBaby」「GET BACK」では、華やかな鈴木重伸(G)のギターリフが大きなホールに気持ちよく響き、あきらかにあきら(B, Cho)のご機嫌なベースライン、中西雅哉(Dr)のタフで鋭利なビートが会場を揺らす。さすが百戦錬磨のライブバンド。イス席のホール会場でありながら、物足りなさなんて感じさせない熱量で観客を引き込んでいく4人。
剛毅な楽曲陣が続くかと思えば、「Slowly but surely I go on」「Color Tokyo」と、柔らかな世界観で観客を魅了していく。オーラルが描く歌は、心の弱さや溺れる闇を認めながら、それを無理に光へ晒したり暴こうとはしない。ただ自分らしさを認めてくれる。この日披露した楽曲は新旧さまざまで、改めてバンドの、そして作詞作曲の多くを担う山中のサウンドクリエイティブの進化と探究心の大きさに触れられたように思う。


「やれることは全部やっちゃおう!」と、今回のツアーの肝でもあるアコースティックセットへ。「隣花」で言葉を丁寧に紡ぎ、愛おしそうに音を鳴らす4人。今この瞬間のバンドの“生の感情”が伝わってくるようで、観客はただじっと静かに聴き入っている。MCでひとしきり地元トークで盛り上がったあとには「UNDER and OVER」も披露。4人の音が、観客と相思相愛の循環を生み、会場いっぱいに温かな笑顔が広がっていく。
後半は「ホールもライブハウスも関係ないんやぞ! 全員頭振れ-!」と、「OVERNIGHT」から一気にギアを上げ、「PSYCHOPATH」でダークロックの狂気を見せる。7月にリリースされたばかりの「LIMIT」はしっかりとオーラルの“切り札”となっていて、会場の空気を一変させる牽引力を感じる。“もっと魅せてくれ”、“もっと高めてくれ”と、前のめりになって音を浴びにいく観客の姿があちこちに見える。


MCでは、山中が地元・奈良への思いを深く語る。「奈良を出て12年間、東京で戦ってきた。まだまだ変えたいことがいっぱいあって、奈良に持ってきたいものがある。やっぱり関西、奈良が好き。この街をもっと魅力的なものにしたい。今もずっと戦いながら、奈良に持ってこれる“何か”を探していて、もうすぐゴールが見つかりそう。もっともっとたくさんの人に奈良の魅力を伝えたい。いま、水面下で動いている。その日を待っててほしいし、その日に向けて応援してほしい。今年、もう一回奈良に来るんで! ヤバイチケット争奪戦やってください! ライブハウスで思いっきりはしゃいで!」。地元・奈良での展望を語り、「ERASE」へ。力強く吠える山中の歌声、興奮を高めるギターリフ、痙攣寸前の高速ビートに駆け抜けていくベース。ホールならではの音の広がりが快感を増幅させる。そこへ追い打ちをかけるように「Red Criminal」、「DUNK feat.Masato(coldrain)」と続き、ホールの通路がWODに見えるほど会場は大揺れ。タフなバンドサウンドをたっぷりと浴びたところで「あとひと息、頑張れる? 思いっきり見せつけよーか!」と「狂乱 Hey Kids!!」でヘドバンの大波を生み出す。

「これまでロックシーンのために旗を振ってきたけど、やり尽くした感じがあった。今年はフェスをお休みさせてもらって、このホールツアーに挑んでいる。ここからTHE ORAL CIGARETTESは次のタームへ進んでいく。これからの楽曲も、悩みながら振り絞った楽曲を届けていくけど、重すぎたら受け取らなくていいし、受け取る余裕があったら受け取って。いまでも苦しくなる瞬間があるけど、戦っていくしかない。苦しみに、自分の身を委ねるしかない。しんどくなったらこうやってライブに来て、ストレスを発散して。自分なりのやり方で解消してほしい。自分に合うやり方がきっとあるから。自分のことを信じて、自分が思ったように、自分を甘やかしてあげてほしい。頑張るときは一緒に頑張ろう。俺は前へ進むときに背中を押してあげるくらいしかできないけど、頑張ろうって思えるように音楽で支えていくことはできる。誰も助けてくれない、ひとりぼっちになったと感じたら曲を聴いてほしい。曲は絶対に消えない。一度あなた達の元に届いた楽曲は一生残り続ける。少しでも俺の苦しみが楽曲となって、あなたたちに届いて共有されて、前へ進めたら。励ますだけじゃない。共有する、そういうバンドでこれからもいたい。共有してほしかったら俺らのとこにおいで。次はきっとライブハウスで。次は…きっと、もっと大きいところで会いましょう」。

ファンへ、そして自分自身の声を聞き直すように、思いを切々と語った山中。「あなたたちが笑って帰れますように」、本編最後に披露したのは8月にデジタルリリースされた「VOICE」。今回のツアーで核となるロックバラードだ。ホールツアー初日から何度も公演を重ねることで、より言葉に色が芽吹き、観客ひとりひとりの感情に深度が増し、“共有”されていく。
アンコールでは、改めて地元・奈良へ、そして今後もホール公演を定期的に開催し、ホール、ライブハウス、そしてアリーナ、どんなところでも戦えるバンドであり続けたいと思いを語った彼ら。そして、山中はライブ後半に“ラストスパートで調子に乗りすぎた…”と喉を痛めてしまったことを告白。それでもがむしゃらに、全力でオーディエンスと向き合いたいと「この声でも覚悟が伝わるように。心にあるものをぶつけてください」と、観客の声を借り「ONE’S AGAIN」へ。
ステージの去り際に大きく叫んだ「また必ず帰ってくるわ!」の言葉の通り、またいつか奈良で、そして全国各地のライブハウスで。ライブバンド・THE ORAL CIGARETTESが共有する景色を楽しみにしたい。

文◎Nahoko Kuroda
写真◎Ryotaro Kawashima
◾️<Home Sweet Home TOUR 2026> セットリスト
日時:2026年9月6日(日)なら100年会館
1.LOVE
2.What you want
3.ワガママで誤魔化さないで
4.気づけよBaby
5.GET BACK
6.Slowly but surely I go on
7.Color Tokyo
8.Breathe
9.隣花 (Acoustic)
10.UNDER and OVER (Acoustic)
11.OVERNIGHT
12.PSYCHOPATH
13.LIMIT
14.ERASE
15.Red Criminal
16.DUNK feat.Masato (coldrain)
17.狂乱 Hey Kids!!
18.VOICE
ENCORE
EN1.ONE’S AGAIN
◾️<THE ORAL CIGARETTES「WANDER ABOUT 放浪 TOUR 2026 関東 編」>

2026年11月4日(水)千葉 稲毛K’s DREAM
2026年11月6日(金)埼玉 HEAVEN’S ROCK熊谷VJ-1
2026年11月7日(土)神奈川 横浜F.A.D
2026年11月9日(月)茨城 水戸LIGHT HOUSE
出演者:THE ORAL CIGARETTES / AFTERVOID
*11月4日千葉公演はAFTERVOID(DJ Set)での出演
2026年11月11日(水)東京 FEVER
2026年11月12日(木)栃木 HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-2
2026年11月15日(日)群馬 高崎club JAMMERS
出演者:THE ORAL CIGARETTES / TYOSiN
チケット代:5,500円(別途ドリンク代)
◾️リリース情報
◇配信シングル「Stay the way you are」
2026年9月16日(水)リリース
配信:https://oral.lnk.to/StaythewayyouarePR
特設ページ:https://theoralcigarettes.com/feature/stay_the_way_you_are

◇配信シングル「VOICE」
2026年7月1日(水)リリース/配信中
配信:https://oral.lnk.to/VOICEPR
特設ページ:https://theoralcigarettes.com/feature/voice
◇配信シングル「LIMIT」
2026年8月19日(水)リリース
配信:https://oral.lnk.to/LIMITPR
特設ページ:https://theoralcigarettes.com/feature/limit
◾️<THE ORAL CIGARETTES ALL-STANDING ARENA TOUR 2027『DOPE PURPLE HOLE』>
2027年2月21日(日)愛知・ポートメッセなごや 第1展示館
2027年3月4日(木)千葉・幕張メッセ国際展示場1-2ホール
2027年4月25日(日)インテックス大阪 5号館
▼チケット価格
スタンディングチケット:9,500円
キッズペアチケット:12,500円
▼FC会員1次先行
受付期間:9月12日(土)21:00~9月20日(日)23:59
受付URL:https://theoralcigarettes.com/news/detail/3267
◾️<THE ORAL CIGARETTES「BKW!! Premium Party 〜THINK OUT LOUD〜」>
日程:2026年10月12日(月・祝)
会場:神奈川・ぴあアリーナMM
開場:15:30 / 開演 17:00






