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ノース・キャロライナ州ロッキー・マウンテン出身のダナ・グローヴァーは、特に音楽の教育を受けたわけではなかったが、幼い頃から母親のピアノを見よう見まねで覚え、TVで見るホイットニー・ヒューストンやジョージ・マイケル、アレサ・フランクリンに憧れていたという。

14歳のとき、すでに音楽で生きていくことを確信した彼女は、両親の離婚を経て、16歳で単身ニューヨークへ。一時期モデルとして活動するも、ミュージシャンの夢をあきらめきれず、カントリーの街ナッシュビルへと向かう。この頃からピアニストとして生活し、自らの曲も書き始めるが、カントリー・ミュージックに興味が沸かず、弟とともに再びロサンゼルスへ移住。

マネージャーと出会い、彼の働きかけで行なわれたショウケースで、ドリームワークスのジェアード・レヴァインに見初められることになった。

2002年10月(日本では2003年1月)にリリースされたデビューアルバム『Testimony』からは、前述のアーティストをはじめ彼女の幅広いバック・グラウンドが伺えるが、一貫して顕著なのがゴスペルの影響。端麗な容姿に似合わないパワフルな歌い方、心を揺さぶられずにはいられない圧倒的な声量は、幼い頃やニューヨーク時代に聴き親しんだという教会のクワイアの熱気をストレートに受け継いだものだ。加えて、その歌詞には自らの経験や、そこから生まれた疑問や悩みが情熱的に盛り込まれ、こちらも感動的。プロデュースはノー・ダウトやクリスティーナ・アギレラで知られるマシュー・ワイルダーで、さらに彼女の契約にひと役買った元ザ・バンドのロビー・ロバートソン(現ドリームワークスのA&Rトップ)も、自らエグゼクティブ・プロデューサーを買って出ているというほれ込みようだ。

2010年に、サックス奏者のデイヴ・コーズのアルバム「Hello Tomorrow」の「Start All Over Again」を作曲。ボーカルとして参加している。

2012年1月にリリースされたレナード・コーエンのアルバム「OLD IDEAS」中の「Going Home」、「Anyhow」、「Different Sides」の三曲ではボーカルとアレンジ、2014年9月にリリースされた「Popular Problems」ではコーラスとして参加している。