【速レポ】<LuckyFes’25>HYDE、ひたちなかに降臨「いつも通りやらせてもらうぜ!」

2025.08.11 20:40

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雨が止み、強かった風が穏やかになったRAINBOW STAGE。アタック映像が流れ、SEに乗せてクラップするオーディエンス。HYDEに先んじて、発光するゴーグルを装着したサポートメンバーたちがまずは弾むようにステージに出て来て、大きなアクションで煽りまくる。

◆ライブ写真

本番直前に運び込まれた高くそびえ立つ演説台のてっぺんから、王者の風格でHYDEが登場。1曲目の「TAKING THEM DOWN」のイントロから「Sing it louder, louder!」と繰り返し叫び、演説台に両手をついて滑らかな美声で歌い始めたかと思えば、激烈なラップパートでは拡声器を使い、更にその先にマイクをあてて声を届ける。一瞬たりとも目が離せず、一音たりとも聴き逃せない。変幻自在のカリスマの降臨である。

演説台から降りて来ると「Are you ready, LuckyFes?」と問い掛けて、リンキン・パークのカバー「GIVEN UP」を投下。ヘヴィなリフと連動してオーディエンスは身体を折り畳み、HYDEは爆発的な声量で超ロングシャウトを轟かる。獣の咆哮のような声色で歌い終える頃には、前方のコアファンだけでなく会場全体からどよめきが起きていた。

「Yeah, LuckyFes! HYDEです」と、直前までのキャラクターとは別人のようなポップな口調で語り始めると、「今日はあまりロックバンドが出てないから、ちょっとかわい目の曲を用意してきました……なんてね! やっぱりいつも通りやらせてもらうぜ!」とカメラ目線。

次曲「DEFEAT」ではシンガロングやジャンプを求めながら更に激しくパフォーマンスする。バンマスのhico(Key)、Yas Nomura(G)とJulian(G)のツインギター、かどしゅんたろう(Dr)とTomohiro Miki(B)のリズム隊から成るバンドアンサンブルは身体を貫くような凄まじい音圧だったが、その真ん中でHYDEの歌声は決して埋もれず、圧倒的な強さを誇っていた。

「遠慮すんなよ、Lucky! みんな掛かって来いよ!」と焚きつけて「MAD QUALIA」へ。ヘッドバンギングが起きたタイミングに合わせたかのように強い風が吹き、野外フェスならではの壮観な眺めに。HYDEはカメラ越しに語り掛け、その後ステージを降りてオーディエンスに突進していく。「ここで一つになりましょう。全員座れ、皆さん! 3、2、1でジャンプするよ? 俺たちとブッ飛ぶ準備できてるか?」などと矢継ぎ早に呼び掛けると、自身も跪いて両手を前につく。ステージ上にはスカイダンサーが4体出現して不気味に揺らめき、HYDEが「飛び跳ねろ!」と指令を下すとオーディエンスが色とりどりのタオルを回し、壮観かつ幸福感が込み上げてくる美しい眺め。上半身の肌を露わにし、タトゥを剥き出しにした状態で背を向けて歌う姿には大歓声が上がった。センターで大きくタオルを回し続けるhico、歌舞伎の連獅子のように長髪をなびかせ続けるYas。ボルテージは否応なしに上がっていく。

メタルコアを追求した最新アルバム『HYDE [INSIDE]』の世界観を軸としてセットリストは組み立てられており、初見のファンも巻き込んで攻めていくスタイルを貫いたHYDE。ほんの一瞬音が止み、アルバムでも最強で最狂のヘヴィさを誇る「SOCIAL VIRUS」を放つと、人間を超越したようなドスの効いたシャウトと絶唱で圧倒。そのエネルギーと迫力には呆気に取られるほどだった。

クリアな音色でJulianがコードを爪弾き始め、至近距離で向き合ってHYDEが歌い出したのは、映画『NANA』主題歌として中島美嘉に提供した「GLAMOROUS SKY」のセルフカバー。それを察した観客から「お~!」と歓声が上がる。メロディの美しさ、キャッチーさは保ちながらも、激しいパンクヴァージョンはオーディエンスの心を解き放ったのか、会場全体をこれ以上ないほどの盛り上がりを見せてライヴは終わりを迎えた。

ドラム台に登りジャンプダウンして音を止めたHYDEは、「Thank you so much! どうもありがとう! Lucky Lucky Lucky!」と連呼して投げキッスを放ち、ステージを去った。

自身のワールドツアー真っ只中、前夜も2日間連続でタフなライヴを終えたばかりとは信じられないほど、エネルギーに満ち溢れていたHYDE。各地のフェスで出番が終わると、初見のオーディエンスから「HYDEっていうバンドのヴォーカルがL’Arc-en-Cielのヴォーカルに似てた」という声がまことしやかに囁かれるのも納得。いくつもの顔を持ち、常に新しい表現で驚かせてくれるHYDE。満を持しての<LuckyFes>初出場は、熱狂の内に終わった。

取材・文◎大前多恵
撮影◎今元秀明

セットリスト
1.TAKING THEM DOWN
2.GIVEN UP (Linkin Park)
3.6or9
4.MAD QUALIA
5.SOCIAL VIRUS
6.GLAMOROUS

【Photo Gallery】<LuckyFes’25>ASH DA HERO、ラッパ我リヤやGASHIMA、HYDEと令和最強コラボ
 

「ABEMA」では、LuckyFesの熱狂ライブステージを、
3日間にわたり無料・独占生中継!

見逃し配信は9月9日(火)23:59までお楽しみいただけます。
https://abema.tv/video/title/556-5
※一部アーティストは視聴対象外です

■<LuckyFes’25>
チケットページ:https://luckyfes.com/ticket/
オフィシャルサイト:https://luckyfes.com/

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