【インタビュー】逹瑯(MUCC)、悪役を意味する新曲「VILLAINS」に「自分の正義に徹するダークヒーローの色気」

■船の舵取りに楽しさを覚えられない
■俺はその船に乗って自由にしていたい
──「今足りないもの、次にほしいもの」というのは、もうイメージが見えているんですか?
逹瑯:最初にも言ったように、ライヴのバリエ―ションを増やせる、世界観を作れる楽曲というところで、ほしいタイプの曲はまだまだたくさんあります。その中での優先順位と、自分がどういうふうにやってきたいのか、何を歌いたいのかのバランスを見て考えていく感じですね。
──何を歌いたいのか、という要素もあるんですか。
逹瑯:いや、それが先に来ることはないです。曲が先にあって、どこを刺激されるかだから、“こういう曲をやりたい”はあるけど、“俺は何を歌うべきだ”というのは特にない。楽曲ができて、そのときに自分のまわりで起きたことや思ったことのタイミングがバッチリあったら、“この曲でこれを歌いたい”となるので。そういうのがいいんですよね。MUCCで言うと「October」はまさにそうでした。そういう偶然との素敵な出会いもありながら、まずは曲を先行して作っていくことがほとんど。だから、“これを歌いたいからこういう楽曲を作ろう”の順番はないんです。
──ソロは、ある意味個人的なメッセージを先行させてもいい場所ではあると思いますが、あくまで楽曲ありきだと。
逹瑯:そんなたいそうなメッセージはないんで、私には(笑)。むしろ曲に引き出されるというか……“この曲に以前から思っていたことを乗せたら、とてもいいことを歌っているように聞こえるかも”くらいの感じです。そもそも普段から思ってることを発言するタイプではないんですよ。“そういう機会があるんだったら喋るけど”のパターンが多い。後輩から相談を受けるとしても、真面目な話をしましょうというタイミングが来るんだったら話すけど、自分からそういう話に持って行って話をすることはないので。
──内に溜め込んでいるわけでもない?
逹瑯:うん。俺は、なんかしょうもないことを言っていたいんですよ(笑)。しょうもないこと言ってるときのほうが面白い。誰かとふたりで飲みに行って、ずっと語り合って、“今日は熱い夜だったぜ!”みたいなテンションは、“うーん”って感じ。思っていることはあるし、求められれば話しますけど、別にそれを語り合って確認し合うみたいなのは大丈夫でーす、って(笑)。
──作詞でも、楽曲が求めているなら出します、という?
逹瑯:そうそう、楽曲に求められるんだったら乗せます。だから、いつも曲先なのかも。
──なるほど。引き続き“足りないもの”を探っていく中で、ライヴのほうでは、最初におっしゃっていた「同期を減らしてみる」という方向性で考えているんですか。
逹瑯:そうしていきたいかな。それによって、演奏する人同士の空気感が出来上がっていったらいいなと思います。同期に合わせるんじゃなく、他のメンバーの空気感を意識するようになると、自然と楽曲にうねりが生まれてくるだろうし、一人ひとりの自由度も増すと思うんですよね。同期という絶対的な軸がなくなって、そこに合わせなきゃいけないということはなくなるぶん、同期の音を生楽器で補う必要があるから、お互いを見ながら各自でアレンジする部分も出てくるじゃないですか。

──サポートメンバーの方々にも、自由度を持ってそういうことをやっていってほしいわけですね。
逹瑯:そう。CDと違う聞こえ方になったとしても、ライヴのアレンジでこうなったというふうに持っていけるくらいになればいいかな。感情が乗ることで、自然とリズムがモタッたり、逆に早くなるような変化が生まれてくるくらいになってほしい。いきなり自由度を高めるというより、メンバーそれぞれが曲の世界観やいろんなものの理解度を深めていったほうが早いのかもしれないなとは思ってます。まあ、俺は細かい演奏やアンサンブルの部分はわからないので、バンマスの足立にイニシアチブを取っていってもらおうかなと。
──幅広い曲がありますし、毎回違うメンバーとそれを作っていくのは難しいところですよね。逹瑯さんとしては、サポートメンバーに対して何か心がけていることはあるんですか。
逹瑯:みんなが現場を楽しんでくれていたらうれしいなってくらいかな。みんなが“どうすればいいんだろう”みたいな空気感だと、こっちも“どうなんだろう?”って探っちゃうから、やりづらくなるんですよね。
──全体的にバンド感を出していくというのが今後のライヴのテーマの一つになっていきそうですね。
逹瑯:そうですね。俺は性格的に引っ張っていくタイプじゃないので、乗っかりたいんですよ。歌で引っ張っていく感じは違うというか……演奏に関しては楽器に引っ張ってもらって、その船に乗って自由にしていたい。もともと船の舵取りをすることに楽しさを覚えられないので。サポートメンバーにも、俺に引っ張っていってほしいとは思わないでもらいたい(笑)。
──ははは。たしかに、バンドとしてのセッションが生まれたほうがいいライヴになっていくものだと思います。まだまだ逹瑯ソロライヴも変化していきそうですが、9月からの東名阪ツアー<逹瑯 LIVE HOUSE TOUR [VILLAINS] >はどういうイメージで考えていますか?
逹瑯:最近のツアーとはセットリストや雰囲気をちょっと変えようかなと。ソロ初期の曲も入れられる隙間ができているので、ちょこちょこ入れながら、バランスを見て作っていこうと思っています。
取材・文◎後藤寛子
撮影◎冨田味我(LIVE)/緒車寿一(LuckyFes)


■シングル「VILLAINS」
2025年9月10日(水)発売
購入リンク:https://maverick-stores.com/tatsuro/
【TYPE-A】¥1,500(税込)
▼収録楽曲
01 VILLAINS
02 DRIVE!!!
03 ⻘の刹那 -2025.01.19 下北沢SHANGRI-LA-
04 ⻩昏のエレジー -2025.01.19 下北沢SHANGRI-LA-
【TYPE-B】¥1,500(税込)
▼収録楽曲
01 VILLAINS
02 DRIVE!!!
03 焔 -2025.01.19 下北沢SHANGRI-LA-
04 藍⻘症 -2025.01.19 下北沢SHANGRI-LA-

■インストアイベント<T.Tカード自引き&サイン会>
9月12日(金)18:00~ Like an Edison大阪店
9月20日(土)13:00~ エンタバアキバ by SHINSEIDO
9月22日(月)18:00~ 名古屋 fiveStars
https://www.tatsuro-soloworks.jp/schedule/10

■<逹瑯LIVE HOUSE TOUR [VILLAINS]>
9月15日(月祝) 大阪・BANGBOO
9月23日(火祝) 愛知・RAD HALL
9月27日(土) 東京・渋谷WWW X
9月28日(日) 東京・渋谷WWW X
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