【ライブレポート】柴咲コウ、総合プロデューサーを務める<サステナビューティーフェス>開催。「初声をあげて、こうして開催できたことを嬉しく思っています」

2026.06.03 22:00

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柴咲コウが、総合プロデューサーを務める新しい音楽フェス<サステナビューティーフェス>を5月23日・24日の2日間にわたって、山梨県・河口湖ステラシアターで開催した。

<サステナビューティーフェス>は“楽しいから、はじめよう”をスローガンに掲げ、音楽や食を通じて、楽しみながら持続可能=サステナブルな未来の選択肢にアクションを起こす新しい音楽フェスティバルだ。

記念すべき第1回目の開催となった<サステナビューティーフェス>。両日ともにオープニングを務めたのはハンドパン奏者のREO MATSUMOTO。富士山麓の自然や鳥の鳴き声とゆっくりと調和していくような美しい音色を奏でると、細身の白いドレスを身に纏った柴咲コウが加わり、「宙-SORA-」を歌唱。2025年7月にオンエアされたラジオ番組『柴咲コウのオールナイトニッポンGOLD~サステナビューティーRADIO~』で「フェスがやりたい」という目標を語っていたことに触れ、「思いが凝縮して、口にしていたことが言霊となって、いま、ここで叶った。実現できて感無量です。思いが形になって嬉しいです」と喜びを噛み締めた。

また、本フェスのMCを務めるフリーアナウンサーの八木早希から「そもそもサステナビューティーとはどういうものなんでしょうか?」と問いかけられた柴咲は、「この“美しい地球”を未来に繋げたいという思いがあって。それには、“楽しいからはじめる”ことが大切だなと思い、このフェスを企画しました。みんなでハッピーになって、“サステナビューティー”にワクワクしながら向き合える場づくり、物づくりがしたい。心の健康が全ての始まりだと思うので、この非日常の空間を楽しんでもらいながら、リラックスして音楽を聴いてほしいです」と想いを語った。すると会場からは、これから始まるステージへの期待を込めた大きな拍手と歓声が湧き上がった。

初日のトップバッターを務めたのはKICK THE CAN CREWのLITTLEだ。柴咲に歌詞を提供した「響宴」を舞台袖からアカペラでセルフカバーすると、柴咲と二人でステージに上がり、柴咲主演のABEMAオリジナルドラマ『スキャンダルイブ』の主題歌としてLITTLEがラップを書き下ろした「Awakening(feat. LITTLE)」を披露。スリリングで混沌とした音像で観客の目覚めを促し、DJとフィンガードラムに加えて、6人組ガールズユニットのENBASEをフィーチャリングした多彩なステージで会場を沸かせた。

続いてAIが登場すると、「ハピネス」でいきなり〈ラララ〉のシンガロングが発生。ソウルフルで迫力たっぷりのフェイクに大きな歓声が上がる中、大ヒット曲「Story」では〈ため息する時/ありますよね〉と優しく歌いかけると再びの大合唱となり、「みんながみんな英雄」でも観客が〈ラララ〉と大声を上げ、歌声と笑顔が自然と広がっていく、温かく幸せな空間を作り出した。袖で見守っていた柴咲は「感動です」と感想を述べながらステージに上がり、ここからはAIをゲストに迎えた「柴咲コウのオールナイトニッポンGOLD~サステナビューティーRADIO~ supported by アサヒ ゴールド」の公開収録に突入。“楽しいから、はじめてみました!”というテーマで募集したお便りを紹介しながら、好きなおにぎりの具の話で盛り上がった。

メジャーデビュー15周年を迎え、大阪城ホールでのライブを控えるMs.OOJAは、最新のカバーアルバム『Ms.ENKA〜OOJAの演歌〜』に収録された「愛燦燦」や「ベサメ・ムーチョ」のカバーで艶やかな歌声を響かせると、「真夜中のドア〜Stay with me」に続く「フライディ・チャイナタウン」では観客が総立ちとなって、一緒にオリジナルの振り付けで踊る場面もあった。ライブ後には「ビンテージソングをカバーとして歌い継いでいくことに幸せを感じます」と柔らかな笑顔を見せた。

家入レオは「未完成」をはじめ、「君がくれた夏」「太陽の女神」といったフジテレビ月9ドラマの主題歌を中心にパフォーマンス。伸びやかで力強い歌声には聞き手の心にまっすぐに届く力があるが、「最後に暗い曲を歌いたい」と語り、「愛情が憎しみや悲しみに変わる瞬間がある。そんなネガティヴな自分も受け入れて、ちゃんと認めてあげたい」という言葉の後、「Silly」では内面をえぐるようなダークでシリアスな歌声を放ち、鮮烈な印象を残していった。

初日のトリを務めたのは、初の日本武道館公演まで残り1週間と迫っている、シンガーソングライター・川崎鷹也だ。「君の為のキミノウタ」をアコギ1本の弾き語りで始めた川崎は、観客の一人ひとりに想いを伝えるように熱唱。栃木から夢を追いかけて単身上京し、路上ライブや観客が2〜3人しかいないライブハウスでの苦い思い出も振り返りながら、「がんばれがあなたのパワーとなりますように」という願いを込めて「またね、ヒーロー」を届けると、クラップとコール&レスポンスが湧き上がった「ほろ酔いライブソング」で締めくくった。最後に柴咲が「素晴らしい幕開けができたと思います」と感謝の気持ちを述べた後、「幸せ〜〜!!」という喜びに満ちた言葉の絶叫とともに初日の幕は閉じた。

初日は霧雨混じりの天気となり、全天候型音楽堂の可動式屋根は閉じられていたが、曇りとなった2日目は屋根も開放。空が大きく開いたステージに最初に登場したのは、ドラマや映画、ミュージカルと幅広いフィールドで活躍しているMORISAKI WIN。エレキギターの伴奏が印象的な「anymore」でライブをスタートさせると、「Move out」や「パレード – PARADE」では会場全体を巻き込むパフォーマンスとバンドとのアンサンブルによる豊かなグルーヴで観客を自然と踊らせた。10歳で生まれ故郷のミャンマーから日本に移住した経緯を語りながら、「音を鳴らすと心が元気になる」と話した森崎が音楽を心から楽しんでいる姿勢は観客にも伝播。旅先で出会ったばかりの人と意気投合して乾杯したかのような、親密なムードと一体感を一瞬で作り出すステージとなっていた。

6月に南米コロンビアでのラテンデビューを果たし、6月からは全国ツアーを迎えるナオト・インティライミは「Well-being(幸福)な気持ちをみんなで共有したい」という言葉を体現。「まずは自己紹介がてら、皆さんが知ってる自分の曲を」という前振りから、共演者の楽曲を次々と弾き語りで歌い継いでいくと、「乗ってきちゃった」と予定になかった「あの素晴らしい愛をもう一度」をラテンファンキー調でカバー。ナオトによるボイスパーカッションのビートに観客が大合唱を重ねると、自分の曲を「どっかで聞いたことある名刺がわりのティライミメドレー」と題してメドレーでプレイ。さらに、サンバやレゲエ調の「The World is ours!」ではダンサーも登場してお祭り騒ぎとなり、舞台下から投げ込まれたサインボールを胸トラップして客席に向けてキック。観客とのコミュニケーションを存分に楽しみながら、心地よい開放感を生み出していった。

ソロデビュー10周年を迎え、7月には日本武道館でのライブを開催する山本彩。夏の景色を引き連れてくる「刹夏」で自然体の魅力を発揮すると、「空が見える大自然に囲まれたステージに立てて嬉しいです。ヒーリングミュージックのようにゆったりと楽しんでください」と笑顔で呼びかけた。ロックナンバーでのタオル回しで会場を1つにした後、「みんなで歌の輪を作れたらいいなと思います」という言葉に導かれた「ひといきつきながら」では<ラララ>という大合唱も沸き起こるなか、ソロデビュー曲「イチリンソウ」と最新曲で「共鳴」を並べることで過去、現在、未来を鮮やかにつないでみせた。

「皆さん、手を回して一緒に盛り上がっていきましょう!」と元気よく登場したmiwaは、サマーソング「ミラクル」で観客のクラップとタオル回しを引き出した後、ノースリーブにサンダルと夏フェス仕様にした自身の衣装について、「完全に気候を読み違えました!」と苦笑。老朽化した日本の桜を守る取り組みをラブソングに落とし込んだ「桜みたいな恋なんだ」や代表曲「ヒカリヘ」での澄み切ったハイトーンに加え、原点であるアコギの弾き語りで歌ったデビュー曲「don’t cry anymore」では清らかながらも力強いロングトーンを響かせ、16年目を迎えたシンガーソングライターとしての進化をダイレクトに見せつけた。

そして、2日間に渡った<サステナビューティーフェス>のトリを務めるヘッドライナーは、総合プロデューサーである柴咲コウだ。キーボードとハンドパンの会話のようなセッションから始まり、ドラマ版『世界の中心で、愛をさけぶ』の主題歌「かたち あるもの」、映画『沈黙のパレード』の主題歌として福山雅治が書き下ろしたKOH+の「ヒトツボシ」と、芝居と親和性の高いバラードを続けた。どうしようもない別れの寂しさがもたらす喪失感を綴った楽曲だが、柴咲の歌声には出会えた奇跡や喜びも感じさせる響きがあった。

大切な人を失った人々への祈りを込めた讃歌のような歌に続き、ひと呼吸おいて、そのまま「そして僕は途方に暮れる」を歌唱。2016年にリリースした2枚目のカバーアルバム『続こううたう』のアレンジでスケールを拡大すると、「初めてのフェスを開催できた喜びでいっぱいです!」と挨拶。「ライブツアーやバースデーライブとはまた違った空気感の中で、皆さんに歌を届けられることが幸せです」と語った後、自身が俳優として出演した映画やドラマの主題歌・挿入歌を、自らの表現で歌い紡ぐ<ACTOR’S THE BEST>のコンセプトについて改めて紹介。続けて、2026年11月から2027年1月にかけて行う全国ツアー<KO SHIBASAKI LIVE TOUR 2026 ACTOR’S THE BEST ~泡沫~>の開催を告知し、会場からは大きな拍手が送られた。

ここで、本フェスについて、「一人ひとりの幸せだな、楽しいな、嬉しいなという気持ちが集まったら、ものすごく偉大なものになると感じています。このフェスは、サステナブルと言っている以上、1回で終わったら持続可能じゃないじゃんってなっちゃう(笑)。できれば2回目、3回目と続けていきたいです!」と高らかに宣言すると、会場からはこの日一番の大きな拍手が送られた。さらに、「非日常の中で、素晴らしいアーティストの皆さんの歌声や演奏を聴きながら、新たな気づきや発見に出会ってもらえたらとても嬉しいです。これからもどうぞよろしくという気持ちでいっぱいです」というメッセージを届けると、2020年に“サステナブルな未来へ”というテーマで制作した、「ひとかけら」を披露。生きとし生けるもの全ての命をつなぐように、やさしく丁寧に歌い上げた。続く「月のしずく」では、永遠に続く愛を心を込めて歌唱。そして「KISSして」では観客とのコール&レスポンスやタオル回しで会場がひとつとなり、心地よい熱気と一体感に包まれながら大団円を迎えた。

エンディングでは、両日ともに出演アーティストたちとともにアサヒ ゴールドで乾杯。2日目の最後に、柴咲は「終わるってことは、また始まるってことです。皆さんにここで会えたことが一番の喜びです」と観客へ感謝の気持ちを伝えた。さらに、「まず初声をあげて、こうして開催できたことを嬉しく思っています。そして、またサステナブルに続けていけるようにより高めていきたいです」と来年以降の開催に向けた決意を表明。そしてラストは、ラヴァーズロックにアレンジされた「WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント〜」のカバーで観客の大合唱を巻き起こすと、柴咲の「みんな愛してるよ! また会いましょう」という再会の約束を以て、初開催となったフェスは大成功で幕を閉じた。

文◎永堀アツオ
撮影◎築地孝典

◾️<KO SHIBASAKI LIVE TOUR 2026 ACTOR’S THE BEST 〜泡沫〜>
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