──なぜザ・ダットサンズというバンド名に? ちなみに日本にはダットサンというクルマがあるんですが、そこから由来してたりして?
マット:「字ヅラがいいし、発音しても響きがイイからそうしたんだ。もちろん、クルマのことは知ってたよ。ニュージーランドには大量の日本車が走ってるし、地元のクルマはほとんど日本車だからね(ちなみにメンバー全員、クルマの免許を持っていないそう)」
──アルバム『ザ・ダットサンズ』は、どういう過程で曲が作られていったのでしょう?
マット:「段階を経て進んでいくんだけど、誰かがリフやメロディなど基本的な部分を思いついて、みんなでガーッと演奏するやり方。演奏するときにはもうメンバー各自のエッセンスがインプットされて、俺たちの曲になってるんだよ。メンバーの誰か1人でもこの過程から抜けたら、俺たちの曲ではなくなってしまうね」
──レコーディングはツラい作業でしたか?
マット:「個人的にはスタジオでの演奏よりライヴのほうが好きだね。アルバムのレコーディングはツラくも何ともなかったよ。10日位で終わったし。俺たちはライヴでやってることをレコーディングでも再現したいという気持ちを持ってスタジオに入って、それを実践したのさ」
──このアルバムの聴きどころってありますか?
マット:「最初から最後まで全部聴いて、自分の好きな所を喜んで聴いてくれ」
──みなさんの作るロックンロールに、世界中の人々はうっとりしています。この事態をどう分析していますか?
マット:「ロックは常にそこにあって、どこかへ行って消えてしまったりはしないのさ。ただ、今また注目されてるだけだよ」
──ニュージーランドには、みなさんみたいなバンドがいっぱいいるんですか?……やっぱりキワモノ扱い?
マット:「あらゆる種類の音楽をやってるバンドがいるよ。もちろんロック・バンドもたくさんいる。それでもやっぱり、ダットサンズはユニークだって言えるね」
──バンド結成当初からこんな感じのロックンロールだったんですか?
マット:「やり始めた頃はもっとポップな音をやってたんだ。次第に今のような音に変貌を遂げたってワケ」
──今の音楽性を決めるにあたって、引き金になったアーティスト、出来事があったってこと?
マット:「俺たちが“Noting at All”って曲をやり始めた頃、とあるニュージーランドのバンドにすごく影響を受けたね」
──さて、アルバムを聴いてライヴで一緒に叫び狂いたくなりました。どんな感じのショーを見せてくれるんでしょう?
マット:「ショーによっていろいろだし、他のバンドがどうしているのかしらないけど、俺たちはただやるだけ。それだけだよ」
──日本のオーディエンスには、どんな反応を期待してます?
マット:「俺たちが観客に望むことは、まっさらな気持ちでライヴに来て、自分自身の気持ち、考えで、俺たちのショーを受け止めてほしいってだけだよ」
──あと、ファッションにもこだわりを感じるのですが、何かポリシーはあるんですか?
マット:「ポリシーなんてもんはナイ。好きなモノを買って着てるよ」
──ズバリ、ロックンローラーに必要なコトは何でしょう?
マット:「楽しむこと。それ以外はどうでもいいね」
──ダットサンズの考える、真のロックンローラーとは?
マット:「4人それぞれにヒーローがたくさんいるけれど、俺はやっぱ、ジョン・ボーナム!」
取材/文●松永尚久