【マザリ・蛇喰ホムラ インタビュー/前編】マザリ×irocaコラボプロジェクト始動。母娘が繋いだ着物愛

呪イ系アイドル・マザリと異彩の現代着物ブランド・iroca(イロカ)によるコラボレーションプロジェクトがスタートする。発端は昨年2025年にマザリのマネジメントオフィスMAD’S iNKに所属する、那月邪夢がirocaとコラボ、オリジナルの振袖を製作したことに遡る。その最中にirocaスタッフの娘がアイドルデビューすることに。それがなんとMAD’S iNK所属グループ、マザリの紫の咆哮魔、蛇喰ホムラ(ジャバミホムラ)だったのである。
ビジュアルも世界観も楽曲も、和情緒をふんだんに取り入れたマザリと、新しい日本の美を追求するirocaのコラボは何を生み出すのか。ホムラのことをデビュー前から知る、irocaデザイナー・石川成俊氏を迎えての対談が実現。母のことや着物へのこだわり、そしてコラボのことなど、たっぷり2人に語ってもらった。
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◾︎ホムラさんに何着か着せて、「どう?」って聞いたら「ヤバッ……」って(石川)
──今回の撮り下ろし写真はホムラさん自身にすべて私物の着物一式を持ってきていただき、着てもらいました。この振袖はirocaではないですが、お母さんとの思い出の物だとか。
ホムラ:お母さんが私の成人式の練習のために買った着物なので、そこまで思い出というほどではないんですけど(笑)……専門学校の卒業のときにちょっと着たな。ただ絶対にこのirocaさんのバラの半幅帯を使いたくて。これは私がお母さんに「お願〜い」と、ねだって買ってもらったんです。すごいお気に入りで、これに合う着物を選びました。
──今回の着物選びで知りましたが、ホムラさんとお母さんとは好みが違うんですね。
ホムラ:そうなんです!(笑)
石川:お母さんの好きなテイストって、本当はirocaのテイストじゃないんだよね。そもそもふんわり系、やわらかい系なのよ。だからホムラさんの好きなテイストとは違うけど、その中からチョイスしたってことだよね。
ホムラ:お母さんはパキパキ系のやつは持ってないので(笑)。ふんわり系が多いですね。
──ホムラさんのお母さんがirocaのスタッフだった、という衝撃の仰天エピソードがあったわけですが、そもそも石川さんがホムラさんのお母さんと出会ったきっかけはなんだったんですか?
石川:お母さんと初めて会ったのは10年くらい前、 2015年なんです。大阪の梅田阪急の着物の大きなイベントで、お母さんはそのイベントの何人もいる販売スタッフの1人だったんです。僕はそこに出店しているブランドのひとつ。そこで初めて会いまして、素晴らしい人だったので話すようになりました。irocaは僕1人でやっているので、地方でイベントをやるときは毎回現地で販売スタッフを雇っているんですね。で、お母さんとは大阪で出会って、そのあと一家で名古屋に引っ越したんで、「名古屋でスタッフをお願いできますか?」と頼んだんです。そこから名古屋でイベントをやるときはずっと、今もやってもらっていますね。
──それもあって、石川さんはホムラさんと前に会っているんですよね。
石川:ええ。名古屋でイベントをやり始めて 2年目、3年目かな、娘が遊びに来るということで、どんな子が来るんだろうなと思っていたら、こんな子でした(笑)。
ホムラ:うふふふふ。
石川:そこで何着か着せたわけですよ。僕がすごく覚えてるのは、「どう?」って聞いたら「ヤバッ……」って言ったんですよ(笑)。
ホムラ:アハハハハハハハ!! よく覚えてますね(笑)。
石川:それが嬉しくて覚えていてね。その印象が強かったな。そのときはまだマザリじゃないんで。ただ音楽関係の学校に通っていて、アーティストやアイドル、そっちの道に進みたいという話はお母さんから聞いてたんで、心配していたんですよ。
ホムラ:嬉しい。
石川:厳しい世界じゃないですか。いい部分もあれば悪い部分もある。だから大丈夫なのかなって心配していました。その1年後、邪夢さんの話が来たわけですよ。それをやり始めたときにお母さんから連絡が来たんです。「娘のデビューが決まりました。マザリというアイドルグループです」「よかったね、実は今俺もアイドルの仕事をしていて。知ってるかどうかわかんないけど、MAD MEDiCiNEというグループの……」「え!? そこの事務所です!」「ええー!? マジで!」という話になってね。で、そのことを冬将軍さんに伝えたわけです。そうしたら、彼女がこの業界に入るきっかけとして、冬将軍さんや今日の着付けをやってくれたじゅんこさんがいい役割を担っていたという。人の繋がりですよね。偶然なのか必然なのか、そういう繋がりがあるときって、もう何かがあるじゃないですか。運命というかね、いろんなことが交わり合っていくときは絶対上手くいくんで。
──本当、めちゃめちゃびっくりしました。
ホムラ:素敵なご縁で。

──私が別のアイドルグループのオーディションに関わっていて。即戦力の子を探していたときに知り合ったのが、ホムラさんだった。しかもホムラさんを紹介してくれたのは、私の数十年来の音楽仲間である、そのじゅんこさんを通じてだったという。
ホムラ:すごい縁ですよね、びっくりしました。
──じゅんこさんもお母さんのことはirocaのいちスタッフとして以前から知っていて……そこが全部、一気に繋がったという。そんなことあるんだって。
ホムラ:うふふふ。
──そのオーディションは残念な結果になりましたけど、ホムラさんは別の形でアイドル活動を始めた。そこから紆余曲折あって、私がホムラさんを堤さん(マザリプロデューサー)に紹介して……。
ホムラ:本当にすごいです。
──そもそも私がirocaを知ったのもじゅんこさんからなんですけど、この奇抜なデザインを地雷系アイドルの子が着たら似合うだろうなって、前々からずっと思っていたんです。そしたらたまたま邪夢さんが「既製品じゃないグロいデザインの振袖を着たい」と言っていて。そのときに「irocaだ!」と思って、じゅんこさんに「irocaにフルオーダーを頼めないかな」と訊いたら、「irocaはそういうの絶対やらないよ」って。
石川:わははは!
──「いや、ダメ元で聞いてみよう」と石川さんに相談したところ、「この人になら着て欲しい」と言ってくれて始まったプロジェクトだったんです。ホムラさんは、あのコラボをどう見てました?
ホムラ:もうずっと、いいなぁ……と思ってましたね、心底。
──ホムラさんは、石川さんと最初にお会いしたときのこと覚えてます? irocaの着物を試着した感想とか。
ホムラ:初めて石川さんと出会ったときもツートンヘアだったんですよ。そのときはめっちゃ色落ちしてたんですけど(笑)。ピンクと紫。石川さんの作るデザインも赤やピンク、紫のコンビネーションが多いんですね。だからもうめっちゃ嬉しい混み色具合だと思って。もうそこからぞっこんでしたね! 色の使い方が本当に素敵で、すごく好きでした。
──ホムラさんは、私と初めて会った最初のオーディションのときからツートンヘアだったじゃないですか。そうした色に対するこだわりは強かったんですか
ホムラ:サーティワンにコットンキャンディというアイスがあって。
石川:ん〜、大好き!
ホムラ:わぁ〜、嬉しい! その色にしたいと思って、初めはピンクと紫の髪だったんですよ。でも自分の系統的にもっとパキパキしたいなと思って。それで赤と紫にしてみたらしっくりきたんですよね。でも前のアイドル活動をしていたときはちょっとカツカツだったんで、黒髪に戻しちゃったりもしたんですけど、やっぱりツートンから離れられなくて、また戻ってきました。これからも変わらないと思います。これ以外のカラーの自分は考えられないです。
──最初のオーディションのとき、プロデューサーに「髪色変えられる?」と言われましたね。
ホムラ:そうそう、ふふふ。
──アイドルではよくあるじゃないですか、プロデューサーが髪色の指定をすることが。MAD’S iNKでもそれはありますが、その中でホムラさんは自分を押し通してそのままいけたのもすごいですよね。
ホムラ:すごいですよね、びっくりしました。
石川:じゃあ、堤さんが見て、そのままいこうという話になったんだ。
ホムラ:ええ。初めて堤さんと会ったときは、黒と赤のツートンだったんですけど、メンバーカラーが紫に決まったから、「紫と黒のツートンどう?」と言われて、「じゃあ、紫と赤でどうですか?」「いいよ」ということで、このカラーにさせてもらいました。
──すっかりイメージカラー、トレードマークになりましたね。
ホムラ:はい、嬉しいです!






