【連載】いま、聴きたい演歌・歌謡曲 vol.27(本人歌唱指導付き)鳥羽一郎、中西りえ、モナキ、島あきの

2026.04.10 15:00

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世代を超えて愛される「うた」がある。歌唱したい「うた」がある──。

◆本人による歌唱アドバイス 動画

演歌・歌謡曲シーンから注目の作品を毎月紹介する連載企画「いま、聴きたい演歌・歌謡曲(本人歌唱指導付き)」の第27回目。

今回は鳥羽一郎「長谷寺の雨~晩秋の大和路~」、中西りえ「桜木橋にて」、モナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」、島あきの「古平情炎~天狗の火渡り~」を紹介する。


(協力:日本クラウン)


■鳥羽一郎「長谷寺の雨~晩秋の大和路~」

今年の1月に鳥羽一郎・山川豊・木村徹二の木村ファミリーで共演した「あぁひとり旅」が出たばかり。ソロとしては昨年10月の「昭和のおとこ」以来半年ぶりの新曲。来年でデビュー45周年という大ベテランながら、これまで年に2~3曲のペースで新曲を出し続けているのは、さすがの人気だ。

「長谷寺の雨~晩秋の大和路~」は、元々は昨年2月に出た「朋輩よ」のカップリング曲としてリリースされていたもので、今回改めてリード曲として再発売となる。タイトル通り、奈良の長谷寺を舞台に愛に葛藤する男の姿を歌うが、鳥羽の歌が実に深い哀愁を感じさせる。法螺貝の音と共にトレンチコートを着て佇む鳥羽の姿が目に浮かぶようだ。この表現力はさすがで、じっと耳を傾けてしまう。いま何かと話題の奈良県が舞台ということもあって、ヒットを狙いたいところ。

カップリングの「諸行無常」は、息子の木村竜蔵が作曲し高畠じゅん子が詞をつけた書き下ろしの新曲。言葉は極めてシンプルだが、1つ1つが実に深い。混迷の時代の中で生きていることの意味を改めて問いかけるような力作だ。「思い通りに いかないさ」という言葉に真理がある。これを鳥羽が歌ったときの説得力よ。これもまたA面にしてもいいのではないかと思わせる出来だ。

「長谷寺の雨~晩秋の大和路~」
2026年4月8日リリース
CRCN-8831 定価:¥1,550(税抜価格 ¥1,409)

1.長谷寺の雨 ~晩秋の大和路~
作詩:髙畠じゅん子 / 作曲:斉藤功 / 編曲:蔦将包
2.諸行無常
作詩:髙畠じゅん子 / 作曲:木村竜蔵 / 編曲:蔦将包
3.長谷寺の雨 ~晩秋の大和路~ [オリジナル・カラオケ]
4.諸行無常 [オリジナル・カラオケ]


■中西りえ「桜木橋にて」

近年はさまざまなタイプの楽曲に挑戦してきた中西りえ。ド演歌だけでなく、様々な曲調に対応できる声を持った人だけに、可能性を模索する意味でも興味深い作品が多かった。近作の2曲は名匠、浜圭介の作曲によるもので、ドメスティックな雰囲気を纏いながらもポップス的な展開をしていく浜の楽曲とは相性の良さが感じられた。

それもあってか、今回の「桜木橋にて」もまた浜圭介が作曲を担当。繊細さの中に情感が宿る和の情緒たっぷりのメロディを、声の艶を活かしながら絶妙なトーンで中西は歌い切ってみせた。この抑制された情感の表現はすごく難しかったはずだ。水木れいじが書いた歌詞は、中西の出身地でもある伊勢が舞台となっている。

カップリング曲の「お木曳(きひき)恋唄」は中西自身が作詞を担当。こちらも伊勢を舞台に、お祭りを通しての出会いを歌った歌。鼓の音が風流だ。実は今年令和8年は、20年に1度の伊勢神宮「式年遷宮」の「お木曳」行事が行われる年。伊勢が注目されるタイミングで、この2曲も一緒に盛り上げに貢献できたらいいだろうなと思う。

「桜木橋にて」
2026年4月8日リリース
CRCN-8832 定価:¥1,550(税抜価格 ¥1,409)

1.桜木橋にて
作詩:水木 れいじ / 作曲:浜 圭介 / 編曲:佐藤和豊
2.お木曳(きひき)恋唄
作詩:中西 りえ / 作曲:くにひろし / 編曲:水谷高志
3.桜木橋にて [オリジナル・カラオケ]
4.お木曳(きひき)恋唄 [オリジナル・カラオケ]


■モナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」

ついに出た、モナキのデビュー曲。28歳から39歳までの男性4人組グループで、純烈の弟分として、純烈のリーダーの酒井一圭がプロデュースを担当。2023年にオーディション開始から、半年をかけて審査、1年をかけてのレッスンを経て、2025年11月の純烈のツアーファイナルで初お披露目となった。そして、2026年4月に満を持してのデビューとなる。のだが。

デビュー曲となる「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」は、酒井と共に『ドラゴンボール超』の主題歌「限界突破×サバイバー」(氷川きよし)などを作曲した岩崎貴文が作・編曲を担当したポップなダンスチューン。実はこれがデビュー前にも関わらずSNSの“踊ってみた”動画のネタとしてすでにバズっており、それを受けて、TikTokでサビのみが先行配信されるという異例の事態となっている。実は僕がこの曲を知ったのも、20代前半のダンス系インフルエンサーがこの曲で踊っている動画だった。このサビの歌詞とメロディは実に中毒性がある。今年を代表するヒット曲になるのではないだろうか。

カップリング曲の「こんなもんじゃねぇ」は90年代のJ-POPのようなポップ・フォークのような曲。「ねがい」はダンサブルなムード歌謡。モナキは2026年のシーンを席巻するか!?注目の存在だ。

「大介のソーラン恋歌」
2026年4月8日(水)発売

○Aタイプ:CRCN-8829 定価:¥1,550(税込)
1.ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど
作詩:酒井一圭、岩崎貴文 / 作曲・編曲:岩崎貴文
2.こんなもんじゃねぇ
作詩:酒井一圭、岩崎貴文 / 作曲・編曲:岩崎貴文
3.ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど [オリジナル・カラオケ]
4.こんなもんじゃねぇ [オリジナル・カラオケ]

○Bタイプ:CRCN-8830 定価:¥1,550(税込)
1.ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど
作詩:酒井一圭、岩崎貴文 / 作曲・編曲:岩崎貴文
2.ねがい
作詩:酒井一圭 / 作曲:向井浩二 / 編曲:猪股義周
3.ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど [オリジナル・カラオケ]
4.ねがい [オリジナル・カラオケ]


■島あきの「古平情炎~天狗の火渡り~」

2018年デビューの8年目。4年半ぶり5枚目となるシングルだ。島あきのは北海道の函館に近い七飯町の出身ということもあって、海峡をテーマにした歌が多かったが、今回は北海道でもまた別の地域、小樽に近い人口2500人の小さな町、古平町(ふるびらちょう)が舞台だ。新曲はこの地に伝わる“天狗の火渡り”と呼ばれる儀式をテーマにしたものだ。

“天狗の火渡り”は天狗のお面を被った猿田彦が炎の中を3度くぐり、続いて神輿が炎の中を3度くぐるというもので、その模様はYouTubeに動画が上がっているが、マジでここに突入するの?と思ってしまうほど、まさに“火渡り”と呼べるなかなかの迫力ある儀式。それを見て覚悟を決めた女の歌だ。衣装もテーマに合わせたのだろう、真紅の炎を思わせる情熱的なもの。楽曲もドラマティックに燃え上がる迫力のある好曲だ。

カップリングはうって変わって、明るいご当地音頭。もともとは2年前に「あきのの北海自慢」というタイトルで作られて北海道各地で歌ってきたというもので、今回はそのオリジナル版と「古平編」と題して歌詞を変えたものの2バージョンを収録。行く場所によって歌詞を変えて歌えるようになっているので、これからもいろんなバージョンが登場するかもしれない。〝天狗の火渡り〟も昨年は資金不足でクラウドファンディングに頼らざるをえなかったということなので、この2曲が町おこしにつながってくれることを願いたい。

「古平情炎~天狗の火渡り~」
2026年3月4日リリース
CRCN-8828 定価:¥1,500(税抜価格 ¥1,364)

1.古平情炎~天狗の火渡り~
作詩:円香乃 / 作曲:伊戸のりお / 編曲:伊戸のりお
2.あきのの北海自慢~古平編~
作詩:円香乃 / 作曲:伊戸のりお / 編曲:伊戸のりお
3.あきのの北海自慢
作詩:円香乃 / 作曲:伊戸のりお / 編曲:伊戸のりお
4.古平情炎~天狗の火渡り~ [オリジナル・カラオケ]
5.あきのの北海自慢~古平編~/あきのの北海自慢 [オリジナル・カラオケ]
6.古平情炎~天狗の火渡り~ [一般用カラオケ]
7.あきのの北海自慢~古平編~/あきのの北海自慢 [一般用カラオケ]


文◎池上尚志

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