カントリーシンガーのジョニー・キャッシュが死去。享年71歳
９月12日（金）午前３時（米東部標準時）、「黒服の男」の異名を持つJohnny Cashが、ナッシュヴィルのバプティスト病院で死去した。71歳だった。マネージャーのLou Robinは、声明で「Johnnyは糖尿病の合併症のため、呼吸不全を引き起こして死亡しました。彼の友人やファンは、遺族の辛い思いを和らげるために祈りを捧げてもらいたい」と話した。葬儀の日程は後日、発表される。
Cashは胃の疾患で２週間入院した後、９月９日（火）に退院。ここ数年、肺炎と自律神経障害の治療のため入退院を繰り返していた。
John R. Cashは'32年２月26日、アーカンソー州キングズランド生まれ。Elvis Presley、Carl Perkins、Jerry Lee Lewisらと並ぶ大御所のひとりで、'55年、Sun Recordsを創設したSam Phillipsに見い出された。
Cashは彼のグループ、Tennessee Twoと共にミックスギターとベース、ヴォーカルといったパフォーマンスで初期のロカビリーサウンドを生み出した。代表曲はSun作品の「Cry, Cry, Cry」「Folsom Prison Blues」「I Walk the Line」。このうち「I Walk the Line」は、数あるカントリーヒットの中で初のNo.１を獲得、全米ポップチャートにも初登場した。その後、'58年にColumbia Recordsに移籍した彼は「Ring Of Fire」「Understand Your Man」「Don't Take Your Guns To Town」「Tennessee Flat-Top Box」といった名曲を輩出。これまでの経歴でレコーディングした曲は1500曲以上で、そのうち48曲以上のシングルがビルボードホット100ポップチャート入りし、Barbra Streisand、Michael Jacksonほからと並ぶポップヒットを送り出した。また、ビルボードカントリーシングルスチャートには130曲以上がランクインしている。
炭鉱労働者、南部の小作人、囚人、カウボーイ、背教者、アメリカ原住民、家族思いの父親を歌ったJohnny Cashの心温まる名曲の数々は、永遠に人々の心に刻まれるだろう。
Cashは最年少で「カントリーの殿堂」入りを果たし、「カントリーの殿堂」と「ロックの殿堂」の両方に選ばれた初のアーティスト。この偉業はその後'98年にElvis Presleyが「カントリーの殿堂」に入るまで誰も達成できなかった。
Cashは'99年の功労賞を含む11個のグラミー賞ほか、数々の賞を獲得。最近では、９年ぶりのクリップとなった「Hurt」がMTV Video Music Awardの最優秀ビデオ撮影賞を受賞した。
Cashはまた、Kirk Douglas主演の西部映画『A Gunfight』を含む数作品ほか、７つのテレビ映画にも出演。'69年から'71年にかけてABCの番組『Johnny Cash Show』でホストを務めた。
晩年、Waylon Jennings、Willie Nelson、Kris Kristoffersonらと共にスーパーグループ、Highwaymanに参加。
Cashの妻でシンガーのJune Carter Cashは、去る５月15日に心臓手術の合併症のため死去した。２人には息子のJohn Carter Cashが残されている。Cashにはまた、前妻との娘が４人いる。
Cashは来週、ニューアルバム『American V』の制作を開始するためカリフォルニアに向かう予定だった。11月５日には４部門にノミネートを受けているカントリーミュージック協会（CMA）賞の発表がある。
Johnny Cashは常にありのままの自分でいたいと思っていた。彼は「死や地獄、麻薬を歌って間違っているとは誰にも言わせない。今までずっとそうしてきたし、これからもそうだ」と言う。また、心に感じる歌で自分自身を表現し「何をするにも、自分でありたい」とも語っている。
Cashの名アルバム『At Folsom Prison』（'68年）には「Folsom Prison Blues」をはじめ、刑務所を歌った曲が収められている。Cash自身に服役の経験はないが、これらの曲はカリフォルニアの刑務所でレコーディングされた。彼はこのテーマについて「刑務所は刑務所。それだけのこと」と独自の見方を示している。
'99年、Willie NelsonはCashと彼の伝説的な音楽について次のように話していた。
「音楽は音楽。それはすべての壁を越えるものだ。一度Johnny Cashを聴けば、その意味が分かるだろう。つべこべ考えるのを止めると思う……それがJohnny Cashなんだ」
Johnny Cash関連記事はこちら。
(C)LAUNCH.com
Cashは胃の疾患で２週間入院した後、９月９日（火）に退院。ここ数年、肺炎と自律神経障害の治療のため入退院を繰り返していた。
John R. Cashは'32年２月26日、アーカンソー州キングズランド生まれ。Elvis Presley、Carl Perkins、Jerry Lee Lewisらと並ぶ大御所のひとりで、'55年、Sun Recordsを創設したSam Phillipsに見い出された。
Cashは彼のグループ、Tennessee Twoと共にミックスギターとベース、ヴォーカルといったパフォーマンスで初期のロカビリーサウンドを生み出した。代表曲はSun作品の「Cry, Cry, Cry」「Folsom Prison Blues」「I Walk the Line」。このうち「I Walk the Line」は、数あるカントリーヒットの中で初のNo.１を獲得、全米ポップチャートにも初登場した。その後、'58年にColumbia Recordsに移籍した彼は「Ring Of Fire」「Understand Your Man」「Don't Take Your Guns To Town」「Tennessee Flat-Top Box」といった名曲を輩出。これまでの経歴でレコーディングした曲は1500曲以上で、そのうち48曲以上のシングルがビルボードホット100ポップチャート入りし、Barbra Streisand、Michael Jacksonほからと並ぶポップヒットを送り出した。また、ビルボードカントリーシングルスチャートには130曲以上がランクインしている。
炭鉱労働者、南部の小作人、囚人、カウボーイ、背教者、アメリカ原住民、家族思いの父親を歌ったJohnny Cashの心温まる名曲の数々は、永遠に人々の心に刻まれるだろう。
Cashは最年少で「カントリーの殿堂」入りを果たし、「カントリーの殿堂」と「ロックの殿堂」の両方に選ばれた初のアーティスト。この偉業はその後'98年にElvis Presleyが「カントリーの殿堂」に入るまで誰も達成できなかった。
Cashは'99年の功労賞を含む11個のグラミー賞ほか、数々の賞を獲得。最近では、９年ぶりのクリップとなった「Hurt」がMTV Video Music Awardの最優秀ビデオ撮影賞を受賞した。
Cashはまた、Kirk Douglas主演の西部映画『A Gunfight』を含む数作品ほか、７つのテレビ映画にも出演。'69年から'71年にかけてABCの番組『Johnny Cash Show』でホストを務めた。
晩年、Waylon Jennings、Willie Nelson、Kris Kristoffersonらと共にスーパーグループ、Highwaymanに参加。
Cashの妻でシンガーのJune Carter Cashは、去る５月15日に心臓手術の合併症のため死去した。２人には息子のJohn Carter Cashが残されている。Cashにはまた、前妻との娘が４人いる。
Cashは来週、ニューアルバム『American V』の制作を開始するためカリフォルニアに向かう予定だった。11月５日には４部門にノミネートを受けているカントリーミュージック協会（CMA）賞の発表がある。
Johnny Cashは常にありのままの自分でいたいと思っていた。彼は「死や地獄、麻薬を歌って間違っているとは誰にも言わせない。今までずっとそうしてきたし、これからもそうだ」と言う。また、心に感じる歌で自分自身を表現し「何をするにも、自分でありたい」とも語っている。
Cashの名アルバム『At Folsom Prison』（'68年）には「Folsom Prison Blues」をはじめ、刑務所を歌った曲が収められている。Cash自身に服役の経験はないが、これらの曲はカリフォルニアの刑務所でレコーディングされた。彼はこのテーマについて「刑務所は刑務所。それだけのこと」と独自の見方を示している。
'99年、Willie NelsonはCashと彼の伝説的な音楽について次のように話していた。
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