【ライヴレポート】LM.C、Aiji誕生日公演にしてツアー<Gothic Mode>ファイナルがド派手に大盛況「来年は20周年。悔い無きように」

めでたきことの三つ重ね。去る11月17日にSHIBUYA duo MUSIC EXCHANGEにて開催されたのは<LM.C Club Circuit ’25 -Gothic Mode->のツアーファイナル公演であると同時に、ギタリストAijiの誕生日記念ライヴでもあった。さらに、この前日には各メディアでもなにかと話題となっていた<CROSS ROAD Fest>DAY2が行われ、そこにLM.Cも出演していたことをかんがみると、若干それの後夜祭としての意味合いも持っていたのが今宵のライヴだったことになりはしまいか。
「お待たせしました、LM.Cです。ツアーファイナルでございます。そして今日は何の日かわかってますか? そう、Aijiさんの誕生日です。ブチ上げていこうぜ!!」──maya

ド平日にも関わらず多くの人々が会場に押しかけていた中、この特別な夜を始めるための1曲としてヴォーカリストmayaが歌い出したのは、歌詞中の地名を「渋谷の夜をド派手に盛り上げろ」と歌い替えていた「JOKER」。そして、Aijiによるヘヴィな音を用いたギターワークが楽曲を牽引していった次曲「Virtual Quest」を演奏し終えたタイミングで、挨拶がわりにオーディエンスへと投げかけられたのがこの言葉となる。
当夜はAijiの誕生日ということで、イントロでのアーミングプレイが活かされていた「レインメーカー」や、Aijiがエモいソロを決めた「TABOO」など、ギターの存在感を強く感じる楽曲がやや多めにエントリーされたセトリとなっていた印象が強い。基本的にAijiは冗長なギターソロは好まないタイプの奏者で、いわゆるギタリストエゴのようなものを曲中に織り込むこともよしとしないところがあるものの、プロデューサー的な観点から曲ごとに必要だと判断した際には、的確な仕事ぶりを発揮してくれるギタリストであるのはもちろん言わずもがな。よって、今回のライヴではAijiのそうしたシゴデキ具合をさまざまな曲においてあらためて堪能することが出来た次第だ。

なお、<LM.C Club Circuit ’25 -Gothic Mode->と冠されていたツアーのファイナルだけあって、この日のセットリストにも「Hollow Hotel」や「Knight Bus」といったハロウィンみの濃い楽曲たちが組み込まれていたところは“ゴシック感”ともつながる部分で、mayaとAijiの衣装がそれぞれにくすみテイストのギンガムチェックを取り入れたデザインとなっていたところからも、そこはかとない秋の雰囲気を感じとることが出来たような気がする。
今思えば、19年前に始動した当初のLM.Cはカジュアルさやスポーティーさを前面に打ち出した装いが多かったわけで、ここに来て彼らが敢えてゴシックという言葉を持ち出したという事実はなんとも感慨深く思えてならない。

「そうだ、これ言っとかないと。今年は誕生日ケーキとか用意してないです。フードロス削減の観点から事務所NGになりました。いやマジで(笑)」──maya
mayaの話によると、LM.Cは自主レーベルということもあり、“結局ホールケーキは食べきれないからモッタイナイ”とのことでそのような判断をしたらしい。ただし、そのかわりにmayaからはお高そうな紙袋に入ったメロンパンがAijiに贈呈され、この場面では場内からバースデーソングの合唱も湧きあがることになったのだった。
「ありがとうございます。でもなんか、数字だけみると“51”って凄いパンチあるんだよね。なんでだろ? 去年、50歳になったときは“まぁ、こんなもんでしょ”くらいの気分だったんたけどなぁ。どういうわけか、51は数字の圧がヤバい(苦笑)。でも、こうしてライヴでみんなに祝ってもらってね。幸せです。」──Aiji
「そんな、とってつたけように(笑)。よし、じゃあうちらでAijiさんのこともっと幸せにしてあげちゃお!」──maya
「っていうか、今いくつだっけ? とりあえず、51になったらそん時は教えて。どういう心境になったかを」──Aiji
「あーなるほど。5年後も一緒にいようっていうことですね♪」──maya
「ちょ、変換の仕方(笑)」──Aiji
出たー!mayaの超ポジティヴシンキングスタイルが、いきなりここで大炸裂することになろうとは!!
「ってことで、Aijiさんおめでとうございます! 今日はここからもっとみんなで駆け抜けていっちゃいましょう!!」──maya

ザクザクとしたAijiのギターフレーズが映えた「Z-MAN」では、会場中の全員がこぞって激しくヘッドバンギングする事態が勃発。ここぞという狭間でのピッキングハーモニクスや、往年のハードロックを彷彿とさせるダイナミックなギターフレーズでAijiが魅了した「Nothing」でも、観衆のテンションが爆上がりしていったことは言うにあらず。
そのうえ、EDM色の強い「Montage」では曲中に「誕生日!オメデトウ!!」というmayaによる合いの手が入れられ、ファンもそれにならって盛大なコールをAijiに投げ掛けるという極めてハッピーな光景が繰り広げられたのだ。

「いやー、楽しいね! 昨日は昨日でいろいろ盛り上がって凄かったけど(笑)、イベントにLM.Cとして出る大義っていう意味では“今日につなげる”っていう目的がわたしとしては大きかったです。だって、Aijiさんの誕生日の前日なんだもん。そんなの盛り上げるしかないじゃん!!」──maya
mayaのこの言葉から始まった「Elephant in the Room」では随所でシンガロングが発生したほか、途中では以下のようにmayaが大きく叫ぶくだりがあったことをここに付記しておきたい。
「LM.Cはずっと凄かったんだよ!そうだよな、LM.C!!」──maya
それこそ、前日開催の<CROSS ROAD Fest>DAY2では「LM.Cを久しぶりに観た」「LM.Cを初めて観た」という方々も相当数いたらしく、SNSなどには「また観たい」「もっと早く観ておけば良かった」といった声が多々あがっていたようで、実際に幕張で観たことを切っ掛けにして急遽このツアーファイナルに駆けつけた、という人も少なからずいたそう。いよいよ来年には20周年の節目が控えているLM.Cにとって、この機における再会や出会いの切っ掛けを作れたことの意義ははかりしれない。

かくして、このあとにはmayaの独断によるブッコミ追加曲「OH MY JULIET.」と、LM.Cきってのパーリーチューン「Chameleon Dance」で幕張の夜を再現…というよりもアレを凌駕するような一幕を生みだしながら、「Happy Zombies」でめでたき夜のフィナーレを飾ってくれたのだが…mayaはここでも歌詞を替えて“僕らだけの居場所を探そう”→“僕らだけの歌を奏で続けよう”と歌っており、それが来年の20周年やmayaが51歳になる5年後に向けての宣誓として聴こえたような気がしたのは、何も筆者だけではなかったはず。
「じゃあ、最後はAiji先輩のありがたい言葉を聞いてシメましょうか!」──maya
「去年に引き続き、今年もみなさんと誕生日を過ごすことが出来て最高のツアーファイナルでした。ありがとうございます。多少“51”っていうパワーワード感に引っ張られるところもありますが(笑)、ずっと一緒にやってくれてるサポートメンバーたちも含めて、みんなに支えられてるなと。感謝しかないです。とにかく一度きりの人生ですしね。来年は20周年ということでもあるので、これからも悔い無きように良い曲をmayaと共にたくさん作って、頑張っていこうと思います!」──Aiji

つまり、めでたきことの数はこれからも増え続けていくということだろう。年内のライヴ活動についてはFCであるTeam⭐︎LM.Cの主催公演がYOKOHAMA ReNY betaにて12月18日に行われるのが最後となるが、来春には<LM.C TOUR 2026>が既に決定しているとのこと。LM.Cの生みだす限りなき至福感をもっともっと浴びたい。
取材・文◎Yuki Sugie
撮影◎Mirai Yamashita (PROGRESS-M)
■<LM.C Club Circuit ’25 -Gothic Mode->ファイナル/11月17日@東京・SHIBUYA duo MUSIC EXCHANGE セットリスト
01 VantaBLACK
02 JOKER
03 Virtual Quest
04 レインメーカー
05 Panic Time
06 Egoist
07 TABOO
08 禁じられた宇宙。
09 Hollow Hotel
10 Knight Bus
11 Campanella
12 Z-MAN
13 Nothing
14 Montage
15 Elephant in the Room
16 GHOST † HEART
17 OH MU JULIET.
18 Chameleon Dance
19 Happy Zombies

■Team☆LM.C Presents<LM.C Club Circuit ’25 -Gothic Mode->追加公演
12月18日(木) 神奈川・横浜ReNY beta

■<LM.C × 有村竜太朗「參龍會」in 台北>
12月8日(月) 台北・THE WALL LIVE HOUSE
open19:00 / start19:30
12月9日(火) 台北・THE WALL LIVE HOUSE
open18:30 / start19:00
■<LM.C TOUR 2026>
3⽉15⽇(日) 千葉・柏 PALOOZA
open16:00 / start16:30
3⽉20⽇(金祝) 北海道・札幌 SPiCE
open16:00 / start16:30
3月21日(土) 北海道・札幌 SPiCE
open15:00 / start15:30
4⽉07⽇(火) 埼玉・HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3
open18:00 / start18:30
4⽉11⽇(土) 福岡・DRUM Be-1
open16:00 / start16:30
4⽉12⽇(日) 大阪・ESAKA MUSE
open15:30 / start16:00
4⽉14⽇(火) 愛知・名古屋 Electric Lady Land
open17:30 / start18:00
4月22日(水) 神奈川・横浜 ReNY beta
open18:00 / start18:30
4⽉25⽇(土) 東京・代官山 UNIT
open16:00 / start16:30
4⽉26⽇(日) 長野・CLUB JUNK BOX
open15:30 / start16:00
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