【ライブレポート】時代を超えて世界線が交わる“hitomiとNikoん”

hitomiと、Nikoん。世代もスタイルも音楽性も異なる2組がタッグを組んだ、異色のツーマンツアー<hitomiとNikoん/LIVE TOUR 2026>のファイナル公演が、3月18日に東京・新代田 LIVE HOUSE FEVERで行われた。
このツアーは、4月1日から放送されるドラマ『鬼女の棲む家』の主題歌としてhitomiが歌う新曲「Tokey-Dokey」を、Nikoんが楽曲提供したことがきっかけとして開催された。ツアーに先んじて配信されたインスタライブでは、hitomiが「これだけ世代の違う2組の対バンはなかなかない。hitomi世代には刺激のある体験になるはず!」とコメント。そんな注目のライブは、世代も音楽スタイルも異なる2組が、音楽をキーワードに共鳴した夜となった。

いきなり前述の「Tokey-Dokey」を披露するという、意表を突いた始まりで会場を沸かせたNikoん。未発表曲のセルフカバーバージョンを、それも1曲目に繰り出すというトリッキーさが、Nikoんのマインドなのだろう。かわいらしい雰囲気のシンセイントロが会場に鳴り響き、そこから一転して会場を埋め尽くした爆音。けたたましく打ち鳴らされるドラムに乗せて、クール且つエキサイティングに歌い上げたベースのマナミオーガキ。ギター&ボーカルのオオスカは感情を抑えられないといった様子でスクリームし、まるで暴れ回るようにギターをプレイした。後のhitomiのターンでも披露されることになる「Tokey-Dokey」とこの曲が、同じ曲だと思った人はどれだけいただろうか。

ジャムセッションを交えながら絶え間なく曲を繰り出していくNikoんのライブは、まるで嵐の海の大波のように爆音がとめどなく押し寄せる。いとけない愛の行方を歌った「step by step」ではオオスカがボーカルを務め、楽曲が進むにつれて熱を帯びる演奏とともに「遅えよ遅えんだよ」と、その恋愛がすでに終焉に向かっていることを叫ぶ。オーガキのスキャットで始まった「さまpake」では、キラキラとした歌とは反対に、不穏なムードのギターリフで攻めまくる。そして「smile」は、軽快なギターカッティングとリズムが独特なポップさを生み出し、極限まで高まった高揚感をチルアウトさせた。
MCではhitomiを「hitomi姉さん」と呼び、ツアーを通して親交が深まったことを話した2人。「ツアーが3本しかなくて寂しい」とオーガキ。大阪ではhitomiチームとの打ち上げが開催され、オオスカは「“飲めよ”とか“帰るなよ”みたいな、謎の圧力を感じて面倒くさかった(笑)」とユーモアたっぷりにエピソードを明かして会場を笑わせた。


また、楽曲提供に際して改めてhitomiの曲を聴き込み、通じるもの感じたと話した。「音楽的な参考にもなったし、純粋にカッコイイと思った。だから曲を作るのも楽しかった」。また対バンツアーの経緯も、「楽曲提供だけでプロデューサー面するのが嫌だった」と説明。「そうして、こういう訳の分からないいツアーが実現した。そこに集まってくれた訳の分からない人たち、最高です!」。hitomiへのリスペクトを自分流に表現したオオスカに、hitomiファンからも歓声と共に大きな拍手が送られた。

オオスカのMCで一体感を高めた会場。Nikoんの後半戦は、さらに轟音が加速する。ノイジーなギターがかき鳴らされ、そこに跳ねたビートと繰り返しのメロディが重なる「とう〜ばっど」。ギターポップと轟音ロックが融合した「(^。^)// ハイ」は、ララララーと歌うメロディとキラキラしたギターが印象的で、オーガキの歌に合わせて手を揺らす観客の姿もあった。そしてミディアムの「public melodies」で一旦落として、ラストはNikoんのライブの最後の曲として定番の「グバマイ!!」。サビの歌詞の一節「Good bye my lovely the silent」を叫んで始まり、楽曲が進むにつれて次第にパワフルさを増すオーガキのボーカル。演奏もどんどん熱を増し、そのなかで発せられるオオスカの叫び声。最後は轟音と歓声が一体となって楽曲が終了し、2人は「ありがとうございます!」と笑顔でステージを後にした。

続くhitomiのターンは、「SAMURAI DRIVE」でスタート。楽曲のトレードマークとも呼べるギターのカッティングが軽快に弾き鳴らされると、それに合わせてクラップが会場に広がる。そこへ「こんばんわー!」と手を振りながら元気よく登場したhitomi。サビ前の歌詞「愛を込めて」を客席に向けて歌うと、会場にはサビを一緒に歌う声や「ハイ!ハイ!」という掛け声が響いた。そんな会場にhitomiはサムズアップ。間髪入れず「CANDY GIRL」が始まると、グルービーなビートに合わせて手を挙げて体を揺らした観客。サビは「一緒に!Come on!」の合図で会場が大合唱となった。
「ようこそhitomiとNikoんの対バンライブへ。最終日なので、思い残すことなく思い切りやっていくので、みんなもついて来てよ!」とコメントし、続いてのナンバー「キミにKISS」では、会場を切なくも前向きさあふれるムードへと誘い出す。10年を経て力強さと哀愁を増したボーカルは、実にエモーショナルで聴き応えたっぷりだ。また小室哲哉が作曲した「by myself」は、ピアノやアコースティックギターをメインにしたサウンドをバックにしっとりと歌唱した序盤。ドラムが入ってグルーブが増してからは、体全体で感情を表現するように歌う。そんな彼女から目が離せないといった様子で、観客は一心にステージを見つめた。

MCではNikoんオオスカのMCを引き合いに、「圧力とかイメージ悪い。その店に獺祭(酒の銘柄)があったんだから、それはもう飲むしかないじゃん(笑)!」と笑いでやり返したhitomi。続けて「異文化交流的なところがあって。だいぶ世代の違いがあるけど、音楽に年齢って関係ないんだなって、すごく感じました」とコメント。し、Nikoんのアルバムを聴いて「最近のヘビロテになってます。Nikoんのファンです!」とも名言してNikoんファンを喜ばせた。
1月にリリースした新曲「Stand by …」を披露する際には、同曲がドラマ『この愛は間違いですか~不倫の贖罪』のオープニングテーマになっていることに触れ、「不倫もので確かにドラマはドロドロしているけど、私の曲でちょっと爽やかさも足されて、いいバランスじゃないか思います」と紹介。きらめき感のあるギターや疾走感あふれるサビが印象的な同曲。hitomiはリズムに乗って体を揺らしながら、内に熱いものを秘めたような、エモーショナルなボーカルで観客を魅了。その勢いに乗って続けざまに披露したのは「LOVE 2000」。「いっしょにいくよ! Come on!」の掛け声で、観客は飲み物を掲げて歓声を上げながらサビを歌う。会場に広がった大合唱の声と満面の笑顔に、hitomiは「最高!」と歓喜の声を上げた。

最後にNikoんが提供した「Tokey-Dokey」を披露して、Nikoんの1曲目の伏線を回収。ポップなシンセイントロにクラップが広がり、エキセントリックにボーカルを聴かせたhitomi。ちょっとカオスで、ちょっとサブカルな、どこかネットミュージックぼくもあり、中毒性もたっぷりの同曲。Nikoんの感性とhitomiの華やかさが化学反応を起こした、彼女にとっての新機軸となり得る楽曲という印象。そんなhitomiのチャレンジに会場からは大歓声と拍手が送られた。そしてアンコールに再び登場すると、「本当に最高の夜です!ありがとう!」と歓声に応え、最後に名曲「MARIA」を披露した。

思えばhitomiの楽曲には共通して印象的にエレキギターが使われ、特に初期はロックバンドテイストの楽曲も多く、一見離れているようでいて実はとても距離が近い。また、Nikoんの音楽には、hitomiがデビューした90年代中盤から「LOVE 2000」くらいまでの、オルタナティブ、グランジ、ガレージの要素が感じられた。時代を超えて異なる世界線が交わった一夜。両者にとって新しい風を吹かせたのはもちろん、気づきも多いライブだった。
取材・文◎榑林史章
【hitomi 情報】
5月にリリース予定の新曲「Tokey-Dokey」が中京テレビ・日本テレビ系全国ネットドラマ『鬼女の棲む家』主題歌に、6月にリリース予定の新曲「Choice!」がフジテレビ系情報番組『Mr.サンデー』のエンディングテーマソングにそれぞれ決定
【Nikoん 情報】
全国津々浦々の47バンドを東京に招くイベント
<Nikoん × maximum10 × ARAYAJAPAN pre「リキッドルームで47~ぐんゆうかっぽ~」>開催決定
2026年8月3日(月) / 4日(火)
at 東京/恵比寿 LIQUIDROOM(建物内に3ステージ予定)
チケット:https://eplus.jp/nikon/
イープラスにて、4月4日(土)12:00(正午)より最速先行予約スタート
・1日券:470円
・当日お渡しTシャツ付1日券:4700円
・2日通し券:900円
・当日お渡しTシャツ付2日通し券:5470円
※「当日お渡しTシャツ付2日通し券」に関しては、特別価格5,000円の手売りチケット有り






