『アップ・クロース・アンド・パーソナル』 イーストウエスト・ジャパン AMCY-7253 6月6日発売 2,520 (tax in) 1 Heart And Soul 2 New York,New York 3 Every Little Girl 4 Coast 2 Coast 5 Ladies & Gents 6 Gutter 2 The Fancy Ish 7 Back From Cuba 8 Live At Jimmy's 9 Silly N***AZ 10 No Playaz 11 Breathe 12 Live From The Streets 13 Go!! [M********A] 14 Thug Love 15 Mi Amor 16 Ladies Fight 17 Dem Thangz 18 Coast 2 Coast(Remix) | | ニューヨークシティのラジオ局、Hot 97の人気DJだったAngie Martinezが、 Lil' Kimの'97年のシングル「Not Tonight (Ladies' Night)」にMissy Elliott、TLCのLeft Eye、Da Bratと共にゲスト出演しないかという申し入れを受け入れたときは、ちょっと楽しめればいいというだけの気分だったという。 「Ladies' Nightをやったときはどんなことになるのかまるで予想もしていなかったわ」とMartinezは振り返る。 「私はただ単に“オーケー、この曲に参加するのね”としか考えていなかったの。グラミー賞にノミネートされたり、MTVアワードのショウで披露しなくちゃいけなくなるなんて思ってもみなかったわね。その後のクレイジーな状況にはビックリしちゃった。正直なところ当時は心の準備ができていなかったの。そのころは自分のアルバムを作りたいなんて全然考えていなかったわ」 だが、いくつかのメジャーレーベルの幹部の考えは違っていて、彼らはMartinezと契約しようとしのぎを削った(実際にはRedmanもフィーチャーしたKRS-Oneの曲「Heart Beat」へのゲスト参加というかたちでデビュー済みであった)。中でもElektraの会長、Sylvia Rhoneが最も熱心だったという。 「アルバムを作ろうなんて気はほとんどなかったけど、彼女とのミーティングはいい学習経験になったわ。レコード会社のスタッフと会って、さまざまなオプションを研究するだけでもね。そのころからゲスト出演を増やし始めたし、本格的にソングライティングにも取り組み始めたの。それでちゃんとやってみる決心をして、再び(約2年後)Sylviaのところを訪ねて、彼女が私のプロジェクトにまだ関心があるかどうか確かめてみた。もちろん彼女は本気で、実現させてくれたのよ」 MartinezのElektraからのデビュー作『The Up Close And Personal Project』は、Jay-Z、Wyclef Jean、Snoop Dogg、Busta Rhymes、Fat Joe、Cuban Link、Lil' Mo、Mary J. Bligeなどをフィチャーした18曲のヒップホップとR&Bの人名図鑑となっている。アルバムのリードオフ曲はJay-Zをフィーチャーしたプロモーション用シングルの「Mi Amor」と、Q-Tipをフィーチャーした市販用シングルの「Dem Thangs」だ。またMartinezが故Big Pun、Cuban Link、Domingo、新人のSunkissとともにヒスパニックの伝統を祝福するとともに、地元の人気キューバ料理店に捧げたメレンゲ風味の「Live At Jimmy's」も収録されている。 「これはレコード会社のスタッフ同士が連絡を取り合って実現したわけじゃないの」。Martinezはアルバムの多数のゲスト・スターについてこう語る。 「たいていはとても自然なかたちで起きたことなのよ。Maryと私は長いつきあいの友人で、私がアルバムを作ることになったとき、彼女は最初から本当にサポートを惜しまなかったわ。それからJay-Zも技術を提供してくれた。彼のことは人間的にもアーティストとしても大好きよ。信じられないくらい最高の人物ね。彼とはとっても良い関係なの。 それから、ある晩Snoopのところに駆け込んだのよ。彼は「おめでとう、レコード契約したんだって。何か必要なことがあったら、すぐに行くよ」って感じだった。数日後スタジオにいてこの曲のビートを完成させた私は、当然のように彼ならぴったりのサウンドだと考えたわ。それで電話したら、彼はまだ街にいて、その晩のうちに飛んできてくれたの」 Martinezは『The Up Close And Personal Project』をプロモートするためのHot 97でのギグを終えたら、4週間のヴァケーションを取る計画だ。 「週末ごとに街の外へ出掛けていって、このアルバムのことをみんなに知ってもらおうと努めてきたの。パーティを開催したり、何でもやってきたわ。2つの仕事を抱えていると、やることがたくさんあるからハードだった。でも自分ができるだけのことをするつもりなの。だって何かに取り組んでいて、全力を注がないのは嫌だからよ。だから結局のところ、自分で仕事を入れているんだということに気付かされるだけなの」 | |