【インタビュー】Ettone、 “人生のトワイライト”

2026.05.01 18:00

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──他の皆さんは同曲を聴いて、どう感じましたか? 皆さんクリエイター視点を持っているからこそ、見えるものもあったのではないでしょうか。

koyuki:胸がギュッとなるような懐かしさを感じると同時に、温かさも感じられる楽曲だなと思いました。最初、ヒューマンビートシンガーのYAMORIさんと曲を作ると聞いて、どうなるんだろうと思っていたんですが、蓋を明けてみたら、すごく驚きました。まさか後ろで鳴っている音が、人が演奏しているなんて思わないじゃないですか(笑)。しかも、それをガールグループが歌うのが斬新だな、と。そういった新しさがありつつ、誰もが懐かしいと思う「夕焼け小焼け」がミックスされてエモさも出ているし、歌詞には無邪気だった頃の自分を思い出すような単語が散りばめられていて。anriとshionから「こういう意味でこの単語を使ったよ」と説明してもらったのですが、それを聞いて「新しいものだけではなく昔の感覚も大切にしよう」と感じました。

chiharu:夕焼けや5時のチャイムって普遍的ですよね。ずっとそこにあるものですが、改めて目を向けたからこそ感じられることがあるので、その余白が面白いなと思いました。誰しも「この匂いを嗅いだらあの事を思い出す」、「あの景色を見るとこれを思い出す」ということがあると思うのですが、その面白さをギュッと閉じ込めたような曲ですよね。

anri:2人が言ってくれたことは制作をした私たちも感じていたことですね。

mirano:私、就職活動を経験していないので、「ガクチカ」という言葉を知らなかったんですよ。大学生活をしている2人だからこそ、出てくるワードですよね。Ettoneにはいろんな経験をしているメンバーがいるので、自分が経験していないことでもメンバーを通して知ることができるんだなと思いました。逆に、私が歌っている〈あの頃の靴はマジックテープ〉の部分は自分で経験をしているので、懐かしさを感じることも知らないことを体験することもできる感覚がありました。

anri:私、「トワイライト」の世界観とmiranoってすごく繋がると思うんです。彼女は小さい頃から夢を追いかけ続けていたからこそ、自己紹介の時に言っていた「ロボットみたいだった」という状態になっていたんじゃないかなって。「トワイライト」の主人公は就活生ですが、miranoに置き換えたとしても成立すると思うんですよね。だからこそ、miranoに響いてほしいなと思っていたので、今の話を聞いて勝手に嬉しくなっちゃいました。

mirano:響いてるよ!

▲mirano

──そして、個人的にEttoneの低音もしっかり感じる歌声がすごく好きで。歌の部分でこだわったことを教えてください。

shion:〈風をつらぬく笑い声が〉からのブリッジの部分を担当しているのですが、そこがすごく好きです。空を突き抜けるくらいの笑い声が響いている情景を思い浮かべて、思いをしっかり乗せて、気合いを入れて歌いました。レコーディングも「地声の方がいいかも?」「裏声でも歌ってみよう」と何パターンか録ったのですが、最終的に「とにかくエモければいいよ!」とご指導いただいたので、自分の中で最大限のエモさを出して歌いました。

koyuki:私は1サビの〈見上げた夕焼けは〉の部分の主線を歌っています。私の実家が高台にあるので、そこから見える夕焼けがすごくきれいなんですね。それを想像しながら、広がるように歌おうと思ってレコーディングをしました。歌っていてすごく気持ちいいです。

yuzuki:オクターブ下を歌う時にいつもならリズムを出して歌うのですが、「トワイライト」はあまり考えずに力を抜いて歌いました。YAMORIさんから「掃除機をかけながら歌っている感じでやってみて」と言われたのですが、想像しやすい単語でディレクションしてくださったのが印象的です。実際、自分の声を聞いてみると、すごく力が抜けていていい感じにエモくなったなと感じました。いい勉強になりましたね。

──あのオクターブ下のパートは、yuzukiさんがすべて担当されているのですか?

koyuki:みんなで分担していますね。

pia:これは“Ettoneらしさ”にも繋がるのですが、ジェンダーレスな感じで楽曲を書いているんです。誰でもカラオケで歌えるように、オク上、オク下、ハモりをはめていて。自分のキーに当てはめられるようにしています。聴けば聴くほど「この音が好きだな」と思える部分が見つかると思うので、ぜひ見つけてみてください。

anri:私もいいですか?

──どうぞ!

anri:さっきyuzukiちゃんが力を抜いたと言ってくれましたが、まさにそれが「トワイライト」っぽいなと思っていて。アーティストとしてステージに立つことって、ある種演じながら思いを伝える場面もあるなと思っていて。でも、今回はその逆のアプローチを求められたというか。力を抜くこと、素の自分であることを恐れずに表現すること、それが「トワイライト」とマッチしているんです。制作からレコーディングまでの間、鎧を脱いで、弱さを受け入れて、すべての感情に敏感であることを求めました。それをデビューから7カ月経った今、7人全員でできたことにすごく意味があると思っています。

▲pia

──素の状態でいながらも表現をするって、めちゃくちゃ難しくないですか?

anri:そうなんです。無意識に力が入ってしまうんですよね。だからこそyuzukiちゃんが言ってくれたように「完璧じゃなくていい」「大人になろうとしなくていい」と力を抜くことが必要だったんだなと思います。

yuzuki:それって、演じ方のアプローチを変えるということだと思うのですが、やっぱり難しいんですよね。そういう時にYAMORIさんが言ってくださったように想像しやすいワードがあると、歌いやすくなったり、表現しやすくなったりしました。

──このお話を踏まえて、もう一度曲を聴き返したくなりました。ちなみにパフォーマンスに関してはいかがでしょう?

mirano:絶賛作り込み中です。MVとは別にパフォーマンスビデオが公開されるのですが、その振り付けを私が担当させていただくことになっていて。どこまで映像に反映できるかはまだわからないのですが、懐かしい手遊びを使った振りや、「ケンケンパ」や「だるまさんがころんだ」をダンスに落とし込んでいるところです。懐かしさをもっと味わってもらえるようなパフォーマンスビデオ、そしてライブでのパフォーマンスにしたいと思っているので、期待していただけたら嬉しいです。

anri:もちろん、無邪気な笑顔でやる予定です!

──楽しみにしています。では、今のグループについても少し聞かせてください。デビュー以降、たくさんステージに立っていますが、チームとして変わったと思う部分はありますか?

mirano:それぞれの得意分野が尖ってきたという印象はあります。たとえば、1人が他の6人に自分の得意なダンスをレクチャーするということをやっていて。

koyuki:この間、私のレッスンで一通り終わりました!

mirano:好きな音楽ジャンルも違えば、培ってきたダンスのルーツも違っていて。私はヨーロッパ系の質感を見せるダンスが好きなのですが、koyukiはネオクラシックやジャズといった私が通ってこなかったジャンルを共有してくれました。メンバーをより知れるいい機会でしたね。それがクリエイティブにも活かされていて、一人ひとりのキャラや伝えたいことがより強まったな、と。私の好きなことももっと磨きたいですし、みんなの好きなものももっと知りたいという気持ちになりました。

koyuki:みんな好きなものがバラバラだもんね。

mirano:面白いのが、ダンスレッスンの時も服装やマインドから合わせるんですよ。「こういう服で来てね」、「こういう心構えで来てね」と事前に伝えてくれるので、すごく面白かったです。

▲shion

──これからの皆さんの活躍も楽しみです。では最後に、「トワイライト」にかけて1問。「トワイライト」は夕暮れという意味がありますが、夕暮れは1日の中で一番“エモい時間帯”だと思います。皆さんにとって、「人生のトワイライト」=エモい時を挙げるとしたら、いつですか?

yuzuki:パッと思い浮かんだのは、家族との時間ですね。私が中学生の頃、弟と妹がビデオカメラでYouTuberごっこをしていたのですが、その風景が今思い浮かびました。私は家族と話すことが多かったし、その時間が楽しかったので、実家に戻るとすごく懐かしい気持ちになるんです。嬉しくなるし、温かい気持ちになる。そう思うと、家族と過ごしてきた子ども時代がトワイライトだったのかなと思いますね。

chiharu:私はオーディション番組に出たことがあるのですが、その時の順位発表の光景が浮かびました。一番仲が良かった子が呼ばれて自分が残ってしまった時、悲しい気持ちもありましたがエモさが強くて。呼ばれた子がずっと私を見つめて頷いてくれたんですよね。今、「人生のトワイライト」という言葉を聞いた瞬間、その光景が思い浮かびましたね。

shion:同じオーディション番組に出ていましたが、たしかに思えばあの頃が「人生のトワイライト」だったかもしれません。オーディション中ってスマホが使えなかったんですよ。私は6人グループだったのですが、いつもその子たちと行動していました。そして、その子たちを信じて、これから待ち受けている未知数の世界に飛び込んでいかなきゃならない。しかも電子機器がないので、その頃の写真も持っていないんです。

koyuki:うわ、それはエモい!

shion:だから夢だったのかなとさえ思う時があって。あの頃が人生で一番のトワイライトだったかもしれないですね。

koyuki:私はずっとクラシックバレエを習っていて、毎日バレエのためだけに生きているような生活をしていたんですね。学校にいる時も、別のことをしている時も、バレエのことしか考えていなくて、家でも踊っていました。練習も夜遅くまでしていて、頑張っている自覚がないまま頑張り続けていたあの頃は「人生のトワイライト」でした。たくさんの人と出会ったし、バレエという基盤がなかったらダンスをやっていなかったと思います。全力を注いでいたあの瞬間を振り返ると、すごくエモい気持ちになります。

anri:同じくクラシックバレエをやっていて、私も生活がバレエ一色でした。ただ、その原動力が「先生によく見られたい」だったんです。その後韓国で練習生をしていて、すごく努力をしたのですが、その時も「あの子に勝たなきゃ」とか「月末評価でいい順位を取らなきゃ」と、半ば強制的に努力をする人生でした。でも、幸運なことに日本に帰ってきた後に、普通の公立高校に入学できたんですよ。そこでダンス部に入ったのですが、仲間たちの努力のアプローチが「楽しいから努力する」という、私の価値観と真逆だったんです。みんなで思い出を作りたい、みんなの笑顔がもっと見たい、だから努力する。ポジティブな原動力があるんだと知ってから、努力は楽しいことなんだと思えるようになりました。こんなにもキラキラしながら努力ができる仲間がいること自体衝撃的でしたし、その時教えてもらった努力の楽しさを忘れずに今も持っているので、あの時が間違いなく「人生のトワイライト」でしたね。

mirano:私はつい最近トワイライトを感じました。3月に誕生日を迎えた時に、しばらく会っていなかった友だちたちからたくさんお祝いメッセージをもらったんですね。その中には、私が夢を追うために半年で転校した高校の子もいたんです。他にも小学校の頃の友だちがメッセージをくれたり。みんな「3月9日になるとmiranoを思い出すよ」と言ってくれていて、すごく愛を感じました。その時に初めて忘れかけていた青春時代を思い出して。1通のLINEで思い出させてくれた友だちにも感謝ですし、学生時代のすべてがトワイライトだったなと思えました。来年成人式があるので、みんなに会えるのが楽しみです。

pia:私も似ているかも。16歳くらいでオーストラリアを飛び出して、韓国でオーディション番組に出たり、練習生をしていたりしたのですが、その頃は自分の気持ちを捨ててデビューを目指していました。今、その頃の友だちは大学生になっていて日本で会うことがあるのですが、思い出話をするとメンタルブロックしていたことを思い出すんです。もちろん楽しんでいた部分もありますが、「家に帰ったら練習しなきゃ」とか「オーディション動画を撮らなきゃ」ということで頭がいっぱい。でもEttoneになって、伸び伸び活動できている今、毎日がエモいなと思っています。

shion:そうだよね。お婆ちゃんになった時に振り返ったら、Ettoneでいることも絶対トワイライトになっていると思う。

一同:あー、間違いないね。そうなれるように、これからも頑張っていこう!

▲yuzuki

取材・文◎高橋 梓
写真◎尾藤能暢

3rd Digital Single「トワイライト」
2026年4月22日(水) 配信リリース
▼STREAMING & DOWNLOAD
https://o21.lnk.to/Ettone_Twilight