| ピンク・フロイド 「Shine On You Crazy Diamond」(10:41)
アルバム『A Collection Of Great Dance Songs』より
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ピンクフロイドの2大看板、ロジャーとデイヴが衝突し始めた'80年代に発表されたベストアルバム「時空の舞踏」に収録された曲。'75年の「Wish You Were Here」では2つに分断されていたが、ここで1曲にリミックスされた。テクニックや派手な曲の展開に頼らず、心情に訴えかける歌モノになっている彼ららしい曲だ。長く重いイントロに続く歌には、まるでビートルズを思わせる温かい歌心を感じる。 |
| | ジェネシス 「In The Cage」(11:52)
アルバム『Three Sides Live』より
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演奏力に定評あるジェネシスの'81年のツアーを収録したライヴ盤『Three Sides Live』。このライヴのハイライトシーンがこの「In The Cage」から「Cinema Show」への12分にも及ぶメドレー。トニー・バンクスの緩急自在の美しいシンセによるめくるめく展開には圧倒される。フィル・コリンズとチェスター・トンプソンのツインドラムも、これ以上ないほど曲を盛り上げる。ライヴならではの聴きモノだ。 |
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| ウェザー・リポート 「バディア/ブギ・ウギ・ワルツ・メドレー」(9:28)
アルバム『8:30』より
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'80年代直前に発表されたアルバム『8:30』は、ライヴとスタジオ録音を取り混ぜたウェザー・リポートの名作。この曲は9分半にも及ぶライヴ録音。かねてからのコンセプト通り、ジャズのインプロビゼーションとポップス寄りの練り上げた曲構成がきっちり融合されている。アースキンとジャコ・パスのリズムセクションは、ウェザー史上最強と評されるだけあって、その迫力はすさまじい。 |
| | KANSAS 「尖塔」(9:35)
アルバム『ベスト・オブ・カンサス』より
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CMでも使われた「すべては風の中に」でおなじみのKANSASは、サウンド面では流麗なフィドルが特徴。変拍子や長大な曲構成も得意、とくにインスト部分ではプログレ的複雑さも見せるが、メロディの明るさやハーモニーの美しさはむしろ爽快なアメリカンロック。'84年のベストアルバムに収録されたこの曲もまさにそんなサウンド。9分半と長いが一気に聴ける。ラストの大団円に向かっての盛り上がりは感動的ですらある。 |
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| ゲイリー・ムーア 「he Messiah Will Come Again」(7:32)
アルバム『After The War』より
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アイリッシュ・トラッド、ブルースなどをバックボーンとし、HR界に君臨するギタリストのゲイリー・ムーア。ギタースタイルも多岐に渡るが、'89年の「After the War」収録のこの曲のように、ヘヴィな“泣き”が素晴らしい。イントロからすでに泣きまくっていて、7分半の全編で切なく、時に激しく迫ってくる。歌うようにエモーショナルなギターソロを弾かせたら、右に出るものはいないだろう。 |
| | ハービー・ハンコック 「フューチャー・ショック」(8:01)
アルバム『フューチャー・ショック+1』より
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ジャズピアニストのハービー・ハンコックは、ジャズ以外の要素をたびたび取り入れて成功を収めてきた。'73年には「ヘッド・ハンターズ」でロックやファンクを、そして'83年の「フューチャー・ショック」ではヒップホップ、テクノという、当時最新の音楽を見事に取り入れ周囲を驚嘆させた。8分にも及ぶこのタイトル曲も、当時先端を行くダンサブルなエレクトリック・ポップに仕上がっている。 |
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| ブライアン・メイ 「Resurrection」(10:08)
アルバム『Live At The Brixton Academy』より
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Queenの活動停止以降、ソロでのブライアン・メイのサウンドには、やはり'70~'80年代の音楽をリードしたQueenの面影が強く感じられる。ライヴではよりそれが強く、Queen時代の曲も自らの見事なヴォーカルで蘇らせている。この曲はQueen中期を思わせるハードロック。僚友コージー・パウェルのドラムソロや「ボヘミアン・ラプソディ」のギターソロも飛び出す、'80年代ロックファンには涙モノの10分間だ。 |
| | UB40 「Sing Our Own Song」(7:21)
アルバム『Rat In The Kitchen』より
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'80年代のニューロマンティックブームの中心にいたのがデュラン・デュラン。メンバー全員がクールで美形という、まさにアイドル。人気沸騰も当然だ。曲も演奏もカッコよかったので、後に男性ファンも多く獲得していったのが他のアイドルと違うところだ。この曲はまだアイドル視されていた時期の作品だが、シンセの使い方はスマートだし、ビートにも躍動感がある。すでに高い音楽性を持っていたことがうかがい知れる。 |
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| ヴァン・ヘイレン 「Panama (Live)」(6:39)
アルバム『ヴェリー・ベスト・オブ・ヴァン・ヘイレン-The Best Of Both Worlds-』より
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タッピングによる新しいギタースタイルを確立したヴァン・ヘイレンは、'80年代ギターヒーローのナンバーワンだ。超ハイテクニックを軽々と演奏しながら笑顔でステージ中を駆け回る姿はギターキッズを驚嘆させた。デイヴ・リー・ロス在籍時の'84年に放ったこのヒット曲でも、タッピングやハーモニクスなどを駆使したソロが聴ける。この8月に登場したベスト盤では、この曲をライヴバージョンで6分半に渡ってたっぷり楽しめる。 |
| | ミートローフ 「I'd Do Anything For Love (But I Won't Do That)」(12:01)
アルバム『Bat Out Of Hell II: Back Into Hell 』より
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ミートローフにとって不遇の時代だった'80年代の鬱憤を晴らすかのように'93年に発表した『BAT OUT OF HELL II - BACK INTO HELL』は、世界中で驚異的な枚数を売り上げた。デビュー作の続編だけあって、内容は同じくオペラ調で壮大だ。この曲はアルバムの1曲目でいきなり12分の大作。ピアノとギター、そして彼自身のハイトーンが美しい。何度も盛り上がるドラマチックな展開が「らしい」ところ。 |
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