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2世ミュージシャンの1人であるTal Bachmanは、Guess Whoに在籍後、Bachman-Turnr Overdriveのメンバーとして“Takin'' Care Of Business”のヒットを放ったRandy Bachmanの息子。

Talは父親のいいところを受け継いでいる。彼がポップ/ロックミュージックに対する鋭い耳と、トレンドに左右されず決してすたることのないストレートな曲作りのセンスを持っていることは、Columbiaからリリースしたデビューアルバム『Tal Bachman』を聞けば明らかだ。

Bachmanは幼くしてドラムスとピアノ、ギターをマスターしたが、当初はミュージシャンになるつもりがなかった。おそらく、当たり前すぎる選択だったからだろう。彼はユタ州の小さな大学に進み、政治哲学を専攻する。しかしアリストテレスやプラトン(偉大な作詞家たち!)の言葉に耳を傾けるうちに、自分にとっていちばん自然なことをするべきだと考え、政治哲学そっちのけで曲を書きはじめた。

クラシックロックを聞いて育ったBachmanは、U2やSmiths、Cureを好むようになったが、自分で書くものは、むしろPaul McCartneyやElton John、Jeff Lynneといった、ひとむかし前のポップ作家の曲に近かった。彼らから受けた影響が核になった1stアルバムは、ハードロック系のプロデューサーBob Rock(Metallica、Aerosmith)や、ストリングアレンジャーのPaul Buckmaster(Rolling Stones)の参加を得て、音楽性の高いデビュー盤に仕上がっている。