【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2025>HEY-SMITH「ステージ、歌から放たれるメッセージにオレは心を掴まれてる」

2025.09.22 02:13

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「<山人音楽祭>10周年、おめでとう! 10年も故郷にこだわり、イベントを続けてるG-FREAK FACTORYに最大級のリスペクトを込めてやらせてもらいます」という猪狩秀平(Gt, Vo)の言葉もあったように、HEY-SMITHはとんでもない熱量で初っ端の「Say My Name」から赤城ステージを埋め尽くす。

猪狩、YUJI(Vo, Ba)、満(Sax)、イイカワケン(Tp)、Task-n(Dr)、今年4月からサポートとして参加しているUME(Tb)も含め、それぞれから放たれる音や歌の迫り方がとんでもなく、密集に密集を重ねたフロアも揺れまくる。メンバー全員が大将格かつ特攻隊長なのがHEY-SMITHというバンドなのだ。

加えて、少しでも隙間があれば観客を鼓舞するようにステージを所狭しと動き回るのが彼らのライブ。「Be The One」で顕著だったが、ここぞ、というところでのジャンプが揃ってなかったりするのも決まり切ったフリではないからこそ。その瞬間の感情に従ってるだけであり、だからこそ観客もぶちアガるのだ。

10周年という節目の<山人音楽祭>、せっかくだからやったことないことを、と猪狩が投げかけ、会場にいる全員で1〜10までカウントして狂騒を生む「Endless Sorrow」へ入るという、後で誰かに話したくなる名場面を作りつつ、冒頭で触れたG-FREAK FACTORYへのメッセージを語った短いMCからの後半戦は、思わず猪狩が「お前ら、暴れすぎ!」と突っ込んだ「Inside Of Me」、上がりまくった心と身体に爽快な風を届けてくれた「Summer Breeze」、ラスト1分という言葉を聞いた観客がすぐさま巨大サークルを形成した「Come back my dog」といった曲を含めた8タテ。ライブモンスターっぷりを見せつけてくれるステージは本当に圧倒的だった。

   ◆   ◆   ◆

──<山人音楽祭>、第1回目となる2016年から数えて5回目の出演になりました。

猪狩:何か、もっと出させてもらってる気がします。G-FREAK FACTORYとの関係が長いんで。

──出会いとしては古いんですか?

猪狩:結構古いと思います。

──じゃあ、最初に出演したときはもう仲も良かったような?

猪狩:全然知ってました。むしろ、学生のころファンで観に行ってたんで、そのころだったか対バンしてからか混同しちゃってるんですけど……でも、学生から聴いてるバンドなんで、オレ個人としてはかなり長く感じてます。

──G-FREAK FACTORYの魅力とは?

猪狩:精神性、メッセンジャーやな、って。もちろん、バンドのアンサンブルも最高ですけど、ステージから放たれるメッセージ、歌からも放たれるメッセージにオレは心を掴まれてるような気がします。

──猪狩さんご自身もそうなりたいという気持ちも?

猪狩:そうですね。自分も音楽家ですけど、メッセンジャーという気持ちもかなり強いですし。

──ライブ中にも<山人音楽祭>の10周年、土地にこだわってフェスをやるっていうことに賛辞を送ってましたよね。HEY-SMITHも<OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL>(以下、ハジマザ)を開催していますし、その素晴らしさをより感じているのかな、と。

猪狩:やっぱり、自分は大阪出身ですけど「これ、東京だったらもっと派手にできたんかな?」って思うことがあるんです。

──都市の規模として、っていう。

猪狩:あと、物理的に東京にしかない音響機材とかもあるんで、東京から運んでこないといけないじゃないですか。だからめちゃくちゃ金かかるんですよ(笑)。もっとチケット代を安く、バンドにギャラをたくさん払って同じ内容でできるんちゃうかな、って考えるんですよね。それを群馬でできてる。言うて東京は近いですけど、群馬独特の文化とかいろいろあると思うけど、全部クリアしてやり続けてるっていう。どっかで「東京でやろうかな」とか「東京に近いところでやろうかな」って考えてもいいと思うんですよ、数字だけ見たりすると。でも、そうせずに自分の故郷への愛、G-FREAK FACTORYにはそういう歌もありますけど、そこが強いと思うんでリスペクトっすよね。

──猪狩さんも大阪にこだわりたい気持ちはある?

猪狩:<ハジマザ>に関してはあります。あと、ツアーの大事な日、ファイナルとか、周年のワンマンとか、そういうのはやっぱり大阪でやりたいな、って気持ちが強いっすね。

──今後の<山人音楽祭>へ期待することはありますか?

猪狩:いや〜、そんなおこがましいことは言えないっす(苦笑)。

──じゃあ、<山人音楽祭>から影響されたというか、何か学んだことはありますか?

猪狩:そうっすね、これはあんま外に言ってないんですけど、<山人音楽祭の>ステージ、上にYAMABITO MUSIC FESTIVALってロゴがあるんですけど、斜めについてるじゃないですか。

──あぁ、角度として少し客席側に前傾してますよね、たしかに。

猪狩:写真を下から撮ったとき、いい感じで写るんですよ。あれ、真似しました(笑)。

──そうだったんですね(笑)。

猪狩:めっちゃいいやん、と思って。<ハジマザ>は野外で無骨なステージにしたかったんで、白黒の<ハジマザ>のロゴをああいうバナーみたいな形で作って、写真に写り込む位置に配置した、っていうのは<山人音楽祭>を参考にしたからですね。

──しかし、フェスに出演した際、猪狩さんはそういったところまで気にされてるんですね。

猪狩:音響とか、正面でも横でも聴くし、2階にも行くし。音響とか照明がいい感じなのか、どれくらい足りないか、どのフェスでもそうしてます。

──そうやっていろんなモノを吸収しながら<ハジマザ>もどんどんブラッシュアップしていく、っていう。

猪狩:というか、単純にオレ、いい感じにカッコいいバンドを観たいんで(笑)。あと、ステージを派手にしからカッコよく観えるっていうわけでもないじゃないですか。演出できるからカッコいいっていうわけでもなくて、何かね、言葉にできない絶妙な空間ってあるんですよ。音は限りなく良いがいいに決まってるけど、ステージの演出は金をかければいい、ってもんでもなくて。そのへんはみんながカッコよく写るようにしてるつもりです。

──ちなみに、HEY-SMITH的に今後の展望はありますか?

猪狩:来年とか再来年とか、それぐらい近い将来を見て一生懸命やってくのがテーマっすかね。あんまり先の5年とか10年とかを考えずに、近い未来のことを頑張りたいです。

取材・文◎ヤコウリュウジ
写真◎淵上裕太
ライブ写真◎HayachiN

■G-FREAK FACTORY主宰<山人音楽祭 2025 ~10th Anniversary~>
9月20日(土) 群馬・日本トーターグリーンドーム前橋
9月21日(日) 群馬・日本トーターグリーンドーム前橋
〒371-0035 群馬県前橋市岩神町1-2-1
open9:30 / start11:00 / 終演20:00※予定

▼9/20(土)出演者
Age Factory / ENTH / かりゆし58 / 氣志團 / KOTORI / G-FREAK FACTORY / SHANK / 上州弾語組合 / SKA FREAKS / 高木ブー / DJダイノジ(大谷) / 10-FEET / TOTALFAT / 花冷え。 / HAWAIIAN6 / The BONEZ / locofrank / ROTTENGRAFFTY(※五十音順)
“能登半島応援企画 MAKE A PROMISE TO NOTO (Tokyo Tanaka×バカビリー×高橋ちえ)”
▼9/21(日)出演者
片平里菜 / G-FREAK FACTORY / J-REXXX BAND / JUN SKY WALKER(S) / 上州弾語組合 / 四星球 / 竹原ピストル / NakamuraEmi / バックドロップシンデレラ / ハルカミライ / Hump Back / BANYAROZ / 04 Limited Sazabys / FOMARE / BRAHMAN / HEY-SMITH / 山嵐 / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS(※五十音順)

『山人MCバトル×戦極MCバトル』※開催は9/21(日)
Armadillo / bendy / DOTAMA / FCザイロス / GOMESS / KOOPA / 溝上たんぼ / NAIKA MC / 歩歩 / risano / Sitissy luvit
DJ:R da Masta
司会:K.I.G

『上州弾語組合』
9/20(土) 清水 明夫 / KIE Anderson / garb / 16号。 / 横山 ナオ / 上原梅弦
9/21(日) 高平 悠 / 山口 貴大 / 茂木 拳 / 鹿山 音楽 / ジュンペイ / 藤井 トモカズ

▼チケット
・各1日券 9,500円(税込)
・2日券 18,000円(税込)
・駐車場付 1日券(9/20)※SOLD OUT
・駐車場付 1日券(9/21)※SOLD OUT
・駐車場付 2日券 ※SOLD OUT
(問)DISK GARAGE https://info.diskgarage.com
主催:DISK GARAGE/BADASS/上毛新聞社
企画・制作:DISK GARAGE/BADASS