こ、これは、まさにハードロック! やはりLUKAの魂を最大限に引き出すサウンドは、しなやかで上質なハードロックなのだ。 LUKAは一番自分の歌声に合っているサウンドを自覚してるんじゃないか! スタイリングされた髪型と服装のジャケット写真に、優しいサウンドに包まれて甘い歌声が響くCDの中身。「ふむ、今後のLUKAは明るいサウンドで、全方位射撃可能な方向性でいくのかぁ」なんて思ったのが、シングル"Happiness"とアルバム『Aroundthe Corner』を聴いたときだった。 そんな思いを、イイ意味で裏切ってくれたのが、今回のLUKAのステージ。そこでハードロック・サウンドを聴かせてくれたのだ。硬質なサウンドは、ポイントポイントのツボを押したプレイで小気味いい。ギターソロは目を引くテクニックものから泣きのものまでシッカリあったし、コーラスもバックバンドの男性3人がハイトーン・ヴォイスで聴かせて、完全ハードロック仕様だ。けれど、それは重たすぎず押し付けすぎずで、野暮ったくなりがちなハードロック・サウンドを、自然に観客に提示してきた。 そのロックが自然に「歌」を聴かせる場面にしたのは、やはりLUKAの声、そして、彼女の笑顔が際立っていたからだろう。 アップ・テンポからバラードまで全6曲を歌ってくれたのだが、すべてLUKAの顔が嬉しそうで、実に気持ちよく歌っているのだ。ハッピーな歌はもちろん、"Don't walk away"の詞は、LUKA自身の手によるもので、「悲しいコトを悲しむのは本当に辛い、だからその悲しみを怒りに近づけよう」と表現した痛切なもの……だが、本人、笑顔で歌っていた! "Live Together"は、「人は一人じゃ生きられない」というLUKA流ラヴ&ピースの歌詞を、キーボードだけのシンプルなバックに切々と……ではなく、のびのびと歌っている。それはどれも、子供が夢中になって遊んでいるときに見せるような純粋な笑顔としな やかさで、「笑顔は肩の力を抜くのに有効」という説を証明するような、歌いっぷりだった。 「もう気持ちよくって! 満足しました!」とライヴ後、語ってくれたLUKA。自身の好きなアレンジで楽しみたいと構成されたライヴは、約1年振りとは思えないほどの完成度の高さを見せた。そして、なにより演る側が楽しみ、その楽しさが観ている側へと伝染する――そういう空気が蔓延していたONAIR WESTだった。 髪をおさげにし、白の長袖Tシャツ on 赤の半袖Tシャツにジーパン姿のラフな姿で、アコギを弾きながら歌っていたLUKA。ライヴから数日経った今も、"Happiness"のサビと、それを笑顔で歌う絵が焼き付いてしまっている。 ぜひ、ライヴを観てほしいアーティストである。 《セットリスト》 ● My Life ● Happiness ● All I do ● Don't walk away ● Make it somehow ● Live Together
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