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温かさと情熱を併せ持ったフォーク・ギターのサウンドと、きらめくようなハーモニー、知的な言葉遊びによって、Indigo Girlsは、メインストリームでの成功をものにした。

シンガーソングライターであるAmy RayとEmily Saliersは、''80年代初めより、アトランタ周辺のクラブやコーヒーハウスなどで共に演奏していた。R.E.M.のシンガーMichael Stipeが提案したことから、''85年より2人は自分たちをIndigo Girlsと呼ぶようになった。

''86年、自主製作されたEPがリリースされ、続いてアルバム(''87年の『Strange FIre』)も発売されたが、彼女たちのホームベース、ジョージア州以外では、このアコースティックをベースにしたデュオに対する世間の興味をそれほど掻き立てることはできなかった。しかし、Tracy Chapmanを先頭とした女性ポップアーティストの人気が新たな盛り上がりを見せたことから、''88年、Indigo Girlsも突如ホットな存在として注目されるようになる。

そして、晴れてEpic Recordsとの契約もなり、''89年にバンド名を冠したアルバムをリリース。これがグラミー賞のベストコンテンポラリーフォークアルバムに輝いた。その後発表された『Normads, Indians, Saints』では、Sailersの明るく知的なフォークサウンドと、Rayの内省的なロック色の強い傾向がはっきり確立された感がある。

''92年にリリースされた『Rites Of Passage』は、フォークが基礎となっていた従来のサウンドにとって変わって、ポップの絵画とも言うべき美しい旋律を中心に据え、2人にとっては最大の成功を収めた。''94年の『Swamp Ophelia』は、多面性のあるデュオの別な一面を窺い知ることのできる1枚。古き昔の心地よいフォークサウンドへの傾倒と、より最近のポップサウンドが渾然一体化した2人の世界が展開されている。また、''97年の『Shaming Of The Sun』では、エレクトリックギターをふんだんに(また形に縛られずに)取り入れ、デュオのトレードマークである美しいハーモニーと調和させるという、より難しい領域にまで踏み込んでいる。