【ライブレポート】オジーへの敬意、観客への全力のサービス精…ブレット・マイケルズが見せた“新しいポイズン体験”

LAメタルのレジェンド、ポイズンのフロントマンであるブレット・マイケルズ。ポイズンは少しお休みしているが、彼は自身のソロバンドを率いて、パーティナイトを度々開催している。
この日は、カナダに近いノースダコタ州の映画『ファーゴ』の舞台となっている、ファーゴという街でのショウ。スペシャルゲストにはスティーヴン・パーシーがRATTで出演し、ブレットはポイズンのヒット曲でパーティが繰り広げられた。それは過去のポイズンの楽曲でありながら、全く新しいライブ体験と言ってもいいものだった。


パーティ開始の乾杯となるのは、「Talk Darty to Me」から。持ち前のタレント性だけでなく、観客と一瞬で親密な交流が取れてしまうのはさすがなところで、バンドメンバーも非常に馴染んでいる。ブレットは、シンガーだけでなくアコースティックギター、ハーモニカ、マラカス、コンガまでも担当。リードギターのピート・エヴィック(G)を筆頭に、ディーン・クライマー(G)、ノーマン・ヴォス(B)、メリ・シェーファー(Dr)、ロブ・ジョズウィアック(Key)が現在のソロバンドメンバーとなっており、このバンドがパーティに欠かせないものになっているのがよくわかるものだった。






序盤から他界したオジー・オズボーンへの追悼で披露された「Ride the Wind」は、故人への敬意と感謝だけでなく、オジーの人生やキャリアがまるでこの曲の歌詞のようで、悲しみではなく、彼の残したものを繋いで行くという希望のメッセージのようにも思えた。当時からとても好きな曲だったけれど、また改めて魅了されてしまった。
ブレットのハーモニカからの軽快な「Your Mama Don’t Dance」、久しぶりにセットに戻ってきた「Look What the Cat Dragged In」、ブレットがアコースティックギターで奏でる「Something to Believe In」。どれも数え切れないほど聴いてきた曲たちが驚くほど新鮮に映る不思議。ブレットのステージングも実に研究されていて、彼の一挙手一投足に観客が反応するだけでなく、彼も観客を全て見ているところが凄い。


「Fallen Angel」「Unskinny Bop」あたりはメンバーのコーラスワークも光っていたし、途中何度もメンバー紹介を挟みながらの進行もバンドの順調さを物語っていた。メンバーにも恵まれ、豊富なヒット曲を持つ強みは大きいが、終始ブレットが観客へ全力でサービスしている姿はとても印象的だ。
「Every Rose Has Its Thorn」も新しいバージョンにアップグレードされていたし、ステージにあるコンガはいつ使うのだろう?と思っていたら、ラストの「Nothin’ But a Good Time」でブレットが披露してくれました。

そして終演後に、もうひとつのステージがあるのが彼の成功の秘訣かもしれない。Tシャツやステージで使用した何点かを、その場でオークションが始まるのだ。瞬く間に1,000ドル以上に値上がっていく品々、これを子供向けの基金に寄付をしているようで、ポイズンのイメージからはだいぶ違って見えるかもしれないが、彼が愛される理由がいくつもわかった気がした。


来年は、オフィシャルから発表になったポイズンの40周年ツアーが予定されているようなので、アメリカでもチケット争奪戦は間違いないだろう。
文・写真◎Sweeet Rock / Aki
< Bret Michaels 〜 Parti-Gras2.0 End of Summer Super Party 〜>
2025年9月12日
@Essentia Health Plaza at The Lights, West Fargo, ND, USA
1.Talk Dirty to Me
2.Ride the Wind
3.Your Mama Don’t Dance
4.Look What the Cat Dragged In
5.Something to Believe In
6.Fallen Angel
7.Unskinny Bop
〜Drum Solo〜
8.Every Rose Has Its Thorn
9.Sweet Home Alabama(Lynyrd Skynyrd cover)
10.Nothin’ But a Good Time







