<JAPAN EXPO>創設者「アニメは、日本の文化・日常を見せてくれる魅力的なカルチャーです」
毎週火曜日21:30からNagie Laneのmikakoがお送りしているinterfm『TOKYO MUSIC RADAR』は、世界から注目されている日本の音楽やアーティストを番組独自の目線でピックアップし、その魅力を伝えているミュージックプログラムだ。これまでもココラシカやSTARKIDS、チョーキューメイ、Billyrrom、そしてFRUITS ZIPPERらが番組に登場しており、フランクながらもアーティスト同士ならではの深堀りトークが好評を得ている。
今回は、2024年11月に東京渋谷にて開催された東京国際ミュージックマーケット…通称TIMMの様子から、フランスの<JAPAN EXPO>を主宰する代表の言葉に耳を傾けてみよう。
TIMMは、目まぐるしく変化していくグローバルな音楽産業の中で、日本音楽の海外展開や国際交流を行う国内唯一の音楽マーケット・見本市で、海外のバイヤーや業界関係者が各国から集結する特別なイベントだ。今回もショーケース・ライブはもちろん、著名人による基調講演、展示など、様々なイベントが行われていた。
今回、Nagie Laneのmikakoが話を訊いたのは、世界最大規模の日本のポップカルチャーイベント<JAPAN EXPO>の創設者であるジャン・フランソワ・デュフール(Jean=Francois Dufour)とトーマス・シルデ(Thomas Sirdey)のふたり。フランスのパリ近郊で毎年開催され世界中から日本カルチャーファンを集結させる<JAPAN EXPO>の現状、今後の展開、そして日本の音楽は今どのような位置にあるのか。
左から、ジャン・フランソワ・デュフール、mikako(Nagie Lane)、トーマス・シルデ。
日本のアニメと音楽が大好きだというジャンとトーマスだが、<JAPAN EXPO>がスタートした2000年には、すでに日本のアニメがフランスのテレビでもたくさん放映されており、そのオープニングやエンディングでかかる日本の音楽が強く耳に残り、それが大好きだったという。ふたりとも20歳のころだ。
とはいえ、当時は今のようなコミュニティがなかったため、好きなもの同士でみんな集まりたいというパッションが<JAPAN EXPO>設立へとつながったという。<JAPAN EXPO>は今では25万人もの来場者を誇る大イベントとなっているが、2000年の当時の参加者はまだ3,000人程度だったとか。
彼らは、自らが思う日本文化の魅力の筆頭に「アニメ」を挙げているが、日本のアニメには日本の日常が描かれているものが多く、フランスに住んでいた当時の皆にとって、そのアニメは日本の文化/日本の日常というものを見せてくれるものだったという。そこにものすごく魅了されたようだ。
多くのフランス人にとって、日本の文化は「みんな大好き」「本当に好きで愛している」もので、旅行に行くならまず日本をあげることも多いのだとか。ちなみにふたりに個人的なオシアニメを尋ねると、「ひとつを選ぶのは難しい」と困りながらも「SLAM DUNK」「ドラゴンボール」「あしたのジョー」「カウボーイビバップ」…と、多種多様なアニメのタイトルが次々と飛び出してきた。「ストリーもキャラクターもクール。異文化で触れることができるのが魅力」と、今もなお日本のアニメを愛してやまないという。
一方で、フランスの文化も日本の文化もそれぞれに強い歴史を持っているけれど、「どこかちょっと似てるところも感じる」とも語っていた。「フランスには三銃士があるけれど、日本には侍があるよね。このふたつの国は案外似てるところも多い。だからこうやって結びつきが強くなってるんだと思うんだ」
日本のアーティストの活躍にも目を見張る物があり、フランスでも成功しているアーティストとして、MAN WITH A MISSION、小室哲哉、ADO、新しい学校のリーダーズといった名前が次々と飛び出してきた。<JAPAN EXPO>としては、これまでも、そしてこれからも日本のアーティストを招致し、さらに深く交流を重ねていくつもりだと、その目線も熱い。
なお最後に、好きな日本人アーティストの曲を1曲選んでもらうと、「それは難しすぎる問題だ」と困りながらも、ふたりで共通する好きな楽曲としてSIAM SHADEの「1/3の純情な感情」を挙げてくれた。1997年発表の1曲だが、当時言わずと知れたアニメ『るろうに剣心』のエンディングテーマとして世界を駆け巡った曲のひとつ。この曲もまた、彼らの青春を彩る大事な楽曲であり、日本とフランスをつなぐ架け橋となっていたようだ。
取材◎mikako(Nagie Lane)
文・編集◎烏丸哲也(BARKS)
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