キャラクターも楽曲も天然脱力系!?
天然脱力系の楽曲群、浮遊感漂うアイリッシュ・フォークサウンドの中にもしっかりとした自分像を据え置いたester rinaの3作目『エアリズム』が5/25にリリースされた。タイトルとともに歴代最も彼女らしくしあがった作品。6月初頭に新宿で行なわれたインストアライヴ直後にインタビューを行なった。 ――ライヴお疲れさまでした。ここのところインストアライヴが多いですね。 ester rina(以下rina):緊張してしまいました(笑)。お客さんがたくさんいると楽しいんですけどね。実は今朝から機嫌が良くなくて、気持ちの切り替えがうまく出来なかったんですね。それなのに、もう本番って言われて。…私、落ち込むのが好きなんです。自己嫌悪に走るのが趣味。悩み自体は大したことじゃないんですけどね。被害者体質なのかなぁ。イカンと思っているんですけどねえ…。自己分析も趣味ですし。 ――それはいけませんね。世の中こんなにも楽しいことに溢れているというのに。 rina:楽しいときは希望しかありませんよ。落差が激しいんです(笑)。 ――ところで、『エンダイヴ』に続き、通算3枚目のミニアルバム『エアリズム』が発売になりました。タイトルは内容にぴったりだと思いましたが。 rina:毎回、これが一つのきっかけに!と思っているんです。でも録音が終わっちゃうともう次の考えにいっちゃうんですね。だけど、今回わりと周りの評判がよろしいので…家族とかに、ね。だから、いいかなあ、なんて思ってるんですよ。 ――身内は普通、褒めますよねえ(笑)。 rina:いやいや、毎作聴いてくれているんですけど、感想がちょっとずつマイナーチェンジしているんです。今作には、わりとまともなこと言ってるなって感じでした。 ――実家は沖縄ですよね。沖縄からご両親が電話かけてくるんですか? rina:ええ、ラブラブrinaちゃんだから。今日も新宿で地震があったけど大丈夫かって電話かかってきましたよ(笑)。 ――あっ、新宿でライヴがあること知っていたんですね。いやぁ、大きな家族愛を感じます。 rina:何でも欲しがるんですよ。アルバム用に全曲デモ録って、セルフライナーノーツ書いたんですけど、それ(ライナー)まで欲しがって(笑)。 ――曲順はどう決めたんですか? rina:これはプロデューサーの日朝(幸雄)さんにお願いしたんですけど。この前"この並びでライヴやるにしてもやりやすいなあ、歌詞にしても感情移入しやすいなあ"って話をしたんですよ。そうしたら "実は、歌詞で選んだんだよ"って言われて。なるほど! そうかって。それは初耳だったんですよ。 ――選曲直後は、何で「テレピラ」が選ばれるのって言ってましたね。 rina:でも、歌詞的に好きな曲なので、そう言われるとうれしいです。"いつかは!"ってずっと思っていたので。 ――そうやって選ばれたのなら、喜びもひとしおですよね。 rina:褒められるために生きているようなもんですから…打たれ弱いし(笑)。 ――話は戻りますが、先ほどお話に出た"一つきっかけに!"って何のためのきっかけですか。 rina:世界に羽ばたくrinaちゃん…って。 一同:(爆笑)。 ――しかし、作り終えると新たな方向へと気が行ってしまうと。よく"演りたくなったときが旬"と言いますけど、そういうタイプなのでしょうか? rina:あんまり自分ってものがないタイプなのかな。人が良いって言うと嬉しくなって、良いって思い込んじゃうんでしょうね。だから人から"演ろうよ"って言われると、演りたくなる感じ。…いや、(やりたいことは)あるんですけどね。 ――えっ、なんでそれを主張しないんですか? rina:恥ずかしい…。 一同:(笑) rina:周りができた人ばかりで、私がやりたいという思いを察知してくれるんです…というよりそれが溜まると私、不機嫌になるからねぇ。それを汲み取って"そろそろやる…?"って言ってくれる。いい環境ですよね。 ――わがままですねぇ(笑)。 rina:そうですかね…。口には出さないけど態度に出ちゃうんですね(笑)。 文●中島儀幸
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