ポップでハードでハチャメチャなハノイのロックンロールに魅惑された来日公演

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ポップでハードでハチャメチャなハノイのロックンロールに魅惑されっぱなし
マイケル・モンローとアンディ・マッコイ、そして最高にイカすロックンロールバンド、ハノイロックス! この名前に反応しない人なんて、まさかいないでしょう。そんな人はロックンロールの楽しさの数パーセントを知らないのかもしれない。
'80年代に生まれゴキゲンなロックでファンを狂喜させながら、わずか5年ほどでその姿を消してしまったハノイロックス。'02年に蘇り日本のファンを興奮の坩堝に叩き込んでくれた彼らが、またまた日本の地に帰ってきた。狂喜! 今回は<ROCK LEGENDS SPECIAL>というイベントと3ヶ所のツアーのための来日。今年2月の来日ツアーでの大盛り上がりの興奮をそのまま再現してくれた。
そこで、BARKS取材班はイヴェントを終えてホテルでくつろぐマイケルとアンディを直撃。ロックンロールを身体全体で楽しむ2人に、これまでの経緯や今後の意気込みについて話を聞いた。どのセリフを切り取っても、そこにあるのはロックンロール! こんなステキな奴らが他にいるだろうか。

'80年代のメタルバンドの先駆者だとか言われるのは迷惑なんだ」マイケル!!
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1.INTRO
2.OBSCURED
3.WATCHA WANT
4.PEOPLE LIKE ME
5.IN MY DARKEST MOMENT
6.DELIRIOUS
7.A DAY LATE, A DOLLER SHORT
8.NEW YORK CITY
9.WINGED BULL
10.WATCH THIS
11.GYPSY BOOTS
12.LUCKY
13.DESIGNS ON YOU
14.CHECK OUT THE GIRL
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1.A DAY LATE, A DOLLER SHORT
2.BAD NEWS
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 コンサートレポート
<ROCK LEGENDS SPECIAL>
2003/10/8 @日本武道館


ステージが暗転するやファンの悲鳴で武道館は埋め尽くされる。真っ赤なパンツ、青いジャケット、そして深紅の帽子に身を包んだマイケルがステージ袖から走りながら姿を現わす。1曲目の「OBSCURED」から早くもマイクを振り回してのいつものパフォーマンスが全開! アンディは渋いファイアーバードをヨレヨレしながら掻き鳴らす。そう何年も変わらないハノイのステージ風景だ。全身から高揚感と心地良さが湧き上がってくるのを感じる。ミドルテンポの曲になってもマイケルは動き回ることを止めない。赤いスパンコールのタンクトップ、青いジャケット、全身に電飾のついたものなど、次々に衣装を替えながら、ステージ上を走って歌い聴衆を挑発し、そして絡まったコードをほぐすスタッフに蹴りを入れる。悪ガキぶりは相変わらず。アンディとマイケルとの絡みもシビレるほどの雰囲気。全編に渡って、ハノイ独自のメロディアスでポップなわかりやすいロックンロールが息つく暇なく演奏されファンは大満足だっただろう。特にシングルカットされた「A DAY LATE, A DOLLAR SHORT」「PEOPLE LIKE ME」そして「UP AROUND THE BEND」での盛り上がりはすごかった。i luv u, HANOIROCKS!
 SET LIST
1.OBSCURED
2.DELIRIOUS
3.ORIENTAL BEAT
4.WHATCHA WANT
5.11th STREET KIDS

6.A DAY LATE, A DOLLAR SHORT
7.I CAN'T GET IT
8.BAD NEWS
9.CHEYENNE / DON'T YOU EVER
10.PEOPLE LIKE ME

11.TRAGEDY
12.MALIBU BEACH
13.HIGHSCHOOL

-アンコール-

1.IN MY DARKEST MOMENT
2.UP AROUND THE BEND
●ライヴ写真撮影:Teppei

写真左からティンバ(B) アンディ・マッコイ(G)
マイケル・モンロー(Vo&Sax)、コステロ(G)  ラク(Dr)


――武道館(10月8日)のコンサートを観てとても感激したよ。あなたたちはどうだった、楽しめた?

アンディ:ステージが高すぎて、観客とアイコンタクトがしにくくて困ったよ。もっと観客に近づけたらよかったんだけど。でもライヴの出来は最高だった。

マイケル:客席からステージに戻ろうとした時、多くの人が押し上げようとしてくれたんだ。でもそれは邪魔だったし、オレがその人の顔を蹴ってしまった。そしたら倒れちゃって膝を怪我して病院に行ったらしいんだ。そういうのは心配だからね。セキュリティの人にやめさせるように言っておいたのに。

――ライヴ・パフォーマンスは昔と全然変わらずにカッコよかったよ。カッコよさを保つ秘訣ってあるの?

マイケル:カッコいいかカッコ悪いかってのは自分で決められるもんじゃない。どちらかしかないからね。それは教えられるものでもないし、努力するようなものでもないよ

アンディ:他の人を真似て自分のアイデンティティを壊さないことだね。そんなことしたって二番にしかなれない。一番にはなれないんだ。

マイケル:そう、オレ達の服装とかを真似したって、バカみたいに見えるだけだよ。自分のスタイルってものを追求すればいいんだ。

――'02年の<サマーソニック>での復活劇は衝撃的だったし、その後の'03年春のジャパンツアーも素晴らしいものだった。その後はどういう活動をしていたのか簡単に話してもらえるかな。

マイケル:春の日本でのツアーを終わった後イギリスでツアーをやった。その後に時間を見つけてスタジオでアルバム『TWELVE SHOTS ON THE ROCKS』をもう一度完成させたんだ。どういうことかというと、'02年に発売されたものはオレ達がいない間にミキシングされたから満足のいくものじゃなかったんだ。だから曲順を変えてリミックスをしたんだ。これをアメリカでリリースしてアメリカツアーをする予定さ。アートワークも綺麗になったし、とても満足しているよ。日本でもこれがリリースされたらいいなと思ってる。あと、バンド周りのマネージメントなんかが、まだキッチリと組織化されてないので、そういうのをまとめていくのが仕事かな。

アンディ:これは2枚組のCDくらいの価値があるんだ。なぜかっていうと90分もあるからね。値段以上の価値があるから、めいっぱい楽しんでほしいね。

――アルバムの作り直しをしていたんだね。100%満足いくものができた?

マイケル:前に発売されたアルバムが自分達が満足できるものじゃなかったのはとても残念なことだけど、今は満足できるものができた。これからもツアーを続けて新しい曲を書いて、ハノイはどんどんよくなっていくよ。

アンディ:オレ達はなんでも出せばいいっていうんじゃなく、すごく質にこだわって追求していきたいからね。

――ハノイロックスを復活させてから2年になるけど、新メンバーのコステロ(G)、ティンパ(B)、ラク(Dr)はハノイロックスにとってどんなプレイヤーかな?

マイケル:ラクは、自分の力だけで勝負していけるくらいの素晴らしい世界一のドラマーさ。コステロは、オレとアンディが素晴らしいギタリストと認める数少ないギタリストの一人だ。ティンパはまあ、普通のベースプレイヤーだね。

――今のロックンロールに対する意識と17年前ではどんな部分が一番違ってると感じる?

マイケル:ロックンロールに関して言えば、ビジネスが大きく変わってしまった。音楽ビジネスの中に音楽が棲息していないと感じる。ラップ、ディスコ、ヒップホップなんていう変な音楽ばかりが消費されて、それがすごく残念なことだと思うよ。

――'80年代のハノイロックスは実に短い期間しか活動してなかったわけだけど、ロック界にものすごく大きな影響を与えている。ハノイのフォロアーを見てどう感じる?

マイケル:ハノイの後継者だと自称する'80年代の長髪のヘヴィメタルバンドがいっぱいいたけど、オレ達のようなユニークな個性もないから、そんなのは自分達の後継者だとは思ってない。そういうバンドが大量に出現して、人々がそれを見て「ああ、ロックってこんなもんか」って失望してしまった。そういう意味ではロックという名を貶めたと言えるんじゃないかな。そういう奴に比べて、オレ達にはもっとパンクマインドがある。オレがロンドンにいた頃はポストパンク時代で、パンクが出る前の音楽シーンはすごくつまらないバンドばっかりだった。それがパンクの出現で一気に盛り上がったんだ。その後にオレ達が現われて、雑誌なんかのメディアではグラムロックという扱われ方をしたんだけど、オレの中にはパンクマインドがあった。だから、'80年代のメタルバンドの先駆者だとか言われるのは迷惑なんだ。

――日本にはZIGGYというバンドがあるけどどう思ってる? 他にも好きな日本のバンドはある?

マイケル:ZIGGYのジュイチ(森重樹一)はオレのオリジナルで、オレは全部、奴から学んだんだ。ありがとうジュイチ。冗談だよ(笑)。奴らはとってもいいバンドさ。他に好きなバンドは、VooDoo Hawaiians('99年に元プリンセスプリンセスの中山加奈子が中心になって結成されたバンド)と54 NUDE HONEYS。ジョニー・サンダースみたいな女の子のヴォーカルがいるバンドだよ。

――日本のファンの反応は他の国と違う?

マイケル:グレイト! これからも応援してほしいよ。クチコミでオレ達の人気も高まってきてるみたいだし。だからこそ、完全な形でアルバムを発表できなかったことが申し訳ないんだ。貪欲なビジネスマンに邪魔されてこういうことになってしまったことは残念だ。ファンには申し訳ないと思ってるよ。日本人のスタッフも素晴らしい。無茶苦茶になったオレのマイクのコードもすぐにほどいてくれるし、なんでもすぐに出してくれるし、仕事にプライドを持ってる。フィンランド人は動作が遅いから、日本人から学んだ方がいい。

――「A DAY LATE,A DOLLAR SHORT」は本当に素晴らしい曲だね。ハノイの代表曲になると思うけど、この曲についてコメントを。

アンディ:ポップソングとしてもいいし、マイケルのサックスソロも素晴らしいだろ。

マイケル:ラヴソングとしてもあまりヘヴィー過ぎないし、それなりに深いメッセージもあって歌いやすいしメロディも素晴らしい。アンディの潜在意識から流れ出してきたものを編集したんだ。そういう自然な形で曲作りができてうれしかったよ。

――日本公演が終わった後のスケジュールは?

マイケルオレの人生に先のプランはないね。

アンディ:ロックンロールを続けるだけさ。奥さんと過ごす時間も持ちたいね。

――次のアルバムの予定はもうあるの?

マイケル:『Twelve Shots On The Rocks 』はまだ日本、フィンランド、イギリス以外では出てないので、それをもっと多くの地域で発売したい。その次のアルバムは、クオリティの高いものができることは間違いないので、いいタイミングで発表したいね。
取材・文●森本智
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