【ライブレポート】森 大翔、新章開幕を告げる<A day of YAMATO 69/26>

毎年、6月9日の誕生日の時期に合わせてワンマンライブを開催している森 大翔。23歳の誕生日を迎えた今年は、誕生日当日、<A day of YAMATO 69/26>と題した弾き語り形式のライブをSHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて開催した。当日の模様をオフィシャルからのレポートでお届けしよう。
なお、同公演のソールドアウトを受け、6月5日には、大阪のMusic Club JANUSにて追加公演も開催された。この2公演の会場では、彼の新章幕開けの象徴となるEP「薄明」のCDが会場限定販売され、また、今回のライブでは、先んじて配信リリースされていた「祝祭」をはじめとした同作の収録曲が多数披露された。

SEとして波の音が響く中、暗いステージに現れた森が、ランプを灯し、椅子に腰掛ける。そして、鮮やかなアルペジオの速弾きを交えながら一つずつコードを鳴らし、その流れで1曲目「ラウシ」を披露する。時おり清麗なファルセットを織り交ぜつつ、しっかり大地を踏みしめながら堂々と闊歩するような逞しい歌を届けていく森。今回の弾き語り形式のライブでは、彼が誇るシンガーとして真価が、いつものバンド編成の時以上にグッと際立って伝わってくる。
続けて、強風や荒波の音が響く中、森は、ランプを消し、椅子から立ち上がり、ピンスポットライトを受けながら「台風の目」を披露する。ストロークと超速弾きを掛け合わせた気迫に満ちたプレイからは、アコースティックギター1本のみの演奏とは到底思えないような躍動的なビート感が感じられる。そして、次第に立ち上がってゆく雄大なスケールの中、森の歌が、雨にも風にも負けず力強く響く。次の「君の目を見てると」では、台風一過の静けさの中、森の歌が会場全体を優しく包み込むような温かな包容力をもって響きわたる。


あまりに頼もしいライブパフォーマンスを受け、会場全体から盛大な拍手が送られる中、森は、「今夜限りの特別な演奏ができるように、せいいっぱい演奏しますので、最後までよろしくお願いします。」と告げ、煌びやかな輝きを燦々と放つアルペジオを奏で、最新EPから「純風」へと繋ぐ。間奏では、ルーパーを駆使してリアルタイムで多重録音しながら壮大にして深淵な世界を描き出し、そして、ラストのサビでは、まるで大きく翼を広げて晴れやかな空へと飛翔するような伸びやかな歌をめいっぱい響かせる。「明日で待ってて」における大らかな歌、12弦ギターで披露した「カケラ」におけるたおやかな歌も、ホールという空間の親密さと相まってとても深く心に沁みた。
気付けば、あっという間に後半へ。森は、後半では、自身のギタリストとしての側面も提示すると予告した上で、「自由に楽しんでください!」と高らかに呼びかけ、「オテテツナイデ」からライブを再開させる。イントロにおけるカントリーやブルースを基調とした速弾きが観客のクラップが熱烈に重なり、それを受けて、森のギターがさらに熱を帯びていく。間奏では、超高速カッティングを軸としたギターソロを容赦なく炸裂させ、ギターヒーローとしての勇姿をしっかり示してみせる。会場全体に生まれた熱気と一体感は、「VSプライドモンスター」「大都会とアゲハ」へと引き継がる中でさらに昂り、いよいよ残すところ1曲。


森は、昨年3月に「通過点」をリリースしてから今年の4月に「祝祭」をリリースするに至るまでの約1年間の空白期間について振り返りながら、その間に改めて自分を見つめ直した、と明かした。自分が本当に鳴らすべき音、信じている音、心の奥に流れている音は、いったいどんな音なのか。そうした内省と思索の果てに生まれたのが、今回の最新EP「薄明」であると伝えた森は、続けて、「より自分の音楽が大好きという気持ちでステージに立てた。」「このEPを持って、これからも森 大翔の音楽を届けていけたらと思います。」と告げ、EP収録曲の一つにして、新しく《生まれ変わった》今の彼のモードを特に色濃く象徴する「祝祭」を披露した。まるで一筆書きで書いたかのような流麗な歌のメロディ、そこに分かちがたく重なるギターからは、この約1年を通して彼が深めた自信と新たに得た確信がありありと伝わってくる。
アンコールでは、再び12弦ギターを持ち、最新EPから「22/22」を披露。そして最後に、「これからの自分と皆さんの将来がよりよいものになるように、祈りを込めて歌います。」と真摯に告げた上で、「いつか僕らは~I Left My Heart in Rausu~」を披露した。森の渾身のロングトーン&フェイクに観客の温かな拍手が重なる中、今回のライブは万感の大団円を迎えた。新しく《生まれ変わった》森の新章は、きっと明るい。「祝祭」を初めて聴いた時に芽生えた予感が、全編を通して次第に確信へと変わってゆく。そんな感動的なライブだった。

取材・文◎松本侃士
撮影◎山川哲矢
■セットリスト<A day of YAMATO69/26>
2026年6月9日(火) SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
2026年6月5日(金) 大阪 JANUS
ラウシ
台風の目
君の目を見てると
純風
明日で待ってて
カケラ
オテテツナイデ
VSプライドモンスター
大都会とアゲハ
祝祭
ENCORE
01. 22/22
02. いつか僕らは~I Left My Heart in Rausu~
■「純風」」
2026年6月10日 配信スタート
https://yamato-mori.lnk.to/Jumpu
■ライブ会場限定盤EP「薄明」
2026年6月5日(金) Release
PROA-101 ¥2,200(税込)
・収録曲
1.祝祭
2.純風
3.カケラ
4.22/22
5.ラウシ

<森 大翔 弾き語りツアー「響縁Ⅲ」>
2026年9月20日(日) 愛知@SPADE BOX
2026年9月27日(日) 宮城@誰も知らない劇場
2026年10月10日(土) 広島@Yise
2026年10月11日(日) 福岡@border live music&drinks
2026年10月16日(金) 大阪@JANUS
2026年10月24日(土) 東京@晴れたら空に豆まいて
2026年10月25日(日) 東京@晴れたら空に豆まいて
2026年10月31日(土) 北海道@musica hall cafe
2026年11月1日(日) 北海道@musica hall cafe





