【ライヴレポート】wyse、結成記念日公演<27の奇跡>にバンドの純心と未来「真っ直ぐな歌を音を届けたい」

結成27周年を迎えたwyseが結成記念日の2月14日、東京・新宿ReNYにて<結成記念日公演『27の奇跡』>を開催した。空っぽになるまで走りきった25周年イヤーを経て、2025年に原点に立ち返るべくインディーズ時代の楽曲再生ツアー<1999-2001>を開催し、4人が新たな可能性に向かっていくエネルギーを注入したことは、先ごろ公開となったBARKSインタビューで語られた通り。5月からアルバム『Calm』(2002年発表)を軸にした全国ツアーを開催することが報告された本ライヴは、新旧織り混ぜてのセットリストとなった。
1999年にwyseが誕生したことを祝う日に浮き彫りになったのは「音楽に真っ直ぐに向き合ってきた」とTAKUMAが形容した鮮度を保ち続けるバンドの在り方だった。2005年に解散し、その6年後に再結成、2017年にはアルバム『Breathe』で16年ぶりのメジャーデビューを果たし、充電期間など紆余曲折を経て今に至るのも、wyseがwyseらしくいられない時、つまり濁りや曇りが感じられた時には音を出すことを止めていたからだろう。だからこそ、wyseの歌、奏でる音には常に光が宿り、生々しさと躍動感に満ちている。
歓声の中、メンバーが登場。月森 (Vo)は白のレザー、TAKUMA (2nd Vo, B)、HIRO (G)、MORI (G)は黒の衣装。幕開けは結成20周年プロジェクトのタイミングでリリースされた手塚プロダクションとのコラボシングル「ヒカリ」だ。のっけから4人が前に出る華やかなアクト。続いて充電を経ての第一弾楽曲であり、wyseらしさが溢れ出すメロディックで疾走感たっぷりの「RAYS」(2019年発表)と明度の高いナンバーが放たれる。

月森とTAKUMAのボーカルが心地良く絡み合い、HIROがハードかつメロディックなソロを奏で、3曲目に投下されたのは『Breathe』収録のMORI作曲によるロックンロール「Rollin’ Rollin’」だ。パワフルで柔軟なプレイでwyseを支えるshuji (ex. Janne Da Arc)のドラミングで始まりTAKUMAが煽り、拳が突き上げられる中、アグレッシヴなアクトに大歓声。その熱を帯びたまま2019年発表のシングル「蘇生」へと突入。月森とTAKUMAが同時にシャウトして歌う場面もライヴならではのエモさだ。
「27周年目、2月14日。この記念すべき日に集まっていただいて、どうもありがとうございます。今日はwyseのベストみたいなライヴができたらいいなと思っています」──月森
大事な曲を届けたいと前置きし、アルバム『Calm』収録曲でもある記念すべきデビューシングル「Perfume」がシンプルなゆえに染みてくるアプローチで鳴らされ、2ndデモテープに収録されていた曲「float」が久しぶりに届けられた。月森の甘い声質を活かしたナンバーにTAKUMAのベースラインが絶妙に絡み、HIROとMORIのギターアンサンブルも丁寧でセンシティヴ。曲の持つ切なさや瑞々しさを描いていくwyseにフロアは静まりかえり、やがて大きな拍手が送られた。

月森が、幕張メッセで開催されたイベント<CrossRoad fest>の転換時にこの曲を流していたら、同期のPsycho le Cémuのseekから「いい曲だね」と言われて嬉しかったというエピソードを話し、リリース当時を振り返った。
「何のために音楽をやっているかというと、極論、自分が本当にいいなと思った曲を発表することなんじゃないかという気がするんですよ。どこまでいっても、それが根幹にあった気がするし、そのためにwyseをやっていた気がする。だから、この曲ができた時にTAKUMAに“俺は死んでもいいよ。それぐらいの曲ができた。本当にありがとう”って言ったんですけど、“死ぬな。だったらそれを伝えて廻ろう”って。なので今日、みんなに伝えにきました」──月森
そんな言葉の後に披露されたのはピアノとストリングスの音をバックに月森が透明度の高い歌を響かせ、途中からバンドインする「月を想うトキ」。憂いに満ちたドラマティックなバラードではHIROが切なさを加速させるギターソロで魅了し、2002年当時、タイアップシングルとしてリリースされた「bring you my heat」へ。月森とTAKUMAは包み込むような温かさを歌に宿し、MORIが光を紡ぐようなギターソロを奏でた。

力強い拍手と声援。TAKUMAは20年前と同じ気持ちで曲を作ることはできないけれど、その都度、wyseの音楽に真っ直ぐに向き合ってきたと振り返る。
「その当時には戻れないけれど、全然違うシチュエーションかもしれないけれど、自分たちを含めて誰かを支えようとか、エネルギーに変えてあげたいと思えるのが音楽の素敵なところだし、いつの時代の景色にもみんながいてくれたからこそ曲たちを残せた。宝物だと思います。今日は会いにきてくれてありがとう! 後悔しないライヴをしないと意味ないじゃん!」──TAKUMA
熱いTAKUMAの言葉の全ては伝えきれないが、wyseが歩んできた道のりに大切なものを再確認した2025年が大きかったからこそ、宝物たちからのベストセレクションライヴは選曲する段階から、メンバー同士、様々な意見が飛び交ったというエピソードも語られた。そして、中盤にじっくり聴かせる曲を挟んで、いよいよライヴは後半戦に。
サッカーチームのアビスパ福岡の公式テーマソングとして書き下ろされた「紺色の森」(2018年発表)から、サビで4人が前に出て煽ったエレクトロなダンスビートの「Over Drive」、真夏の恋を刺激的なロックに落とし込んだ「BLUE DAYS」、場内からコールが上がる中、TAKUMAとMORIが上手で絡み、HIROもマイクを通して煽った初期からの定番曲「Miss t×××」と時代をスコーンと飛び越える熱量と煌めきを持ってアッパーな曲が次々に投下。歓声とメンバーを呼ぶ声も比例するように大きくなっていく。

「もっとライヴしようよ。熱くいこう! いいか!?」──TAKUMAが煽り、ポジティヴなエネルギーが渦巻く「BLAST」では、ソロを弾くMORIに月森が笑顔を向け、突き抜けたボーカルとパフォーマンスで魅了すれば、TAKUMAもドラム台に足をかけ、エンディングでベースを弾き倒し、ハンドクラップの中、グルーヴ感たっぷりの「SHA☆LA LA」へなだれ込む。ファンはもちろん何よりwyseがライヴを楽しんでいることが伝わるから、時間が瞬く間に過ぎ去っていく。手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』からインスパイアされた楽曲「Voice」、多幸感溢れる空間が広がった「Glorious Story」では“どんな未来でも きっと大丈夫“というメッセージが今年も多くのファンにエールを送った。そして、いかにライヴが好きかを確認し合う月森とTAKUMAが清々しい笑顔を見せ、今の想いを伝えた。
「毎回、リハーサルに入って合わせるだけでグッとくるのよ。“何年やってるねん?”っていう話だけど、それぐらい音楽が好きなんよ。(中略) だけど、自分たちだけじゃ足りない。なぜかというと今日みたいなライヴを知ってるからです。日常はいろいろあるけれど、音の中では自由。すごくいいライヴをさせてくれてありがとう! こんな表現、好きじゃないヤツもいるかもしれないけど、ライヴをさせてくれてありがとう!」──TAKUMA
本編ラストは昨年のツアー<1999-2001>に向けて、インディーズ時代から存在していたデモをモチーフに今wyseが形にした疾走感たっぷりの熱いナンバー「Reflect」。この曲も今のwyseと過去のwyseがクロスしたからこそ生まれた新たな宝物に違いない。

アンコールではTAKUMAが今年、東京にも積もった雪について触れ、いつか溶けてなくなる雪を自分たちに例えた。
「俺たちが消えた後に、何かがあなたたちの中に残ればいいなって。忘れてもいい。ただ、いつか何かがあった時に“wyseってバンドがいたなって。あの時のあの曲のメロディが急に出てきた”って思い出してもらえたら、幸せだって思ったりする。次の曲は俺たちのそういう想いを残したのかもしれない。あれから時間が経って、だいぶ大人になったけれど、いつまでもその想いに真っ直ぐな俺たちで歌を音を届けたいと思います」──TAKUMA
そんなメッセージの後に届けられたのはキラキラした輝きとその儚さが音の粒になって降り注ぐ感覚を覚える「無色の雪」だった。そして、「まだまだこの先も、俺たちも君たちも知らない思い出を作れるって俺は信じてる!」とTAKUMAが呼びかけ、2006年5月に全国ツアー<wyse Live Tour 2026『Calm+』>を開催することを発表。盛り上がる場内に「詳しくは4人が語っているBARKSのインタビューを読んでほしい」と伝えるファンへの心遣いもwyseらしく、多彩なアプローチの楽曲を収録したアルバムを中心に様々な時代の曲を取り入れていく次のツアーは、wyseの核と未来を浮かび上がらせる内容になるに違いないと確信した。
TAKUMAと月森のユーモラスなやりとりが会場を沸かせ、「みなさんとの未来を歌った1曲です」と前置きして披露されたのは3rdシングルであり、『Calm』収録曲「Twinkle Stars」。ミラーボールの光が注ぐ中、下手、上手へと歩きながら、時に星空を見上げるように歌う月森の姿も印象的だった。エンディングは25周年の手塚作品とのコラボ曲であり、「Voice」と同時リリースされた「Drawing」。月森からTAKUMAへとバトンタッチするように歌い継ぎ、やがて二人の声が重なっていく。未来に繋ぐ想いとファンへの感謝も込められた曲で記念日を締めくくった。

wyseの歩む道に重ねられていく新しい色と変わることのない純心。TAKUMAの言うように、それは永遠ではなく、いつか途切れてしまうかもしれないけれど、だからこそ、瞬間瞬間に放たれる輝きをライヴ1本1本に刻みつけていく。そんなツアーが楽しみだ。
取材・文◎山本弘子
撮影◎松田茜
■<結成記念日公演『27の奇跡』>2026年2月14日(土)@東京・新宿ReNY セットリスト
SE_Moon Dance
01 ヒカリ
02 RAYS
03 Rollin’ Rollin’
04 蘇生
05 Perfume
06 float
07 月を想うトキ
08 bring you my heart
09 紺色の森
10 Over Drive
11 BLUE DAYS
12 Miss t×××
13 BLAST
14 SHA☆LALA
15 終わらない夜のマーメイド
16 Voice
17 Glorious Story
18 Reflect
encore
19 無色の雪
20 Twinkle Stars
21 Drawing

■<wyse Live Tour 2026『Calm+』>
5月30日(土) 熊本 B.9 V2
open14:30 / start15:00
5月31日(日) 熊本 B.9 V2
open13:00 / start13:30
6月13日(土) 愛知・名古屋 ElectricLadyLand
open14:30 / start15:00
6月14日(日) 静岡 ROXY
open14:00 / start14:30
6月27日(土) 埼玉・HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3
open14:30 / start15:00
6月28日(日) 東京・Veats Shibuya
open14:30 / start15:00
7月11日(土) 大阪・OSAKA MUSE
open14:00 / start14:30
7月12日(日) 京都・KYOTO MUSE
open14:30 / start15:00
8月22日(土) 神奈川・新横浜NEW SIDE BEACH
open14:30 / start15:00
▼チケット
スタンディング 7,000円(ドリンク代別)
【FC先行受付】
受付期間:2/14(土)21:00~3/1(日)23:59
受付URL:https://l-tike.com/st1/l4k30m94nujwjwyd0eab
【オフィシャルホームページ先行 】
受付期間:3/2(月)12:00~3/8(日) 23:59
受付URL:https://l-tike.com/wyse/
枚数制限:4枚まで
決済方法:コンビニ店頭・PayPay・楽天ペイ・クレジット・MBキャリア
引取方法:紙チケット(店頭)・電子チケット(アプリ)
■<wyse Live Tour 2026『Calm+』FC限定 Live & Event>
5月30日(土) 熊本 B.9 V2
open18:30 / start18:45
6月13日(土) 愛知・名古屋 ElectricLadyLand
open18:30 / start18:45
6月14日(日) 静岡 ROXY
open18:00 / start18:15
6月27日(土) 埼玉・HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3
open18:30 / start18:45
6月28日(日) 東京・Veats Shibuya
open18:30 / start18:45
7月11日(土) 大阪・OSAKA MUSE
open18:00 / start18:15
7月12日(日) 京都・KYOTO MUSE
open18:30 / start18:45
8月22日(土) 神奈川・新横浜NEW SIDE BEACH
open18:30 / start18:45
▼チケット
スタンディング 5,000円(ドリンク代別)
【FC受付】
受付期間:2/14(土)21:00~各公演日前日 23:59
受付URL:https://l-tike.com/st1/euutzirxy435y0pd9nll
枚数制限:4枚まで
決済方法:コンビニ店頭・PayPay・楽天ペイ・クレジット・MBキャリア
引取方法:紙チケット(店頭)・電子チケット(アプリ)

■『Live Tour 2025『1999-2001』Live CD』
先行販売:<27の奇跡>2月14日(土)@東京・新宿ReNYより
CHR-0030 6,000円(税込)
・豪華デジパック6パネル仕様ジャケット
・2025年6月2日公演のLive写真&1999年~2001年のアーティスト写真で構成されたスペシャルブックレット
▼CD収録曲
01.Feeling…
02.A≦nd Crash!!
03.Blank paper
04.Virus「赤と白と黒の定義」
05.冷たいベッド
06.Swella para Scyallu para Sail
07.Sweet rain
08.言葉を失くした僕と空を見上げる君
09.You gotta be
10.Miss t×××
11.路地裏のルール
12.Scribble of child
13.あの日の白い鳥

■<Psycho le Cému presents「ライバルズ」2026>
2月28日(土) 神奈川・川崎SUPERNOVA
open17:00 / start17:30
出演:Psycho le Cému / wyse
▼チケット
スタンディング ¥8,800(税込)
※入場時ドリンク代別途必要
購入:https://l-tike.com/plc/

■<MORI Birthday Live 2026>
4月11日(土) 東京・青山RizM
・一部:open14:30 / start15:00
・二部:open18:30 / start19:00
▼チケット
各部 7,000円
※受付URLは後日ご案内

■<THE MICRO HEAD 4N’S presents MONTHLY 2MAN「B-EAST」>
4月12日(日) 神奈川・川崎セルビアンナイト
open17:00 / start17:30
出演:THE MICRO HEAD 4N’S / wyse
▼チケット
スタンディング ¥6,600(税込)
※入場時ドリンク代別途必要 / 未就学児入場不可
購入:https://w.pia.jp/t/tmh4ns-26/







