【ライブレポート】倉木麻衣、<リラック素~What a wonderful world~>完遂「リラック素の“素”は、みんなの中にある真実の愛」

元気と癒しの素になる“リラック素”を全国各地に届けてきた<Mai Kuraki Live Project 2025 リラック素~What a wonderful world~>が、12月13日の東京国際フォーラム ホールAでファイナルを迎えた。タイトルに掲げた“リラック素”を軸に、最新アルバム『Mai Kuraki B-Side BEST~This is Our life~』収録楽曲と新旧ヒット曲を織り交ぜて届けるツアー。それはこれまで以上に、コンセプチュアルでテーマ性の強いものだ。
冷たい雨に打たれて苦悩するシーンから、穏やかな水と緑の森へ、倉木麻衣自身が演じるオープニング映像から一気に引き込まれる。ステージ中央の階段上でスポットを浴び、安座してアカペラで歌い上げる1曲目「Voice of Safest Place」から「Love one another」へ、オフホワイトの衣装の彼女の周りを、森の精のようなスタイルで登場したダンサーたちが華麗に舞い踊る。さらに、自らハンドパンと呼ばれる打楽器を操って異国情緒溢れるサウンドを聴かせると、「きみへのうた」では客席いっぱいに緑に広がるペンライトの光に手を振って応え、「Forever for you」ではハンモックに腰かけて伸びやかな歌声を響かせる。「風のららら」はボサノバにリアレンジされたサウンドがとても心地よく、「Sea wind」は青い海と白いビーチの映像をバックにパラソルを持ってゆったりと歌唱。1曲ごとにミュージックビデオを見ているようで、ドラマチックな展開に序盤から目が離せない。


柔らかな雰囲気のブルー系のロングワンピースに着替えると、場面が変わってロマンチックな夜の時間へ。スクリーンの中の星の輝きと共に「Like a star in the night」をしっとり聴かせると、アコースティックなスローナンバー「Moon serenade,Moonlight」から「tell me your way」へ、『B-Side BEST』からの楽曲は普段ライブではあまり聴けないのでとてもフレッシュで耳に新しい。
サックスやパーカッション、コーラスをフィーチャーした豪華な編成のバンドも、素晴らしい演奏で心地よい空気感を演出する。まるでアルファ波とマイナスイオンのように、確かに会場内には“リラック素”が溢れている。マイケル・ジャクソンのカバー「Rock With You」では黒いハットを小粋にかぶってポーズを決め、デビュー前から敬愛するアーティストへのリスペクトを感じさせた。


メンバー紹介を兼ねて、バンドがインストで「unconditional L♡VE」を演奏、次の衣装は落ち着いたピンクのパンツルック。
壮麗な遺跡をイメージさせる映像をバックに「Secret of my heart」を、赤い布を華麗に操るダンサーたちと共に「恋に恋して」を、そして大きな満月を背景に「きみと恋のままで終われない いつも夢のままじゃいられない」を歌い、和風情緒たっぷりの「渡月橋 ~君 想ふ~」へと繋ぐ、ここはアジアンテイストたっぷりの幽玄なセクション。白いスモークに包まれて、月と花に彩られたスクリーンとステージが幻想的に美しい。



そしてライブは終盤へ。スクリーンではバンドマンに扮した倉木麻衣がドラム、ギター、サックスなど全楽器を一人で演奏する映像が映し出される。楽しいインターバルのあと、バンドが「薔薇色の人生」をノリノリで演奏し、鮮やかなオレンジ色のセットアップで再登場、スペシャルゲストのベーシスト・徳永暁人を呼び込むと、ノンストップで「薔薇色の人生」をダンサーと共に歌い踊る。ボーカルとベースのコール&レスポンスなど、ぐいぐい盛り上げて「Kiss」へ繋げると、マイケル・ジャクソンばりの群舞パフォーマンスで観客を沸かせ、そのまま「Love, Day After Tomorrow」へ突入する繋ぎ方が絶妙で、興奮とグルーヴがまったく途切れない。たぶんこれまで見た中で、最もパワフルでグルーヴィーな「Love, Day After Tomorrow」だ。
さらにサックスとパーカッションもダンスの輪に加わって、観客の大合唱とクラップも味方につけて「Everything’s All Right」からゆったりミドルテンポの「You & I」へ。倉木麻衣の最大の魅力、クリスタルボイスとR&Bのグルーヴは本当によく似合ってる。両手でハートマークを作って観客へプレゼントすると、本編ラストチューンはこのツアーのために制作された新曲「リラック素~What a wonderful world~」だ。熱くなりすぎたステージをクールダウンするように、心地よく流れるリズムと歌声に“リラック素”の要素がたっぷりと含まれている。そして最後にスクリーンに浮かび上がる“STARRING MAI KURAKI / WHAT A WONDERFUL WORLD”の文字。まさに倉木麻衣を主役に据えた一篇の映画のように、緻密に練り上げられたおよそ2時間のライブパフォーマンスに、驚きと感激が止まらない。まさにワンダフルなショータイム。


鳴りやまない手拍子に呼び戻されて、アンコールは2曲。緑の森を背景に、カラフルなデニムにラフなTシャツ姿でハンドパンを器用に叩きながら「リラック素~What a wonderful world~ (432Hz chill mix)」を歌う、それはまるで音によるリフレクソロジー。ちなみに“432Hz”とは、リラックス効果をうながす宇宙の周波数とも言われる特別な数字。歌いながらステージに寝転がってみせたり、おちゃめなパフォーマンスも可愛くて楽しい。
「リラック素の“素”は、みんなの中にある真実の愛のこと。雨が降ったり嵐が来て、それを見失いそうになった時も、自分の中に戻って世界を見直せば、素晴らしい世界を見つけることができるんじゃないかな?というメッセージを込めています」──倉木麻衣
この日初めてのMCで“リラック素”の意味を伝えたあと、最後は「always」でステージも客席も一体になったグランドフィナーレへ。キャノン砲が緑色のテープを高々と発射した瞬間、会場全体が緑の森になったように見えた。2時間を優に超える濃密なパフォーマンスのあとも倉木麻衣は元気いっぱい、メンバーと共に手を繋いで“元気玉”を観客に届け、ステージ左右の花道の先、客席のすぐそばまで行って笑顔を見せ、最後は大きなハートを2階席のてっぺんまで届く勢いで投げ上げる。毎年ライブを見るたびに、倉木麻衣は今が一番パワフルだと感じるが、今年もその最高値を更新してくれた。


元気と癒しの素になる“リラック素”という新元素(?)を発見して、さらに力強く前進する倉木麻衣。2026年4月には、およそ3年ぶりの<Premium Symphonic Concert 2026>の開催も発表された。来年もまたこの歌声が聴ける喜びを噛み締めながら、新たな年の訪れを楽しみに待とう。
取材・文◎宮本英夫
■<Mai Kuraki Live Project 2025 リラック素~What a wonderful world~>12月13日(土)@東京国際フォーラム ホールA SETLIST
01 Voice of Safest Place
02 Love one another
03 きみへのうた
04 Forever for you
05 風のららら
06 Sea wind
07 Like a star in the night
08 Moon serenade,Moonlight
09 tell me your way
10 Rock With You / Michael Jackson
11 Secret of my heart
12 恋に恋して
13 きみと恋のままで終われない いつも夢のままじゃいられない
14 渡月橋 ~君 想ふ~
15 薔薇色の人生
16 Kiss
17 Love, Day After Tomorrow
18 Everything’s All Right
19 You & l
20 リラック素~What a wonderful world~
encore
en1 リラック素~What a wonderful world~ (432Hz chill mix)
en2 always

■<billboard classics Mai Kuraki Premium Symphonic Concert 2026>
【東京公演】
4月19日(日) NHKホール
open16:00 / start17:00
(問)H.I.P. 03-3475-9999
【兵庫公演】
4月24日(金) 神戸国際会館 こくさいホール
open17:00 / start18:00
(問)サウンドクリエーター 06-6357-4400
▼出演
倉木麻衣
指揮・編曲・音楽監督:藤原いくろう
ピアノ:榊原 大
管弦楽:
・東京公演:東京フィルハーモニー交響楽団
・兵庫公演:関西フィルハーモニー管弦楽団
▼チケット
全席指定12,000円(税込)
※特製プログラム付き
一般発売(先着):2026年3月7日(土)10:00~
【倉木麻衣オフィシャルFC「Mai-K.net」会員先行(抽選)】
受付期間:12月13日(土)21:00~2026年1月7日(水)23:59
【ビルボードライブ「Club BBL」会員先行(抽選)】
受付期間:2026年1月8日(木)15:00~1月12日(月)23:59
【オフィシャルサイト先行(抽選)】
受付期間:2026年1月9日(金)15:00~1月12日(月)23:59
【ローソンチケット独占先行(抽選)】
受付期間:2026年1月17日(土)15:00~1月25日(日)23:59
【プレイガイド先行(抽選)】
受付期間:2026年1月31日(土)10:00~2月27日(金)23:59
主催・企画制作:ビルボードジャパン(阪神コンテンツリンク)
後援:米国ビルボード
※未就学児入場不可
※枚数制限:おひとり様各公演1申し込み最大4枚まで
※車椅子をご利用のお客様は、お問合せ先までご連絡ください。
※チケットはおひとり様1枚必要となります。チケットを紛失された方、または当日お忘れになった方はご入場できません
詳細:https://billboard-cc.com/maikuraki2026
関連サイト
◆倉木麻衣 オフィシャルサイト
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◆倉木麻衣 オフィシャルブログ







