2004年発売の新作もいち早く聴けたアルファ・ワンマン・ライヴレポ!
<アルファ・ワンマンライヴ>レポート2003/12/14(sun)@新宿LIQUIDROOM
快楽的なものとはいつでも無意味で、だからこそ有意義だ。
アルファ、3回目となる<LIQUIDROOMワンマン・ライヴ>は、そんな彼らの“ナンセンスイズム”を凝縮したようなデビュー曲「エクスタシー温泉」(名曲!)でスタート。フロアに鳴り響く4つ打ちビートに、エレクトロ風味の掛け合い2MC。いわゆるテクノ/ヒップホップのパーティなのに観客は皆、まるでロック・フェスのような熱気と集中力をもってステージにかじり付く。オーディエンスは一様に若い。ラップ・アーティストのライヴというよりあたかもミクスチャー・バンドのそれのようだ。メジャー進出以降、ロック勢と共にライヴをこなしてきたその成果が本日の“満員御礼”となって顕れたようだ。
「DO DIG DO!!」、「アクティマン」とリリース順を追って披露した後、お馴染みツボイによるMCタイム(含蓄があるようなないような……)。ここで繰り返すのは「バカ」&「ダメ人間」のススメ。疎外された劣等生による劣等生のための青春。そんな一見後ろ向きなポジティヴさが幅広いリスナーを惹きつけるのだろう。
その後もマイカデリック真田人を迎えての「ALIEN26」、ケツメイシRYOを迎えての「PULSER」(2004年2/18発売2ndアルバム『SUSHI BOMBER』より)を披露。ツボイ、ワダのフロウは実にユニークで安定感があり、ライミングはなかなか手堅い。80’sディスコ、バリバリ全開の新曲「SPPED STAR」(2004年1/21発売)では、DJ スズキがマイクを握る。ヘタウマ加減が絶妙な風合いを醸し、“泣き”の美メロを引き立てる。うん、とてもいい曲だ。アンコールでも同曲のPV公開撮影を兼ね再演。ファンにとっては思いがけないプレゼントとなった。
全体的にあっさりした公演で聴き足りない感は拭えなかったが、彼らの進化を感じさせるものだった。かつてのスチャダラパーや電気グルーヴのような、ダンスミュージックの快楽性をポップス・フィールドに刷り込むカルト・スターへ化けるかも?! そんな期待が高まった。まぁ、本人たちにそんな気負いはないのだけれど…。 取材・文●宮川良子(ニコヨンプロダクション)
<セットリスト>
1, エクスタシー温泉
2, DO DIG DO!!
3, アクティマン
4, 39DMP
5, ALIEN 26
6, デルタ
7, ボン・マーチ
8, SOS
9, アサガキタ
10, PULSAR
11, ALIEN 24
12, SPEED STAR
13, ガンバリスギDEナイト