<FRF'03>もはや彼らの音楽はドラッグだ! デス・イン・ヴェガス

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ブレイク・ビーツ、エレクトロを基本にしながらも、ロックなスピリットとバンド・サウンドを失わないDeath In Vegas。昨年発売の最新アルバム『Scorpio Rising』ではゲスト・シンガーにOasisのリアム・ギャラガーを、さらにその前作『ザ・コンティーノ・セッション』ではIggy Popを迎えるなど、彼らの作品には英国内での高い評価に見合うそうそうたるゲストが参加している。

彼らのライヴを見るのは今年2回目。2月にFoo Fightersをメイン・アクトに幕張メッセで開催されたオールナイト・イベント<Magic Rockout>で、ライヴ後の深夜のDJタイムにGoldieらとともに始発までオーディエンスを寝かせないほど盛り上げたのが彼らだ。一睡もせず、かくいう自分も釘付けに彼らのプレイを見届けたひとりだけに、期待に胸は大きくふくらんでいた。

ステージいっぱいに張られたスクリーンに疾走するバイクの映像。かなりイカしたVJの演出でライヴが開始。PAのVJブースを確認すると、2月の幕張でビデオを回していたのと同じ外人さんの姿。ヤツの映像はヤバい! ますます期待が高まった。

ステージは相変わらず素晴らしいものだった。ドラムやギターの生音を活かしつつ、ブレイク・ビーツ、エレクトロなサウンドを随所に散りばめ、文字通りオーディエンスを踊り狂わせていた。また、スクリーンにはときには過去の戦争映像、ときには阿修羅のような仏像、またあるときは幾何学模様と聴覚だけでなく、視覚からも脳をトリップさせてしまうクールな映像が前述のVJより流され続けた。

選曲は「Leather」「Girls」「Hands Around My Throat」など、最新アルバム『Scorpio Rising』からのピックアップがメイン。Oasisのリアム・ギャラガーがゲスト・ヴォーカルを務めた表題曲「Scorpio Rising」のリミックスを披露。リアムの管楽器のような声を活かしつつも、インスト部分を強いビートでループさせ、ダンス寄りに。しっとりとした原曲からうまくライヴ向けにアレンジされていた。

ロックにおける高揚感をアルコールとするならば、Death In Vegasのそれは間違いなくドラッグ。耳や五感を通じて肉体的に音を感じるというよりは、脳と神経に直接サウンドが送り届けられる感覚。病み付きになってしまう。あー、また早く見たい!! もう禁断症状だ……。

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