【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2025>Age Factory「以前よりもいろいろな環境でカマせてる気はしてる」

2025.09.20 19:19

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4回目の<山人音楽祭>出演にして、ついに赤城ステージに立ったAge Factory。清水英介(Vo, G)はその歓びを、「G-FREAK FACTORYのイベントなので、メインに呼んでもらってうれしく思います」とストレートに表現しながら、同時に「<山人音楽祭>全員で行くぞ! 全員で一緒に行こう!」と冒頭から気迫を見せつけた。

オルタナティブな感性を持ちながら、その一言に収まりきらないユニークなサウンドが歓迎され、めきめきと頭角を現してきた奈良県出身のAge Factoryは結成から16年目を迎えたタイミングでさらなる飛躍を遂げようとしている。今年6月の<SATANIC CARNIVAL>はEVEIL STAGEのトリを任されていたが、今回の赤城ステージ抜擢は現在のバンドの勢いがひとつ結実したものと言ってもいいかもしれない。

ヘヴィなギターリフを鳴らしながら、清水がシャウトした1曲目の「GOLD」から赤城ステージを揺らしたAge Factoryがこの日、演奏したのは全10曲。観客をジャンプさせた「向日葵」、キックの4つ打ちとボーカルのリフレインがヒプノティックともダンサブルとも言えるグルーブを生む「Blood in blue」、エモいメロディーが胸を焦がすポップナンバー「Dance all night my friends」、Age Factory流のハードコアなんて言ってみたい「Shadow」など、新旧の代表曲の数々は、そのどれもがキラーチューンと言える魅力を感じさせた。

その中でも特に印象に残っているのが、7月にリリースした6thアルバム『Sono nanika in my daze』からこの日唯一披露した「海に星が燃える」。なぜ、印象に残っているのかと言うと、ドラマチックでアンセミックな、このオルタナロックナンバーは今現在のAge Factoryが持つスケールの大きさをダイナミックに物語っていたからだ。

彼らに対する期待がさらに高まった。メンバー達にそれを伝えたところ──。3人の回答から、Age Factoryがどういうバンドなのか、ぜひ読み取っていただきたい。

   ◆   ◆   ◆

──熱いライブ、めちゃめちゃ興奮しました。今日のライブの手応えからまず聞かせてください。

清水(Vo, G):<山人音楽祭>でメインは初めてだったんですよ。前は袖で他のアーティストがやっているのを見てたステージにG-FREAK FACTORYからついに呼んでもらえたってことを感じながらやってました。

増子央人(Dr, Cho):<山人>はG-FREAK FACTORYが地元群馬を大事にしながらやっているフェスじゃないですか。そういうところが俺らとちょっと重なるんですよね。俺らも奈良から動いてないっていう。初めて<山人>に出たとき、メインステージでトリを務めたG-FREAK FACTORYのライブを見て、めちゃくちゃ感動したことをいまだに憶えているんで、その同じステージにようやく呼んでもらえたのはめちゃくちゃうれしかったです。演奏中に上を見たら、<山人>のフラッグがあって、そこに10th Anniversaryって書いてあったんですけど、それを見るたび、そうだ。10周年なんだって。俺ら、4回目なんですよ。だから半分くらい呼んでもらってるんですけど、10周年のタイミングでメインステージに呼んでもらえたのもすごくうれしかったです。

西口直人(B, Cho):メインステージに繋がる導線がこの会場はけっこう特徴あるんですけど、今まではメインステージに出るバンドを見に行くとき通っていたところを、今回は自分達が演奏するために歩いているっていうのがなんか感慨深かったですね。

──じゃあ、いつも以上に気合が入っていました?

西口:いや、いつも入ってますよ(笑)。

清水:そう、いつもです。

──ですね。失礼しました。

増子:でも、いい感じにユナイトできるセットリストだったと思うんですよ、今回は。あと、メインステージの一番手のENTHがめちゃくちゃカマしてたんで、それもいい感じに繋いでいけたのかな。

──西口さんは演奏中、割と冷静ですよね?

西口:そうですね。たぶん、人間的にそうなんですよ。でも、気持ちはいつもアガッていて。ただ、そんなにはしゃがないっていう。でも今日は……今日はって言うか、<山人>って親子連れの人達が楽しそうにしているってイメージがあるんですよ。だから、今日も演奏しながら親子連れのエリアが気になってたんですけど、そしたらまだ小学校に上がってないような子供がお父さんに肩車されて、両手を挙げてたんです。「Dance all night my friends」を、お客さんが歌ってくれてる時だったかな。あれを見たときは、めっちゃアガりましたね。

──めちゃめちゃいい話じゃないですか。ところで、現在、新しいアルバムのツアー中だから、アルバムの曲をもうちょっと聴けるのかなって期待していたんですけど、アルバムから演奏したのは「海に星が燃える」1曲だけでしたね。

清水:ツアーに来てほしいから、ツアー以外ではアルバムからは配信した曲以外やらないって決めてるんですよ。

──そうだったんですか。じゃあ、今日のセットリストはやはりオールタイムベストを意識していたんですか?

清水:けっこう<山人>用に作った感じですね。G-FREAK FACTORYは僕らの上の世代で、対バンした時も客層の違いみたいなものは明確に感じますけど、やりたい音楽に通じるところがあると思ってるんで、そのニュアンスを自分達なりに汲み取って決めたって感じですね。

増子:「ロードショー」は11年前にリリースした曲なんですよ。G-FREAK FACTORYがこのフェスを始めた頃、俺達がリリースした曲も入っているっていうのが今日のふさわしいセットリストになっている気がしましたね。でも、最新曲の「海に星が燃える」も入ってるっていう。G-FREAK FACTORYもそうだと思うんですよ。最新曲もやるけど、昔の曲もいまだにやってるみたいな。そんなことを考えてはいないけど、自然とそうなったっていうのは、なんかステキだと俺は思いました。

──新しいアルバムの話もちょこっと聞かせてください。よりヘヴィになって、刺々しさも増したという印象がありましたが、どんな作品になったという手応えがありますか?

清水:自分達のために作りたいと思って作り始めたと言うか、自分達が今後もかっこよくあり続けるために作ったアルバムなんですよ。

──今回のアルバムのツアーの会場のキャパを考えても、Age Factoryを支持する人達って明らかに増えているし、広がっていると思うんですよ。そういうタイミングで、こういうアルバムを作るところに易々とブレない芯の強さを改めて感じました。アルバムを作るとき、さっき言ったようなことは全然意識しなかったんでしょうか?

清水:今回は、そういう外部的な要素を気にせずにやろうってことだったんです。今回はって言うか、今後もそれは変わらないかな。これまでもずっとそうだったんで、自分達が納得してできたらいいんで、それを繰り返していきたいですね。

西口:逆かもしれないですね。たとえブレたとしても、俺らが今かっこいいとおもってるものを作ったほうがいいみたいな。24年に『Songs』ってアルバムを出して、そのツアーとかフェスとかで、『Songs』の曲をみんなが歌ってくれてるのを見ても、じゃあ『Songs 2』を作ろうとはならないみたいなところはありますね。『Songs』を好きって言ってもらえるのはうれしいし、僕らも『Songs』の曲はライブでやりますけど、今、作りたいのはああいうアルバムだったんです。

──でも、今、自分達に追い風が吹いているという実感はあるんですよね?

清水:ありますけど、でも、何だろう。やり甲斐は増えてます。バンドだけじゃなく、音響スタッフも含めたチームとしてやり甲斐が増えてきてるんで、以前よりもいろいろな環境でカマせてる気はしてるから、それをもっとブラッシュアップしていきたいと思ってます。ただ、周りの評価よりも自分達なりのリズムが作れたらいいのかなって思います。誰かとの差でなく、自分達がその物差しなんで、だから傍から見て、いい感じかどうかって気にしたことはないんですよ。

取材・文◎山口智男
写真◎淵上裕太
ライブ写真◎HayachiN

■G-FREAK FACTORY主宰<山人音楽祭 2025 ~10th Anniversary~>
9月20日(土) 群馬・日本トーターグリーンドーム前橋
9月21日(日) 群馬・日本トーターグリーンドーム前橋
〒371-0035 群馬県前橋市岩神町1-2-1
open9:30 / start11:00 / 終演20:00※予定

▼9/20(土)出演者
Age Factory / ENTH / かりゆし58 / 氣志團 / KOTORI / G-FREAK FACTORY / SHANK / 上州弾語組合 / SKA FREAKS / 高木ブー / DJダイノジ(大谷) / 10-FEET / TOTALFAT / 花冷え。 / HAWAIIAN6 / The BONEZ / locofrank / ROTTENGRAFFTY(※五十音順)
“能登半島応援企画 MAKE A PROMISE TO NOTO (Tokyo Tanaka×バカビリー×高橋ちえ)”
▼9/21(日)出演者
片平里菜 / G-FREAK FACTORY / J-REXXX BAND / JUN SKY WALKER(S) / 上州弾語組合 / 四星球 / 竹原ピストル / NakamuraEmi / バックドロップシンデレラ / ハルカミライ / Hump Back / BANYAROZ / 04 Limited Sazabys / FOMARE / BRAHMAN / HEY-SMITH / 山嵐 / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS(※五十音順)

『山人MCバトル×戦極MCバトル』※開催は9/21(日)
Armadillo / bendy / DOTAMA / FCザイロス / GOMESS / KOOPA / 溝上たんぼ / NAIKA MC / 歩歩 / risano / Sitissy luvit
DJ:R da Masta
司会:K.I.G

『上州弾語組合』
9/20(土) 清水 明夫 / KIE Anderson / garb / 16号。 / 横山 ナオ / 上原梅弦
9/21(日) 高平 悠 / 山口 貴大 / 茂木 拳 / 鹿山 音楽 / ジュンペイ / 藤井 トモカズ

▼チケット
・各1日券 9,500円(税込)
・2日券 18,000円(税込)
・駐車場付 1日券(9/20)※SOLD OUT
・駐車場付 1日券(9/21)※SOLD OUT
・駐車場付 2日券 ※SOLD OUT
(問)DISK GARAGE https://info.diskgarage.com
主催:DISK GARAGE/BADASS/上毛新聞社
企画・制作:DISK GARAGE/BADASS