【インタビュー】wyse、過去を洗練する2026年ツアー<Calm+>の意図を語る「もっと火を強くしていく」

■メンバー間は過去一番良い状態
■期待しかないですね、絆も最強
──TAKUMAさんが<1999–2001>のステージ上で感じたことは現在に活かされそうですか?
TAKUMA:wyseの音楽を愛してくれた人がいるから、時間が繋がって今に至っていると思うんですね。2025年はインディーズ時代をテーマに生きることで、“この曲は誰の中でどんなふうに生きてきたんだろう” “今、どんなふうに息づいているんだろう”っていう部分に、より触れることができた気がしましたね。当時の音や演奏に今の自分たちが内面も含めてどこまで融合できるのか、という挑戦でもあったけれど、あの頃の自分と今の自分が一緒にライブをやっている感覚になれたのは面白かったです。
──それは不思議な体験ですね。
TAKUMA:今の自分ではない自分もステージにいる気がしたんですよ。すなわち、wyseとしてそういう空気になってたんだろうなって。得るものも感じるものも大きかったですよ。“バンドってこうだよね”とか最初の頃の気持ちに触れられたのも収穫だったし、喜びでもありました。
月森:結果、“ライブはこうあるべき”っていうところに向き合えたと思います。wyseの曲はバリエーションが多岐にわたっていて、僕自身、激しい曲から綺麗なメロディの曲まで、歌う幅の広さを持つボーカリストだと思っているんですが、それだけに勢いのあるロックなライブだけじゃなくて、いわゆる歌手としての面ももっと見せたい、と葛藤した時期もあったんです。でも、去年のツアーが終わって“やっぱり、ライブってこうあるべきだな”ってところに戻った気がしますね。

──12月のファイナル公演のMCでTAKUMAさんは、「ライブバンドでありたい。生きてる実感を感じるから」と言っていました。そのことが2026年の活動に繋がっていくと考えていいんでしょうか?
TAKUMA:2025年は自分たちの中に存在していたものに新たに火が灯った年だと思っているので、もっとその火を強くしていくというか、もっと気づけることがあるっていうのが現時点でのテーマですね。
──この記事がアップされるのは、2月14日の東京・新宿ReNY公演<結成記念日公演「27の奇跡」>終了後ですが、会場でライブ音源『Live Tour 2025『1999-2001』Live CD』を発売します。それだけ残しておきたかったライブだった、ということですよね。
TAKUMA:もう、あのライブはやれないと思うので。完結して思い出の箱をひとつ閉じたと思うんですよね。あのライブ、ほんと録っておいてよかったね。wyseを望んで愛してくれる人たちのもとに残しておけたら、と思ったのが形にした理由のひとつです。
──ライブを目撃した人はもちろん行きたくても行けなかった人たちにとっても嬉しいですよね。
月森:僕らだけじゃなく、ファンの人たちも含め、みんなでインディーズ時代の曲だけに向き合うことはもうないと思います。そう思うと観てほしかったなという気持ちもあるんですが、録っておいて幸い、残すことができて幸せだったと思っています。なので、来られなかった方々にも“こんなことやったんだよ”って伝えたい。聴いてほしいですね。
──次への発火点となるライブだったわけですし。
月森:今後、こんな激しいライブはやらないという意味ではないですが、wyseの勢いが凝縮されている曲、テイクたちなので、ぜひ手にとっていただきたいし、ライブが好きな人なら間違いなく心躍ると思います。

──そして、先ほどのTAKUMAさんの「もっとその火を強くしていく」という言葉が具現化されるのが、5月から始まる<wyse Live Tour 2026『Calm+』>ですね。
TAKUMA:これまでの自分たちはどんどん新しい道を探してきたけど、“過去に立ち返ることで気づくことがこんなにあるんだ”って思ったし、“誰のためにライブをやるのか”をずっと考えてきたつもりでいたけど、まさか今のような気持ちになるとは思っていなかったんです。そんな中、全員で「2026年はどんなシーズンにしようか」って話して、新曲を作ろうという気持ちもあるんですが、今まで作った作品にもう一度向き合うことで、さらに感じられることがあるんじゃないかと。新しい発見がある中で新曲が生まれたり、新しい道がまた開けるかもしれないねって。4人で意見を出し合う中、2ndアルバム『Calm』(2002年発表)にフォーカスしたツアーをやろうということになりました。
──過去の作品に再び向き合ってみようと?
TAKUMA:ただ前回とは違うんです。冒頭で話したように、25周年を終えて一度空っぽになった時は“次、どうする?”って感じだったんです。ところが、2025年はやりたいことがどんどん生まれた年だったので、どんな道を選択しても間違いではないんですよ。メンバーと意見を持ち寄った結果、「いい未来になりそうだね」って一致したのが、『Calm』に向き合うということだったんです。
──今のwyseは本当に一致団結してますね。
TAKUMA:凄まじいです(笑)。メンバー間は過去一番良い状態だと思いますよ。そんなwyseが廻るツアーなので、自分たち自身、期待しかないですね。絆も最強です。

──未来に向かって突っ走っていた初期の頃とは違う、大人になったからこその強い絆だと思います。『Calm』をセレクトした理由は?
TAKUMA:『Calm』にはデビューシングル(「Perfume」)も収録されているので、wyseにとって転機となったアルバムでもあるんです。このアルバムに向き合うことで、インディーズ時代の曲とは違う角度で、wyseというバンドが見えてきたらいいなと思っています。
──『Calm』は多彩な曲が入っているアルバムという印象です。
TAKUMA:まさにそうですね。
MORI:ファンの方にとっても“あの曲もこの曲も聴ける!”って的が絞れるでしょうし、期待に繋がればなと思っています。ツアータイトルが<Calm+>なのは、2002年以前の曲も、それ以降の曲も織り混ぜることで、ワンマンとしてさらに重厚なものにしたいという思いからです。当時の自分たちへのリスペクトがあった上で、違う色やアプローチで肉づけしていこうと思っています。たとえば、“今日はこの曲やりたいね”って純粋に思える楽曲だったり、ツアーで各地を廻る中で“あの曲はまたどこか別の場所でもやろうか”だったり、発見があったらどんどん形にしていきたい。そういう意味でタイトルに“プラス”が付いていると捉えていただけたら。
──アプローチも前回ツアーとは違うということですか?
MORI:もちろん、前回ツアーのDNAは濃厚な形で引き継いでいくと思います。当時、「bring you my heart」だったり、「Twinkle Stars」だったり、タイアップ付きのシングルを立て続けに出させていただいて、スタッフのバックアップもあり、wyseの名前や曲が広まるのを肌で感じた時期でもあったんですよね。ワクワクしながら新鮮な気持ちで作った曲をたくさんパッケージできたのが『Calm』で、自分たちにとって忘れられない大きな思い出があるんです。なので、今年のツアーでまたドキドキできるんじゃないかって思っています。
TAKUMA:今回のツアーも『Calm』がリリースされた当時のバージョンで演奏します。インディーズ時代に絞った前回ツアーで感じたファンの方の想いや、そこに宿っていたものを大事に、新たなチャレンジをするつもりです。『Calm』に違う時代の曲が混ざることによって、観に来てくれた方々も新鮮な感覚になってくれるだろうから、それも楽しみですね。“wyseはいろんなサウンドアプローチをしてきたバンドだけど、あの頃からこんなことをしてたんだ!?”だったり、“いろいろ変化したと思っていたけれど、ずっと芯は変わってないね”とか。
HIRO:あの当時は、いろいろな意味で世界観が広がった時期だったと思います。全国ツアーの本数も増えたし、会場も大きくなった。その時期を振り返ることで新たに生まれるものがあると思うし、今の自分たちに必要なものを見つけられたら、また力が得られるんじゃないかと思っています。







