「M-SPOT」Vol.040「音楽は、リスナーである自分の状態を映し出す鏡」

「M-SPOT」Vol.038にて紹介した月追う彼方というガールズトリオバンドは、その音源を聴くだけで音楽へのひたむきさと音楽を愛してやまない様子が伝わってくるようなバンドだった。
今回も音源だけでその人のアティチュードが見えてくるようなミュージシャンの魅力に迫ってみたい。音楽談義という名の妄想話に花を咲かせるのは、いつものナビゲーターTuneCore Japanの堀巧馬と進行役の烏丸哲也(BARKS)である。
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──みーぽん。というアーティストをご存知ですか?大阪出身なんですけど、活動の場を北海道に移して活動するソロアーティストなんですけど、「熱い想いを胸に、勇敢に突き進む少年のような姿勢と、少女のような天真爛漫のキャラクターが魅力」と紹介されている女性シンガーソングライターです。前々回に堀さんから紹介してもらった月追う彼方と同様に、この方も楽しくライブをやっている姿が音源から伝わってくるアーティストなんですよ。
──これは「MOBILE PEOPLE」という曲ですが、明るく爽やかでしょう?「生きるの辛いな」とか「嫌なことばっかり」みたいな心持ちだと描けない世界観だなと思って。
堀巧馬(TuneCore Japan):初めて聴いた印象としては、大阪出身の子が音楽をやりたくて飛び出したんだけど、「東京じゃなくてそのまま北海道に行っちゃいました」というところに、「東京で音楽をやりたい」っていうよりは、なんか「ご飯が美味しいところで楽しくできたらいいな」と思っている人なんじゃないかなって思ったりして。
──なんか当たってる気もする。知らないけど(笑)。
堀巧馬(TuneCore Japan):そういう人って、めちゃくちゃ多趣味な人が多い気がするんですよね。友達と一緒にご飯いっぱい食べて、いっぱい遊んで、音楽もやって…というバイタリティ超溢れる人。で、「人生、こんなに楽しいんだよ」というエネルギーをお裾分けで音楽にしてるのかなっていう印象。
──なるほど。そういう人が発信する音楽って説得力ありますよね。
堀巧馬(TuneCore Japan):そんな印象を勝手に想像しながら調べてみたら、彼女のインスタを発見しまして、やっぱりめっちゃバイタリティありそうな人でした。
https://www.instagram.com/mipon_pon_pon
──やっぱりそうなんですね。
堀巧馬(TuneCore Japan):なんかフットサルとかやってます。海行って、韓国料理も食って、ストリートライブもやって…みたいなすごく楽しそうな絵がいっぱい並んでる。
──凄いな。こういう人だからこそ作り出せて表現できる音楽って、きっとありますよね。ただの演出じゃこれはやりきれないもの。
堀巧馬(TuneCore Japan):演出ではやりきれないですね、本当に。彼女の活動を見ていると「なんでそんなに、人生に不満とか持ってるの?」って言われたような気持ち。「人生って楽しいじゃん」みたいなことをストレートに言われてる気がして、ちょっと心がキュってなりました。そう感じさせてくれたことがこの人の魅力なんじゃないかって思い始めてます。
──音楽が持つ自浄作用パワーの正しい使われ方ですね。
堀巧馬(TuneCore Japan):すごい波動ですね。
──「少女のような天真爛漫なキャラクター」「果敢に突き進む少年のような姿勢」という自意識って、隠れたパワーとして音楽に宿ってその匂いを放つんですね。すごいわ。

堀巧馬(TuneCore Japan):いや、ほんとにすごいですね。だって会ったこともないんですよ。今ネットで見つけただけなのに、なんとなくこの人の人生がちょっぴり垣間見えましたもん。
──ほんとですね。同じシンガーソングライターでもそれぞれに個性があって、発音とか言葉の選び方、表現方法も様々ですけど、ポジティブパワーに向かうエネルギーを全部寄せて作品にまとめ上げているところがみーぽん。の音楽のポイントなんだと思えました。
堀巧馬(TuneCore Japan):そういう人だからそういう言葉が浮かんでくるのか、そういう言葉を選んでいたことでそうなっていったのか、鶏と卵はちょっとわからないですけど。
──四六時中能天気にパワフルなんてことはあるはずもないわけで、喜怒哀楽もストレスを感じることもあるでしょうから、明るくポジティブに活動している人の「そうじゃない横顔」がチラっと楽曲で出したりするとぐっときちゃうよね。
堀巧馬(TuneCore Japan):そういう意味では、この「MOBILE PEOPLE」の歌詞を見ると、「世界丸ごと憎めちゃうほど 足りないものはないのよ」とか、いいフレーズがたくさんあります。やっぱりいろんな嫌なこともあったけど、とはいえ人生が嫌になるほど嫌なことって、意外とそんなはないと歌ってくれている。「身近にこんなに楽しいこといっぱいあるじゃん」っていう気付きもくれますね。
──初めて聴いたときはスルッと流れちゃった歌詞も、聴き直してみると引っかるところがあったりして、そこから得るものがある。それこそがアーティストの凄さですね。
堀巧馬(TuneCore Japan):確かに。ライブに行ったらなんかキュってなっちゃいそう(笑)。『ダンス・ダンス・ダンスール』という漫画に「芸術というものは心病む者には救いになり、心健やかな者には問題提起になる」という話があって、要は精神状態によって捉えられ方って全然違うじゃんっていう話ですけど、そういう意味では、音楽の持つ陽のエネルギーって、ポジティブな人間は正直に受け入れられるけど、根に影を持っている人からするとまぶしすぎて素直になれないところもありますよね。だからこそ、自分の中で「ここまで人生楽しめてるのか俺」みたいな警鐘を鳴らされてる感もある。
──修行が足りませんな(笑)。+と-、N極とS極がひきあい同極同士が反発するように、相手に対して自分のコンディションが変わると作用も変わりますよね。これって世の摂理ですから、明確なキャラを持っている作品やアーティストの存在は、リスナーである自分の状態を映し出す鏡にもなるということです。
堀巧馬(TuneCore Japan):本当にそうですね。青春系とかポジティブ系に対して「こういうのが苦手」っていう人も意外とたくさんいますけど、振り返るとそういう事かもしれない
──「なぜそう思うのか」を自分に問うてみるのも面白いことで。
堀巧馬(TuneCore Japan):なぜそう思ったのか、「人生って楽しいものなんだよね」ってストレートに言われて、ちょっと目を逸らしちゃうみたいな心理もあるっていうのは面白いところですよね。
──何が正解で何が大事かは人それぞれですけど、そうやって刺激を受けて気持ちが動いたり価値観を確かめたりできることは、かけがえのないことですから、みーぽん。の作品を聴いて自分がどう反応するのかを客観視してみるのもいいですね。
堀巧馬(TuneCore Japan):めっちゃ面白そうですね。ぜひ皆さんに聴いてみていただきたいです。
協力◎TuneCore Japan
取材・文◎烏丸哲也(BARKS)
Special thanks to all independent artists using TuneCore Japan.
みーぽん。
大阪出身。 現在は北海道での活動を強化し 上京ではなく上道しちゃった関西人。 ポップで明るいオリジナル楽曲を歌えば 人々を次々と笑顔に。 熱い想いを胸に、勇敢に突き進む少年のような姿勢と 少女のような天真爛漫のキャラクターが魅力。 今年は11月28日にZepp札幌でのワンマンライブも決定し、さらに活動の勢いを増してゆく。
https://www.tunecore.co.jp/artists?id=765232







