【対談】大澤敦史(打首獄門同好会) × ぶう(えんそく)、異文化交流ツーマン<REACTION>の可能性を語る「対極にあるはずなんですけど“おもしろい”が共通項」

打首獄門同好会 × えんそくによるツーマン<ReNY presents 2man live series REACTION vol.3>が8月25日、東京・赤羽ReNY alphaにて開催される。<2man live series「REACTION」>は、毎回ありそうでなかった個性的な組み合わせが話題を呼んでいるが、その第3回では、打首獄門同好会とえんそくによる異文化交流的ツーマンが実現。ラウドなロックバンドとヴィジュアル系バンドが交わる一夜に、果たしてどんな化学反応が起こるのか。
BARKSでは開催に先駆けて、打首獄門同好会より大澤敦史(Vo, G)、えんそくよりぶう(Vo)、同ツーマン企画を立ち上げた赤羽ReNY alphaの岩﨑店長を迎えてトークセッションを実施した。<REACTION>というイベントに込めた思いから、両バンドの意外な共通点、互いのジャンル論、そのジャンルを超越することで見えてきた新たな可能性まで語り合ってもらった。
打首獄門同好会の結成は2004年、えんそくは2005年。始動から20周年を経た両バンドのトークセッションは実に深く、多岐に広がっていった。

◆ ◆ ◆
■えんそくはV系の“おもしろい”でやってますから
■こういった“おもしろい対決”は緊張します(笑)
──打首獄門同好会とえんそくは、過去に一度対バンの機会がありましたよね?
大澤:昨年開催した対バンツアー(打首獄門同好会主催<ついに対バンしてみようツアー2025>)に出演していただいたときですね。実際、おもしろかったですよ。
ぶう:懐が深いバンドのお客様は、やっぱり度量が大きいですよね。メチャクチャ盛り上がりましたから。だいたいヴィジュアル系バンドって、ロックバンドのファンからは煙たがられるものだと思っていたんですよ。そこをひっくり返しに行こうと思っていたし、「ヴィジュアル系だけど、こいつらおもしろかったな」って言わせる自信もあったんです。だけど、入り口からしてウェルカムで、“打首が呼んだなら、今日はヴィジュアル系も楽しもうぜ!”みたいな感じだったんです。
大澤:本当に、“お、なんかおもしろいバンドが来たぞ!”って楽しんでもらえてる感じでしたね。
ぶう:俺らもすげぇ楽しかったし、いい経験させてもらったなと思っていて。そこに今回のツーマンの話が来たんで、“やったー!”と思ってたところです。
岩﨑店長:僕としても打首との対バンからつなげられてよかったと思ってます。そもそも大澤さんは、昨年の<ついに対バンしてみようツアー2025>の対バン相手をどんな風に決めていったんですか?
大澤:“打首獄門同好会と対バンしたい”とエントリーしてくれたバンドの情報をメンバーとスタッフで共有しながら決めました。多種多様なジャンルからのメンツを揃えたかったので、えんそくの応募は本当にありがたかったです。ラインナップの幅広さに加えて、各地でその土地と所縁のあるバンドさんに出演していただきたかったところ、えんそくには山梨が地元のメンバーがいると。であればもう「ぜひ出演していただこう!」となったんです。

──それが、<ついに対バンしてみようツアー2025>の山梨・甲府KAZOO HALL公演(9月10日開催)でした。
大澤:結果としてツアーは、ヴィジュアル系からアイドルまでさまざまな音楽性の方々と対バンできて、企画趣旨的にも大成功でした。これをきっかけに「また対バンしようぜ!」って話になったり、「こっちのイベントにも出てください」って誘ってもらえる機会も増えてるんです。今回、再びえんそくとの対バンが実現したのも嬉しいですね。
──もともと、<REACTION>はどういった経緯で始まったイベントなのか、赤羽ReNY alphaの岩﨑店長にうかがいたいのですが。
岩﨑店長:今回が3回目になるんですが、初回は氣志團とアーバンギャルド(2025年12月22日開催)、2回目はキュウソネコカミとネクライトーキー(2026年2月27日開催)でした。最初は、いろいろなご縁があってアーバンギャルドさんからお話をいただいて、氣志團さんにもお声がけしたところ「ぜひ」と快諾いただけたことがきっかけだったんです。それなら、せっかくだからシリーズ化しようと思って、すでに4回目(甘い暴力 × アーバンギャルド / 9月1日)の開催も決定しています。
──精力的ですね。タイトルの意図は?
岩﨑店長:<REACTION>というタイトルは電気グルーヴの楽曲「レアクティオーン」から取っているんですけど、僕なりの解釈では、この曲はライヴハウスの歌なんですね。その思いをイベントにも重ねて、“意外性のあるツーマンをやっていきたい”というところから始まったシリーズです。
──“意外性”がポイントですね。
岩﨑店長:はい。えんそくは赤羽ReNY alphaで結構ワンマンをやってくださっているんですけど、「ロック界隈のバンドとツーマンしませんか?」という話はずっとしていたんです。それで、「打首獄門同好会さんとやりませんか?」と恐る恐る声をかけさせてもらったという。
ぶう:えんそくはもう、誘われたらなんでも!
岩﨑店長:打首とえんそくは、楽曲テーマのシンプルさとかに共通点があると思うんです。打首には米の曲(「日本の米は世界一」)があったり、えんそくにはししゃもの曲(「ししゃもパワーX」)があったり。
ぶう:非日常を歌にしているウチみたいなバンドと、“生活密着型”を謳っている打首とは、対極にあるはずなんですけどね(笑)。
大澤:おもしろかったのが、山梨でのライヴ前に「曲の共通項とかありますかね?」ってえんそくに聞いたんですよ。そういう曲がライヴで出てきたらおもしろいと思ったので。そうしたら、「肘の歌(「戦慄!!悪魔の肘バン人形」)とか……」って答えが返ってきたんですけど、「肘の歌なんて、そんなのロックバンドにあるわけ……あるわ~!(「鬼の副長HIZIKATA feat. ぼく、獄門くん」)」って(笑)。
ぶう:打首は、どのバンドとでも何かしら共通項がありそう(笑)。
岩﨑店長:今回、告知映像で使用させていただいている楽曲も二組とも“英語の歌”だったり。
大澤:北米ツアーをやるにあたって、英語ができない悲哀を曲にしてみた「I wish I could speak English」ですね。
ぶう:えんそくの英語の歌と言えば「This is a pen.」です。
岩﨑店長:そういうところで、“もうこの2バンドだろう!”と決まったツーマンですね。
ぶう:山梨公演のときの話じゃないですけど、ロックバンドって当日の対バンの出方次第でセットリストを変えたりすることってよくあるんですか?
大澤:ありますね。そちらはないですか?
ぶう:ヴィジュアル系って、なかなかそういう考え方がないんですよ。同期演奏との兼ね合いで、急な変更が難しいっていうのもあるんですけど。まぁ、対バン相手への“媚び”だと思っちゃうのかな。
大澤:なるほど、根本的に視点が違うかもしれないです。こちらとしては、共通項があるなら“しめしめ”と思うタイプなので。
ぶう:わかります。僕らもそういう意識なんですよ。対バン相手のお客さんに刺されば、そんなにいいことはないと思っているので。もしかしたらヴィジュアル系界隈のマインドとしては僕らのほうが浮いているところもあるかもしれないですけどね。だけど、そうやって「やろう!やろう!」っていうテンション感でできるっていうのは、すげぇいいと思います。
岩﨑店長:ちなみに、山梨公演のときは何か一緒にやったんですか?
大澤:セッションとかコラボみたいなことはやってないですね。
ぶう:今回は何かやりましょうか! えんそくのステージに出ていただいてもいいですし、僕も打首のステージで何か歌わせていただきたい。あ、オープニングトークはやりたいですね。
大澤:オープニングトーク!?
岩﨑店長:えんそくのツーマンでは結構恒例です(笑)。そのオープニングトークで、両バンドの壁がなくなるというか。
ぶう:そもそも、仲のいいバンド同士がツーマンをやって盛り上がるのは、音楽性の親和性というよりもお互いの人間性が見えているからだと思うんですよ。だから今回の打首とのツーマン開催にあたって、すでに山梨公演で経験していることに加えて、この対談はすごくありがたいんです。ライヴ前に相手がどんな人かが見えてくると、ライヴを観たときの曲の刺さり方も違ってくるから。
大澤:自分もまだえんそくのすべてを把握しきれてはいないので、まだまだいろんなぶつけ方があるんじゃないか?と思ってるんですよね。
ぶう:えんそくはヴィジュアル界の“おもしろい”でやってますから、こういった“おもしろい対決”は緊張しますけどね!







