
カラー液晶は小さいが実に鮮やか。小さい文字もくっきりと読める
|
アイリバー・ジャパンの「H10[5GB;color]」(以下、H10)は5GBのハードディスクを内蔵するプレイヤーだ。カードの
ような薄型ボディながら、カラー液晶が搭載されているのが大きな特徴だ。ハードディスク搭載プレイヤーは、音楽だけ
でなく写真などのデータを見たりする多機能化が進んでいるが、カラー液晶などはこれまでどちらかといえば本体サイズ
の大きめな製品に搭載されてきた。H10のような軽量なモデルでの搭載は目新しい。
画面は鮮やかで、カラーのために操作メニューが分かりやすくなった。漢字交じりの文字もはっきりと読める。もちろん、
パソコンから転送した写真や、テキストを表示できる。予定表や買い物リストなどを入れておくのも便利そうだ。
本体サイズが小さいため、カラー液晶パネルはそれほど大きくないものの、同時に26万色が表示できる液晶パネルは実に
鮮やか。再生中の曲のアルバムジャケットを表示する機能が無いのは残念だが、H10はインターネット経由で機能アップが
図れる製品だ。今後のアップグレードに期待したい。

曲の早送りや巻き戻し、再生などは右サイドにボタンが配置されている
|
H10の操作は本体表面の中央にあるタッチパッドで行う。正面に丸みの帯びた帯が見えるが、これがタッチパッドだ。
指で軽く触れて上下に指をスライドさせるため「タッチスクロール」と呼ばれている。最初はカーソルが行き過ぎてしまっ
たりしたものの、すぐに慣れてしまった。かえって本体が小さいため、片手だけでスッと操作できるのが心地いい。タッチ
パッドの誤認識もなく、ストレスなく扱えた。再生中には、音質を変えるイコライザーもボタン1つで呼び出せるし、1つ前
の画面に戻るボタンもある。H10の操作は総じて分かりやすく感じた。
選曲は、アルバムやアーティストの一覧から行なえる。1つ気になったことは、アルバムを選んだ時、そのアルバムに含まれ
ている曲が曲名のアルファベット順に並べ替えられてしまうこと。収録曲順ではなく、アルファベット順になってしまうのだ
。正しい曲順でプレイリストを作れば解決できるので、H10でアルバムを聞くときはプレイリストを作っておこう。

H10は、ワールドワイドで販売される機器らしく、最新の機能が搭載されている。たとえば、最新のダウンロード販売形式に
対応している。具体的には、月額固定のライセンス方式(サブスクリプション型)のデータを再生できる。曲のライセンス
を毎月更新することで著作権を保護する新しい方式だ。日本では、まだこのサービスは始まっていないものの、今後のダウン
ロード販売サイトで採用される可能性もある。これからダウンロード販売サイトを利用したい人には心強い。もちろん、現在
主流のDRM付きWMAファイルの再生にも対応している。
また、付属ソフトの「irver plus」には、音楽データの波形を解析して、それがどんな曲かを自動判別し、曲名などの情報
を取得する「MusicID」機能も搭載されている。テープなどのアナログ録音でも、CDからデータ化したときと同じように、
自動的に曲名やアーティスト名が書き込まれるのは便利だ。カセットやレコードなどをデジタルデータにして楽しみたい、
という人にはうれしい機能だろう。

シリコンケースを装着したところ。比較的薄く、ボタンなどもそのまま使える。
滑りにくくなるのも◎ |
H10は、ボイスレコーダーやFMラジオなど、多機能さもウリの1つ。録音については、内蔵マイクでボイスレコーダーとして
使えるほか、オプションのクレードルを使えば、ライン入力からの録音もできる。MDやカセットレコーダーに直接接続して
録音できるので、パソコンが無くてもお気に入りの音楽をデジタルデータにできるのだ。
もちろん、音質の良さも忘れてはいけない。全体にクリアでパワフルな音で、とくに締まった低音がビシビシと豊かに出て
迫力は十分!
イコライザーも30種類ものプリセットが選べるし、自分で細かく音質を設定できる5バンドのイコライザーもある。さらに
自然な立体感と臨場感を生み出す「SRS WOW」というエフェクトもあるので
、音作りは自由自在。これががH10の最大のセールスポイントかもしれない。
また、パッケージ付属のシリコンケースはありがたい。本体のキズを防ぎ、ベルトクリップも使える。
小型軽量でカラー液晶も搭載。あれもこれも楽しみたいというユーザーにオススメの1台だ。








