ゴスペラーズ「誓い」 最速レビュー

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今やすっかりラヴ・ソングの似合うヴォーカル・グループとなったゴスペラーズ。すっきりと爽やかな印象を受けた「約束の季節」に続く今作は、「永遠に」「ひとり」などを踏襲した極甘なラヴ・バラード。5人の囁くような柔らかなコーラスから始まり、<世界が語り尽くした 奇跡を愛の言葉を/もう一度あなたに誓うから>と歌い上げるサビへと次第に高まっていく流れは、楽曲としてはごくシンプルなものだ。ヴォーカル・ラインがしっかりとフィーチャーされているので、第三者にはカラオケでも歌いやすいかも!? …とはいえやはりそこはゴスペラーズ、そのまますんなりとは終わるはずがなく、ラスト部分でリフレインされるサビとそのバックで歌われるコーラスの絡み合いはシンプルながらも彼らの歌声が絶妙なバランスを醸し出している。クリスマスやバレンタインなど、寒い冬を暖めてくれるナンバーになりそうだ。

そして本作はカップリングもかなりの力作。TOKYO FMの「We are」キャンペーンのジングルとして使用されていた作品をフル・バージョンとして収録した「砂時計」は、5人のヴォーカルが1フレーズずつ楽しめる仕掛けになっている。繊細でちょっと切ないラヴ・ソングだが、ミディアム・テンポのメロディと打ち込みをメインにちょっと抑ぎみのアレンジでスマートな作品に仕上げている。

文●市川美奈香(01/11/06)

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