【速レポ】<SATANIC CARNIVAL 2026>、サバシスターはサバシスターのまま突き抜ける「音楽が好きで、PIZZA OF DEATHが好きで」

ステージに上がるや否や放たれた「PIZZA OF DEATH Familyの長女、サバシスターです。サタニック……覚悟を決めろ!」というひと言から雪崩れ込んだ1曲目は、「覚悟を決めろ!」である。少々つんのめったビートはそのまま、この日に懸けるつんのめった心の表れだろう。“君を乗せたら君も共犯/2本離してピースを決めろーーぉおおおい!”とか、“覚悟を決めろぉおっ!”とか、心が曲を追い越していると言わんばかりに歌の端々が絶叫になっていく様も、衝動と歌の距離が近いサバシスターの真っ直ぐさを感じさせる。2024年にPIZZA OF DEATHへの所属とメジャーデビューを発表すると同時にリリースされた1曲はサバシスターにとっての記念碑でもあるが、今となっては、PIZZA OF DEATHを背負って走り続けるという宣言の意味合いも持つようになってきたのだろう。横山健に喰らってパンクロックにのめり込み、PIZZA OF DEATHへの憧憬を抱き続けたなち(Vo, G)。しかし憧れを憧れのままで抱え続けるのではなく、今度は自分達がその看板をもっともっと輝かせて見せるのだと。年々重く太く強くなっていく一打一音こそ、そんな気概のもとにサバシスターがサバシスターを磨き続けてきたことの証明である。



結成間もない頃から「ジャージ」などの楽曲でその名を知られるようになり、その風に乗って果たした夏フェス出演によってさらに認知を広げ、もの凄いスピードで駆け上がってきたサバシスター。ゆえに、音楽が好きだという気持ちだけで突き進むことの大変さも感じてきただろうし、進めば進むほど新しい出会いがあるというロマンもグングン膨らんでいっただろうし、何しろ目まぐるしく移り変わる日々と取っ組み合う闘いが続いてきたはずだ。だからこそ「覚悟を決めろ!」という曲は、その都度自分達の居場所を確かめ、もう一歩前へ進むためのファンファーレとしての意味合いもあるのだろう。音楽に勝ち負けはないが、このステージに立つ自分との勝負は確かにある。そんな気持ちが伝わってくる痛烈なオープニングだ。

さらに、「覚悟を決めろ!」のラストの一節を観客に預け、「!」へとシームレスに接続。疾走する8ビートと、言葉がクリアに入ってくる歌唱。笑顔を浮かべて思い切りステージを楽しんでいるごうけ(Dr)とるみなす(G)の姿も眩しいし、何よりなちの歌がどんどんフリーフォームになっていることがライヴ自体の躍動感に直結している。「前髪切りすぎたー! 「My way」!」にというひと言に続けたショートチューン「My way」、「踊れますか!」という煽りに合わせて投下したスカナンバー「My girlfriend is pizza of death II」。立て続けに披露した「ポテサラ」ではなちがハンドマイクに。こうなると物理的にフリーフォームなパフォーマンスになるわけだが、それ以上に歌の有り様が超自由というか、歌唱の動きや歌のぶつかり方、歌の軌道自体が超軽やかである。かっちり歌うよりもその瞬間のエモーションに従い、ステージ全体を使って遊び倒す。このライヴのど頭から垣間見える開放感の理由は、「ここに立てていることへの感謝と、挑戦してやるぞという気持ちで燃えています。どんなもんかなっていう感じで観に来てくれた人も、サバシスターはサバシスターなりのステージをやり切りますので、どうか音楽を楽しんでくれたら嬉しいです!」というMCに詰まっているのだろう。SATANIC CARNIVAL に初出演した際は感極まって涙を流すひと幕もあったが、時を経て、サバシスターはサバシスターのまま突き抜けるだけだという強さを鳴らすようになった。昨年リリースしたアルバム『たかがパンクロック!』のカラフルなソングライティングまさに表していたように、サバシスターにとってのパンクロックとはパンクロックの型をそのままなぞることではなく、好きな音楽を心のままに鳴らして突き進む姿勢そのものを言うのだと。そんな無垢な衝動を改めて音楽化できたことによって、サバシスターはさらに解放的で真っ直ぐでピュアなライヴを繰り広げられるようになったのだと思う。真っ直ぐはカッコいい。大好きなものを信じて走る姿は最高だ。恥ずかしげもなくそんな言葉を書いてしまうが、そんなライヴだし、そんなバンドなのだ。

「作戦会議」ではさらに歌が直情的になり、サークルもクラウドサーフも名前のない踊りもごった煮になったフロアの熱を受け取り、バンド自体がまたグングン昇っていく。MCらしいMCはなくガンガン楽曲をドロップしていくソリッドなライヴだが、言葉よりも歌自体で熱を交感し続けている。極めつきは「ミュージックプリズナー」と「才能」。音楽を愛するからこそ音楽に苦しむ心象を洗いざらい歌った「ミュージックプリズナー」は“夢を見て生きていくこと”そのものの真実であり、自分を形成する信念の跡である。そんな歌があるからこそ、一歩踏み出す瞬間こそがあなたの「才能」だと伝える歌が輝くのだ。「音楽が好きで、PIZZA OF DEATHが好きで。それだけで東京に出てきて。PIZZA OF DEATHに出会って、仲間に入れてもらって。こんなに素晴らしい景色を見させてくれて、本当にありがとうございます」。そんな挨拶をしてから、ラストは「ハッピーなんて」と「サバカン」を続け、30分10曲の爆走アクトが終了。最後の最後まで真っ直ぐに前を見る眼差しが輝くライヴだった。これぞサバシスターである。

文◎矢島大地
撮影◎西槇太一
◆BARKS内<SATANIC CARNIVAL 2026>特集
◾️セットリスト (HELL STAGE)
01.覚悟を決めろ!
02.!
03.My way
04.My girlfriend is pizza of death II
05.ポテサラ
06.作戦会議
07.ミュージックプリズナー
08.才能
09.ハッピーなんて
10.サバカン
■<SATANIC CARNIVAL ’26>
6月6日(土) 千葉・幕張メッセ国際展示場1-3ホール
6月7日(日) 千葉・幕張メッセ国際展示場1-3ホール
◯物販 / FOOD AREA:open9:00
◯ライブ観覧エリア:open10:00|start11:00 ※予定
▼6月6日(土)出演者
10-FEET / バックドロップシンデレラ / FC FiVE / Fear, and Loathing in Las Vegas / FOMARE / ハルカミライ / HERO COMPLEX / HEY-SMITH / Ken Yokoyama / Maki / MAYSON’s PARTY / MONGOL800 / サバシスター / SCAFULL KING / SHADOWS / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / Suspended 4th / ヤバイTシャツ屋さん / 山嵐 / [OA] カライドスコープ
▼6月7日(日)出演者
04 Limited Sazabys / Age Factory / dustbox / ENTH / 花冷え。 / HIKAGE / Knosis / マキシマム ザ ホルモン / OVER ARM THROW / Paledusk / ROTTENGRAFFTY / SHANK / SHE’ll SLEEP / SiM / 四星球 / THE FOREVER YOUNG / 打首獄門同好会 / View From The Soyuz / w.o.d. / [OA] Launcher No.8
関連サイト
◆BARKS内<SATANIC CARNIVAL 2026>特集
◆<SATANIC CARNIVAL> オフィシャルサイト
◆PIZZA OF DEATH オフィシャルサイト







