【インタビュー】Rei、10年間で実った青果をカラフルに凝縮、ベストアルバム『FRUIT』の瑞々しい成果

日本のみならず、アジアから欧米に至るまで世界中から注目を集める日本の音楽/ミュージシャンの魅力をひとりでも多くの音楽リスナーに届けるべく、毎週火曜日夜21:30から放送されている音楽ラジオ番組が、interfm「TOKYO MUSIC RADAR」だ。
毎週今をときめくアーティストをゲストに迎え、アーティスト同士ならではのミュージシャン・トークを繰り広げているのが、MCを担当するNagie Laneのmikako。そして今回、そんな「TOKYO MUSIC RADAR」にやってきたのは、シンガーソングライターであり、生粋のギタリストでもあるReiだった。
これまで一切リリースするつもりはなかったというベストアルバムを誕生させたのは何故なのか、ギタリストとして、シンガーとして、ソングライターとして、彼女はどのような自意識を持っているのか…貴重な発言がポンポン飛び出した、ふたりの会話をもれなくお届けしよう。

──(mikako)はじめまして。なんとお呼びすればいいんでしょう。Reiさん?Reiちゃん?
Rei:Reiちゃんで。
──(mikako)では私のことも、mikakoちゃんって呼んでください(笑)。ちょっと照れます。幼少期をニューヨークなど海外で過ごし10歳でバンド活動を始めたReiちゃんですが、ギタリストとしても国内外で高い評価を得ながらも、歌声にはギターのような泣きや憂いもありつつ、少女のような可憐さもありますよね。自由で変幻自在な感じもあって、個人的にもReiちゃんにはとても魅力を感じていました。
Rei:ありがとうございます。ギターのことを言われることは結構多くて、もちろん私の音楽で何か魅力を感じていただけるのであれば間口は何でもいいんですけど、私、SSWとしてこれまで10年の間に11アルバムもリリースしてきたんです。
──(mikako)すごい、1年1枚以上っていうことですね。
Rei:曲も書いてるし歌詞も書いてるし歌も歌ってるしっていう。多角的に私を見ていただけたら嬉しいなって思うんです。
──(mikako)デビュー10周年を迎えたということで、率直にいかがですか?
Rei:私、時間を感じるのがすごく遅いタイプで、1日を1週間ぐらいに感じたりするので、だから10年って言ったらすごく長く感じるんですけど、その時々で目の前にあることに一生懸命に向き合ってきたっていう自信だけはあります。上手にできなかった時とか結果に結びつかなかったこともたくさんありましたけど、そういう紆余曲折があるほど音楽表現は深くなるとも思っているので、これからの自分の音楽の濃度を上げていくための10年になっていたらいいなって思います。
──(mikako)10年前に描いていた自分と今の自分に、違いやギャップはあります?
Rei:例えば武道館に立つとか東京ドームとか当時は思っていたんですけど、でもフェンダーとエンドースするとかナイル・ロジャーズと一緒に共演したりとか、想像の範疇を超えることもあって、ある意味自分の夢を叶えてような事象でもあるので、悔しい気持ちも感謝する気持ちもありますね。今いる場所に納得はしています。mikakoちゃんは、デビューした時に叶えたいと思って、叶ったことってありますか?
──(mikako)Nagie Laneに加入する前から、歌手になりたいと同時にラジオ番組を持ちたいってずっと思っていたんです。だから、この「TOKYO MUSIC RADAR」のDJとしてここにいられるのがすごく嬉しいことなんです。
Rei:シンガーにもなってラジオパーソナリティーにもなれたってすごいね。夢を叶えてますね。私もすごいラジオ好きだから共感します。私、ラジオ専用のgoogleカレンダーがあって、10分前にピピって携帯が鳴るようにしているの。
──(mikako)結構ラジオを聞いてるんですか?
Rei:めちゃくちゃ聞いてます。ソロアーティストだと喋り相手がステージにいないんですよ(笑)。だからひとりでの日本語のおしゃべりを学びたくて、ラジオを聞き始めて。
──(mikako)声に言霊が乗って伝わってくる媒体だから私もずっと好き。そんなReiちゃんですが、10周年を経て、音楽へのアプローチの仕方とかも変わったりしましたか?
Rei:その前までは、割と心の質量が決まってて、そこからケーキをスライスして切り取っていくような感覚で曲を作っていたんです。だから、曲を作るたびにそのケーキが削れていくというか小さく欠けていくっていう感覚があって、1作品作るとなんかスポンジのカスみたいな感じになって、それでまたケーキを作り直すみたいになって疲弊していたんですよね。でも最近は…なんていうのかな、自然と再生する植物みたいな、実をもぎ取っても、またそこから芽が出てお花が咲いて実が鳴るような感じになったかなと思ってます。健やかに持続可能な形で曲を作れているかなっていう感覚はあります。
──(mikako)6月18日にリリースとなったベストアルバム『FRUIT』もだいぶボリューミーですよね。どんな内容になりましたか?
Rei:通常版は20曲収録しています。新曲の「SODA!」は東京ガールズコレクションのランウェイのために作った曲なんですけど、『FRUIT』の新曲でもあったので、ゴスペルやR&Bっぽいアフロ・アメリカンのルーツとかアメリカのポップスを感じさせる要素を色々ミクスチャーした曲にしたんです。残りの曲は、シングルカットした曲を時系列に並べています。初回盤だと私がセレクトした20曲がもう1枚あったりライブ映像が入っているDVDが入っていたりして、もりもりです。
──(mikako)限定盤の2枚は、『CD1 – Sunny Side – 』『CD2 – Reiny Side – 』と名付けられていますけど、この名前は?
Rei:Sunny Sideがシングルカットを時系列順に並べた20曲で、自他ともに認めるベストみたいな意味。Reiny Sideは、Reiという名前にちなんで、2025年に自己紹介する上で欠かせない要素を含んだ20曲っていう感じになってます。
──(mikako)A面B面的なところもありつつ?
Rei:私、作品を作るときは全部リード曲だって思って作っているので、タイミングだったりキュレートする形が違うと皆さんに違った風に届くのかなと思って、もう1枚用意した作品集ですね。
──(mikako)アートワークもReiちゃんが担当されたんですよね?
Rei:そうなんです。今回はアートディレクションもやらせていただいて、歌詞カードも歌詞にちなんだ写真を撮り下ろして。ジャケットもフルーツのモチーフをたくさん含んだアートワークになってます。
──(mikako)音楽のみならず、アートに対するアンテナも立っていますよね。
Rei:美術はすごく好きで、絵を見に行ったり描いたりも小さい頃から好きでした。音楽って耳で聞くだけじゃないと思ってて、自分が尊敬するミュージシャン…ビョークとかUA、セイント・ヴィンセントとかも好きなんですけど、ファッションもアートワークも音楽も発言とか行いも全てが総合的に音楽を紡いでいる要素になっているアーティストがすごく好きで、自分も五感を使って身体全体から音楽を表現しているような人になりたいなと思って。
──(mikako)SNSでの言葉の紡ぎ方や動画からも、その魅力は感じます。アルバムのタイトルは、何故『FRUIT』にしたんですか?
Rei:これまで自分が育てて実らせてきた音楽の青果…その成果をひとつのフルーツバスケットとして集約したっていう意味で『FRUIT』っていう名前にしました。
──(mikako)いいですね、フルーティでジューシーな感じがして。
Rei:やっぱりカスカスの果実だと搾れないので、いつもフレッシュで瑞々しい新鮮な喜びを感じたいし、身が詰まってる方がいいじゃないですか。なんか香りもしてきて、視覚的にもカラフルでいいなと思って。
──(mikako)フレッシュでジューシーな感じがReiちゃんっぽい。
Rei:『FRUIT』を聴いていただくと、本当にいろんな曲調…シティポップっぽいものもあるしジャジーなものとかクラシックっぽいもの、もちろんブルーズもポップスもあるんですけど、自分はやっぱり好奇心旺盛でカラフルな人間なんだなと思って。お洋服も色が入っているものが好きだし。
──(mikako)ここ10年の楽曲を自分でリマスターして振り返ってみた時、どういう印象を持ちました?
Rei:私、「ベストアルバムは出したくない」ってずっと思ってたんです。割と最近まで、1度も出したくないって思ってた。なぜって、アルバムごとにひとつの世界観があるので、各アルバムひとつひとつの世界観の中で楽曲を聴いてほしくて、そこを越境したくなかったんです。だってミッキーマウスがドラえもんの世界に入ったらおかしいじゃないですか。なので、今回はいろんな世界観のそのキャラクターたちをひとつに集約させるっていうことの意味と統一感を持たせるために、リマスターをしたんですね。
──(mikako)10年の隔たりがあると、いろんな違いも出てくるでしょうね。
Rei:そうですね。なので、mikakoちゃんの質問にお答えすると、割とバリエーションに富んだというかすごく彩り豊かだなって思いましたし、飽き性なんだなって自分で思います。
──(mikako)飽き性(笑)?
Rei:例えば『UNO』の時は、チューン・ヤーズとかヤー・ヤー・ヤーズ、トム・トム・クラブとか、ああいうローファイでちょっと不思議なオルタナティブ・ポップロックみたいなものにはまってて、リリー・アレンとかそういうムードを反映させたんですね。作品によってハマっている音楽が違うので、それがすごい色濃く出ている。なので、結果的にかいつまんでいくとめっちゃカラフルになる。
──(mikako)いい意味でジャンルに富んだというか、縛られてない感じがあってすごくいいです。
Rei:マーケティングのことを考えると、繰り返し同じことをやっていく方が、戦略的には勝算が上がるっていう視点もあると思うんです。けど、その掴みどころのない感じっていうのがすごく自分としては好きだなっていう。私は細野晴臣さんがすごく好きなんですけど、彼もほんとにいろんな音楽を作っていて、でも彼の声とか演奏には揺るぎないものがある。針と糸みたいにいろんな音楽性を縫いつないでいく感じがあるなと思って、自分も歌とギターは変わらずに揺るぎないものとして、ジャンル感で言えば幅がある方がリスナーとしては聴き応えがあるかなって思います。
──(mikako)アーティストを迎えた作品に、「ぎゅ with 細野晴臣」「Smile! with 藤原さくら」「Don’t Mind Baby with 長岡亮介」といった作品がありますけど、どれも作詞作曲がReiちゃんなんですよね。「ぎゅ」なんて細野晴臣さんのエッセンスがちゃんと入っているのに、作詞作曲はReiちゃん。ゲストとしてお迎えした人の色を作詞作曲で出せているところにびっくりしたんですよ。
Rei:ゲストの方のことは意識しています。コラボレーションって、うまくいかないと両者のアーティスト性の良さを打ち消し合って相殺しちゃう可能性、危険性を大いに孕んでると思うんです。それはあってはならないことだし、自分は多岐にわたるジャンルの音楽をやっているので、向こうのアーティストに確固たるスタイルがあったら、私が寄り添う方がいいのかなっていう発想に至ることが多い。細野晴臣さんはすごく長いキャリアがあるので、いつの時期の細野晴臣さんのスタイルを継承しようかな、ということは考えて作ったりはしてましたね。
──(mikako)実際に、細野晴臣さんや藤原さくらとは打ち合わせをしたんですか?
Rei:曲を作って、さくらちゃんのときは5~6曲ぐらい曲を出して、その中からビビッとくるものを選んでもらって、そこから精査していくっていう感じ。細野晴臣さんの時は、カバーの曲も何曲かあったんですけど「ちなみに書き下ろしたんですけど、どうですか」「いいよ」って言ってくださいまして。
──(mikako)「ぎゅ with 細野晴臣」、すごくいい曲ですよね。声の音色も他の曲じゃあまり聞けないものが集まっていて。一方でReaiちゃんはギタリストとしても国内外から高い評価を得ているわけですが、4歳からクラシックギターを弾き始めたということですね。何故クラシックギターだったんですか?
Rei:当時ニューヨークに住んでいたんですけど、テレビでギターを弾く女性を見て私もやりたい、と。クラシックギターの教室がお家の近くにあって、その先生はスティングとかに教えていたような人なんですけど、その先生に習うようになりました。その時はアメリカに渡って間もない頃で、日本語も英語も中途半端というかほぼ喋れなかった幼稚園児なので、第一言語がギターになったっていう感覚です。
──(mikako)すごい、バイリンガルじゃなくてトリリンガルだ。それでギターにのめり込んでいくんですね。
Rei:クラシック、エレクトリック、アコースティックの3種類のギターをいろんな場面で弾き分けてきました。で、ギターを弾かない方によく説明をするんですけど、この3つって全然違う楽器なんですよ。
──(mikako)本当に違いますね。左手の感覚も違うし、指板の大きさもそうだし、弦の種類も素材も違うわけだし。
Rei:そうですよね。なんちゃってであれば、アコギを弾いてる人がエレクトリックを弾くこともできるんですけど、極めている人のその楽器へのマナーだったりというのは付け焼刃ではできないので、3種類のギターを演奏する上での流儀とか作法は気にして演奏してます。
──(mikako)それは始めた頃から割と意識していたりしたんですか?
Rei:そうですね。それに伴ったトレーニングがあるので。クラシックも含めたアコースティック…ボディが空洞なギターっていうのは、響かせることや音を伸ばしたりすることに重点が置かれますけど、エレキっていうのはミュートの楽器なんですね。いかに汚い音を消しながら必要な音だけを精査して鳴らしていくかっていうのが、右手も左手どちらにもテクニックがいる。そういう大きな違いがありますね。
──(mikako)ギターと一言では言えない違いがありますね。
Rei:専門的なことを言うとそういう違いやそれぞれに流儀があるんですけど、でも自分がギターアンバサダーとして「弾いてみたいな」って思ってもらえるような存在になりたいなっていうのは、今でもあります。
──(mikako)2023年6月にはフェンダーとアーティストパートナーシップを組まれましたよね。
Rei:いやもう感動的ですね。やっぱり楽器メーカーのエンドースをしたいってひとつの夢ですし、それがフェンダーっていうギターやベースのメーカーとしては世界をリードするパイオニアなので、フェンダーと契約できるなんて思ってもみなかったから。
──(mikako)Reiちゃんモデル「Rei Stratocaster R246」もかわいい水色でリリースされて。
Rei:そうです。ファーストアルバムが『BLU』っていう作品で、そのジャケットと同じRei BLUという色にしました。自分が誰かにインスパイアされて楽器を始めたように、誰かのきっかけの1本になればいいなって願ってます。
──(mikako)ストラトキャスター70周年のキャンペーンでは、日本代表のアンバサダーとして、ナイル・ロジャースやトム・モレロなど世界的ギタリストともコラボレーションを果たしましたよね。
Rei:LAに行って、ウッドストックのコンサートをリファレンスに、オマージュするかたちで演奏したんですけど、私はナイル・ロジャース、タッシュ・スルタナ、ジミー・ヴォーンとかと同じ日でした。
──(mikako)『FRUIT』のジャケット写真に写っているストラトに、ナイル・ロジャースのサインが入っていますが、もしかして、その日ですか?
Rei:はい、その日です。その日にサインしてもらいました。シックはもう伝説的なディスコ・ファンク・バンドですけど、ナイル・ロジャース自身もダフト・パンク「ゲット・ラッキー」みたいにめっちゃ有名な曲がありますけど、最近だと、K-POPガールズグループのル・セラフィムの「UNFORGIVEN」でフィーチャリングされていますね。もちろんシックとかシスター・スレッジのプロデュースとかでも有名なんですけど、やっぱりギタリストとしてすごくフットワーク軽くいろんな作品に参加してるので、そういう意味でもめちゃ尊敬していて、超嬉しかったですね。「SODA!」という曲ではシックのベーシスト(バーナード・エドワーズ)に弾いてもらいました。
──(mikako)すごいですよね。いかがでした?
Rei:リモートでレコーディングしたんですけど、やっぱり音色が…。あとはグルーブ。指が速く動くとかそういう小手先じゃないの。本格派のムードが漂っててほんとにお願いしてよかった。
──(mikako)LAで錚々たるギタリストと共演されて、得るものは何かありました?
Rei:ストラトキャスターのキャンペーンなので言うのもはばかられるんですけど、やっぱ上手い人っていうのは攻法筆を選ばずというか、足元にエフェクターをガーって並べているわけでもなく、アンプに直接繋いでいい音が鳴る。あとはもう、近くで見るからこそのアーティキュレーション…右手の使い方とか、弦に対してのピックの角度とかを見ることができたのはすごい財産でしたね。
──(mikako)ギター・プレイという点では、デビューの頃と比べて変わった部分は自身で感じますか?
Rei:時々によって培おうとしていたテクニックが違っていて、トレモロピッキングだったり、奏法に重点を置いて鍛えていた時期もありますし、そういうものが少しずつ自分のものになっていったところもあります。でも1番はやっぱ引きの美っていうか、引くときは引く、引かないところは引かないっていうメリハリが、デビューした頃は今よりはできてなかったかな。
──(mikako)そこって難しいところというか、最初は不安で埋めに行っちゃうというか、間を恐れるところがありますよね。
Rei:そうなんですよ、ケンシロウみたいに「あたたたた」ってやっちゃう(笑)。ですけど、しとやかで大人しそうな人が、いきなり1発ビンタするのが凄く効くとかあるじゃないですか(笑)。
──(mikako)ほんとにそう。Reiちゃんの中で「Rei印」とでもいうのか、ここは外せないという事柄ってありますか?
Rei:やっぱり根底にあるブルーズは大切にしています。いろんな曲調をやってきて「これはね、ブルーズじゃないじゃん」ってたくさん言われてきたんですよ。私もそのオピニオン(意見)に賛同するところはあって、耳心地的には全くブルーズじゃないものいっぱい出してきたんですけど、自分は精神的にはいつもブルーズだと思っているんです。ブルーズという音楽の時代背景には、黒人差別がまだ顕著だった時代に、働いている人たちのワークソングだったわけで、「だるい」とか「ムカつく」「不安」「悲しい」というネガティブなエモーションの総称として、ブルーズをその1日の終わりにギターで弾き語って音楽に消化するっていう。私も耳心地的にはそうじゃなくても、そういうネガティブなエモーションを音楽に消化して、聴いている人にも私の音楽を聴くことによって昇華してもらうっていうのはすごい心がけているんですね。そういう精神性から生まれる音楽の粘り強さだったり美しさというのは、これまでもこれからも自分の「らしさ」として大事にしていきたいかなと思います。
──(mikako)自分を見つめ直したり振り返りたい時に聴きたい楽曲が多いなって思っていたんです。自分ひとりの力じゃどうしようもできない時に、私は音楽に助けられてきたんだけど、Reiちゃんの曲にはそういう力があるなって思っていたので、Reiちゃん本人からそういうマインドであることを聞いて納得しました。
Rei:人の発言だったり行いを見て、鏡のように自分を見つめることってあるじゃないですか。対象を見て自分を顧みる、みたいな。確かにそういう部分は意識してるかもしれないですね。
──(mikako)ミュージシャンとしての今後の野望や目標などはありますか?
Rei:グラミー賞(笑)。やっぱりブルーズ部門で獲りたいので、本当に耳心地も含めたブルーズ・アルバムみたいな1枚を作りたいなって思いますし、あとは城を立てたいとか(笑)。
──城はどこに(笑)?
Rei:イギリスか、フランスの港町とか。
──(mikako)フランスはニースがおすすめですよ。すごく綺麗なところですから。そっか、フランスにも住んでいたことがあるんですもんね。
Rei:ええ、少しの間ですけど。
──(mikako)今後、海外での活動っていうのも視野に入れていたりしますか?
Rei:そうですね、今は「世界進出だ」って気張らなくても、ドメスティックな活動の地続きでインターナショナルの活動につながるじゃないですか。私もこだわらずに、というか、もちろん「灯台もと明るし」で日本の方に応援してもらいたいし、そこから海外のリスナーにもコミュニティを大きくしていけたらいいなと思っています。
──(mikako)シンガーソングライターとしてのReiとギタリストとしてのReiって、線引きってあったりするんですか?
Rei:それは特にないです。全部同居してる感じ。私はテキサス・ブルーズっていうサブジャンルに影響受けていて、そこに属する人の代表で言うと、ジョニー・ウィンターとかスティーヴィー・レイ・ヴォーンですけど、テキサス・ブルーズの人って歌とギターがシームレスで平等な存在感があるんですよ。私もある意味、歌もギターも同じ存在感というか、歌の延長にギターがあってギターの延長に歌があるみたいなのが理想なんです。
──(mikako)Reiちゃんの声ってギターのような歌声で泣いている楽曲もあれば、割とその言葉を大事に載せている楽曲もあるので、どう意識しているのかなと思ったんですけど、ギターと歌はシームレスなんですね。
Rei:同じお家に住んでたら似てくる、みたいな感じだと思います。私がギターに寄ってきてるのかな。似てきたのかな(笑)。
──(mikako)今後の音楽も楽しみです。
Rei:ひとりぼっちの人に寄り添えるような、その人が安心したりとか、明日を楽しみにできるような音楽を作っていきたいなって思います。すごく小さい頃から良くも悪くも特別扱いされて、自分の理解者がいないっていう孤独感を感じてきたんですけど、きっとそういう方は世界の中にたくさんいて、本当の意味ではそういう人の気持ちはわかってあげられないけど、世界からの分離だったり疎外感に関してはすごく思い入れがあるので、そこに対してできることはやっていきたいなって思いますね。
──(mikako)そういう気持ちが、Reiとしての原動力にもなっているんですね。
Rei:間違いなくそうです。スーパースターになりたいっていうのもあるけど、それより、みんなっていうか、あなたっていうか、ひとりの人を救いたいっていう気持ちの方が強いですね。
──(mikako)ツアーも楽しみにしています。
Rei:ありがとうございます。今回のベストアルバムを引っさげたツアーが実は2本あって、<マホガニーガールツアー>っていうギター1本での弾き語りツアーが全国6か所であります。で、その後に、今回のベストアルバムを引っさげてのオールタイムベスト的なツアーをバンドで回ります。こちらは全国7か所回りますので、直接会ってみたいなって思ってくださった方はツアーに遊びに来てください。よろしくお願いします。

インタビュー◎mikako(Nagie Lane)
文・編集◎烏丸哲也(BARKS)
配信シングル「SODA!」
10th Anniversary Best Album 『FRUIT』
2025年6月18日(水)発売
Limited Edition: UCCJ-9253 ¥16,500(税込)
Disc1 (All Time Best)
1.SODA!
2.BLACK BANANA
3.JUMP
4.COCOA
5.Route246
6.Tumblin’
7.New Days
8.My Name is Rei
9.Silver Shoes
10.LAZY LOSER
11.Connection
12.Lonely Dance Club with SOIL & “PIMP” SESSIONS
13.What Do You Want?
14.Categorizing Me
15.ぎゅ with 細野晴臣
16.Don’t Mind Baby with 長岡亮介
17.Smile! with 藤原さくら
18.Love is Beautiful with Ginger Root
19.Heaven (Single/DSP version)
20.GUITARHOLIC
Disc2 (Rei select Best)
1.QUILT with Ryohu and Friends
2.Hey Blue with Cory Wong
3.my mama
4.Love Sick
5.ORIGINALS
6.ERROR 404
7.CRAZY! CRAZY! with 東京ゲゲゲイ
8.Pay Day
9.Long Way to Go
10.Soleil
11.月とレター with 山崎まさよし
12.Wings
13.We
14.CACTUS with 渡辺香津美
15.before sunrise
16.Call My Name
17.Arabic Yamato
18.CHOTTO CHOTTO with CHAI
19.The Reflection – Intl. Version
20.eutopia
Limited Edition DVD
1.Rei 10th Anniversary Live 2025 “BLU CROSSROAD”
2.Music Video Collection

Standard Edition: UCCJ-2245 ¥3,300(税込)
1.SODA!
2.BLACK BANANA
3.JUMP
4.COCOA
5.Route246
6.Tumblin’
7.New Days
8.My Name is Rei
9.Silver Shoes
10.LAZY LOSER
11.Connection
12.Lonely Dance Club with SOIL & “PIMP” SESSIONS
13.What Do You Want?
14.Categorizing Me
15.ぎゅ with 細野晴臣
16.Don’t Mind Baby with 長岡亮介
17.Smile! with 藤原さくら
18.Love is Beautiful with Ginger Root
19.Heaven (Single/DSP version)
20.GUITARHOLIC

[特典情報]
■Amazon.co.jp
[Limited Edition]:バンダナ
[Standard Edition]:メガジャケ
■セブンネットショッピング
[Limited Edition]:トート型エコバッグ
[Standard Edition]:アクリルキーホルダー
■タワーレコード、TOWERmini全店ならびにタワーレコードオンライン
生配信イベント視聴用シリアルコード(限定盤は+特典(内容未定))
タワーレコードオンラインと渋谷店のみは、イベント抽選応募券(限定盤は+特典(内容未定))
※イベント(トーク&ライヴ)の詳細は追って発表いたします。
※生配信オンラインイベントのアーカイブ視聴期間 2025年7月31日(木)23:59まで
■UNIVERSAL MUSIC STORE
[Limited Edition]:先着特典直筆サイン入りポスター
[Limited Edition]:Rei’s Clear Folder(共通特典)+抽選で発売記念イベントにご招待 ※実施日6/18(水)都内某所開催予定。詳細は後日発表。
[Standard Edition]:ポスター
■その他オンライン・ストア並び全国各地CDショップ応援店
Rei’s Clear Folder
※特典は先着です。無くなり次第終了となります。
※品切れになるとご予約・ご購入できません。お早目にご予約ください。
<Reiny ライブ>
<Reiny Friday -Rei & Friends->
2025年7月11日(金)Vol.16 Friends: シークレット
2025年8月22日(金)Vol.17 Friends: 家入レオ
2025年9月12日(金)Vol.18 Friends: 仲井戸麗一
会場:東京キネマ倶楽部
<Rei 10th Anniversary Acoustic Tour 2025 “Mahogany Girl”>
2025年10月4日(土)東京・ヒューリックホール東京
2025年10月5日(日)愛知・TOKUZO
2025年10月9日(木)広島・Live Juke
2025年10月10日(金)福岡・Gate7
2025年10月13日(月)宮城・誰も知らない劇場
2025年10月25日(土)兵庫・653cafe
<Rei 10th Anniversary Band Tour 2025 “TUTTI FRUTTI”>
2025年11月7日(金)福岡・DRUM LOGOS
2025年11月8日(土)岡山・YEBISU YA PRO
2025年11月13日(木)愛知・DIAMOND HALL
2025年11月14日(金)大阪・GORILLA HALL OSAKA
2025年11月18日(火)北海道・cube garden
2025年11月20日(木)宮城・RENSA
2025年12月5日(金)東京・duo MUSIC EXCHANGE
チケット
Reiny Records先行 ※抽選
受付期間:2025年6月17日(火)18:00〜2025年6月29日(日)23:59
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