ピンクフロイドの2大看板、ロジャーとデイヴが衝突し始めた’80年代に発表されたベストアルバム「時空の舞踏」に収録された曲。’75年の「Wish
You Were Here」では2つに分断されていたが、ここで1曲にリミックスされた。テクニックや派手な曲の展開に頼らず、心情に訴えかける歌モノになっている彼ららしい曲だ。長く重いイントロに続く歌には、まるでビートルズを思わせる温かい歌心を感じる。
ジェネシス
「In The Cage」(11:52)
アルバム『Three Sides Live』より
演奏力に定評あるジェネシスの’81年のツアーを収録したライヴ盤『Three Sides Live』。このライヴのハイライトシーンがこの「In
The Cage」から「Cinema Show」への12分にも及ぶメドレー。トニー・バンクスの緩急自在の美しいシンセによるめくるめく展開には圧倒される。フィル・コリンズとチェスター・トンプソンのツインドラムも、これ以上ないほど曲を盛り上げる。ライヴならではの聴きモノだ。
アイリッシュ・トラッド、ブルースなどをバックボーンとし、HR界に君臨するギタリストのゲイリー・ムーア。ギタースタイルも多岐に渡るが、’89年の「After
the War」収録のこの曲のように、ヘヴィな“泣き”が素晴らしい。イントロからすでに泣きまくっていて、7分半の全編で切なく、時に激しく迫ってくる。歌うようにエモーショナルなギターソロを弾かせたら、右に出るものはいないだろう。
ミートローフ
「I’d Do Anything For Love (But I Won’t Do That)」(12:01)
アルバム『Bat Out Of Hell II: Back Into Hell 』より
ミートローフにとって不遇の時代だった’80年代の鬱憤を晴らすかのように’93年に発表した『BAT
OUT OF HELL II – BACK INTO HELL』は、世界中で驚異的な枚数を売り上げた。デビュー作の続編だけあって、内容は同じくオペラ調で壮大だ。この曲はアルバムの1曲目でいきなり12分の大作。ピアノとギター、そして彼自身のハイトーンが美しい。何度も盛り上がるドラマチックな展開が「らしい」ところ。