【ライブレポート】NEWS、『JAPANEWS』を掲げた“日本の旅”の集大成「みんなにとっても何かになれるような曲や活動をしていけたら」

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今年結成・デビュー22周年に突入したNEWS。2024年8月7日に発売した最新アルバム『JAPANEWS』を引っ提げて全国8都市17公演のアリーナツアーを回り、11月15日から11月17日に千葉・ららアリーナ 東京ベイでオーラス公演を迎えた。

NEWSとして初の会場となる千葉・ららアリーナ 東京ベイにて開催された今公演は、「NEWSニッポン」でCDデビューからスタートしたNEWSが、日本をテーマに原点回帰したアルバムを掲げてめぐる、壮大な旅の集大成となっている。

2022年のツアー<NEWS LIVE TOUR 2022 音楽>以降、NEWSのコンサートに欠かせない存在となった生バンドに、23面のLEDビジョンを使用した、こだわりの映像・照明による演出も相まって壮大な世界観を演出。

さらに日本をテーマにした「ジャパニーズガイドブック」として構成された『JAPANEWS』の世界を、日本を代表する声優・野沢雅子がナレーションとして参加しナビゲートしている。今回はそんな本ツアーから、11月17日最終日の様子をお届けする。

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会場では日本をテーマにしているとあって、開演前の会場に流れる音も和を感じるせせらぎの音や太鼓、和笛の音が流れていた。開演数分前になると、ファンから「NEWS! NEWS!」とNEWSコールが巻き起こり、会場全体からコールが聞こえだすと、会場が暗転し公演がスタート。

「こんにちは-Interlude-」が流れ始め、各国の挨拶が小さなモニターにそれぞれ映り、その流れで「JAPANEWS」へと続く。楽曲冒頭にある3人の英語コメントが文字と音声で流れ、歌唱部分になると暗い中からメンバーが登場。力強い増田のラップが会場に響き渡り、小山、加藤が歌で続く。バックには日本の景色がたくさんの画面にフラッシュバックのように流れ、加藤の歌唱時には、大きな富士山も登場。袴風の衣装をまとった3人のパフォーマンスに加え、映像でも「JAPANEWS」が表現されていた。さらに最終日とあって3人の登場時、バックの画面には「FINAL」の文字も映し出されていた。

2曲目はメンバーが作詞作曲した「ROOOTS」。エンジンをかけるようにバンドが演奏をはじめ、それに続き曲もスタート。赤ライトで激しさに拍車がかかり、ステージからは炎が噴き出し、炎にも負けない熱いパフォーマンスを繰り出す3人に会場も大盛り上がり。

続いてデビュー曲「NEWSニッポン」がかかると、ファンからも掛け声があがる。おきまりの振り付け部分はファンもしっかり踊っており、NEWSとファンの息ぴったり。メンバーはサイドに2人、センターに1人が立ち、それぞれが近くのファンへ温かい視線を向けていた。

かと思えば、間髪入れずに「BLUE」が始まり、客席の方を向きながら3人も客席もタオルを勢いよくぶん回す。ここもNEWSとファンとの一体感が素晴らしかった。曲が終わるとメンバーは客席に回していたタオルを投げてプレゼント。

センターステージに移動した3人は「チャンカパーナ」を披露。ペンライトの揺れからも会場の盛り上がりが伝わってくる。小山が「千葉盛り上がっていくぞー!」と発破をかけ、さらにファンを盛り上げる。最後の“チャンカパーナ”部分の、増田のロングトーンも見ものだった。

「FIREWORKS」では、大きく華やかな花火の映像が流れるなか、ツアーグッズである扇子を華麗に動かしダンサーと共に舞い、間奏部分では、それぞれ「今日は素敵な旅にしましょう(小山)」「ただいまららアリーナ!(加藤)」「JAPANEWSにようこそ(増田)」と挨拶も。

そして「旅の手引き 第1章『日本の魅力』」と題し、日本の観光名所などを野沢雅子が説明し、NEWS3人がマスコットとしてついて回るキュートな動画が流れる。


羽織を縞模様に変えて登場したNEWSは映像やパネルも使って華やかな「JANGARA」を披露したかと思えば、そのまま小山ソロの「カランコロン」に続く。小山はTシャツにデニムスタイルでダンサーを従え登場。カメラにアップで抜かれた小山がピースを決め、会場を沸かせていた。

そのまま「origami」が始まり、しっとりと優しく歌いかける3人。落ち着いて心に沁み入る歌声を披露し、バンドサウンドが心地よい楽曲「バタフライ」へと続く。センターステージが3つに分かれ、1人ずつ段違いに配置されてそれぞれのパートを歌い終えると、サビでステージの高さも歌声も揃うという演出も盛り込まれていて、見どころいっぱいだった。曲調やテンポ、演出など緩急の付け方がうまくて常に目が離せない。

「さくらガール」ではトロッコに乗った3人が3方向へ発進。トロッコ下へ歌いかけるように寄りかかりながら増田が歌い始めると、ファンから歓喜の声が上がる。高さが変化するトロッコで、NEWSの3人は2階・3階・4階とまんべんなく視線を向けていた。

「Cherry Blossom Girl」「Distance」と続き、なかには小山・加藤のメインの声に増田がハモリをかぶせる場面もあり、3人それぞれの歌唱力にも驚かされる。「おもちですか!」では、3人集まってファンも真似しやすそうなかわいらしい振り付けでわちゃわちゃ。増田が札束を手にし、「現金って使えますか?」とドヤ顔を披露する場面も。

MCではフェスに出はじめてから男性が増えたという話や、「サブスク解禁もあってCDが売れるか不安もあったけどおかげさまで好調です。ありがとう」といった新曲の話から、今回のライブのプレイリストがサブスクで解禁されることも明かされた。

MCが明けると加藤のソロ「almond」がスタート。透過する紗幕越しに歌詞が映され、その中でパールのチェーン付きのメガネをかけたシャツ姿の加藤が、大人な雰囲気でパフォーマンスしながら、しっとりと心地よく歌い上げる。

続けて増田のソロ「kawaii」。レーザービームの中、のびやかな歌声でを聴かせながら、しなやかかつキレのあるダンスを披露。歌唱力に定評のある増田だが、ダンスも目を見張るものがある。ライトとともにくるりと回って、パフォーマンスを終えた。


「鳴神舞」で3人は和服からゴールドの長い羽織に着替えて登場。炎がバンバンあがり、バンドメンバーと肩を組んだり向かい合ったり、加藤・増田が向かい合って歌ったりとテンポよく力強いパフォーマンスを見せていく。

加藤の歌い出しから始まる「うらめしや」は、華麗なダンスの見せ場もあり、スモークも上がり、怪しげでアップテンポでラップもありと、かっこよさが詰まった1曲となっている。その勢いのまま、「ギフテッド」「Sweet Martini」「バンビーナ」とパワフルに、ムーディーに、セクシーにと様々な表情をみせるNEWS。この中には“NEWS カップリング楽曲投票2024”でランクインした楽曲も。

単独ライブでもフェスでも定番曲の「U R not alone」の映像が流れると、自然とファンから合唱が始まり、歌い切ったところでNEWSも参加。NEWSが全力を込めて歌っていることが感じられるからか、合唱の声も後半に向けて大きくなっているように感じた。間奏で小山が叫んだ「一人じゃないからねー!」というメッセージも心に響く。

「weeeek」ではNEWSだけでなく楽器隊もジャンプ。ファンも一緒にジャンプして会場が揺れていた。グッズであるNEWS キーホルダーを全身にちりばめた衣装を着ているNEWSも、もちろんキーホルダーが大揺れするほどジャンプしていて、本当にみんなが楽しんでいるハッピーな空間となっていた。

「We are Team NEWS」ではツアーTシャツを着たスタッフがステージを埋め尽くすほどの人数で登場し、NEWSと一緒にダンス。曲が終わると画面には「ツアー完走おめでとう!!」の文字が浮かぶ。完走を祝したメッセージやスタッフの登場は、NEWSにとってサプライズだったとのことで、スタッフに紛れて登場した振付師air:manにも驚いていた。「SUMMER TIME」ではファンと楽しく掛け合い、「フルスイング」では血管が切れてしまうのではないかと思うくらいの力を込めて歌い、最後の挨拶へ。

「みなさんの笑顔がステージの上からたくさん見られて、ほんとにほんとに幸せな時間でした。辛いことがあったとしても、これからもNEWSによりかかって生きていってください! これからもNEWSとともに生きていきましょう」(小山)

「ただいま紹介にあずかりました、僕が日本を代表するアイドル増田貴久です。僕はNEWSの音楽が大好きです。ちょっと手前味噌、手前ミソスープになってしまいますが、NEWSの曲は自分への応援歌になることもあります。みんなにとっても、何かになれるような曲や活動をしていけたらなと思っています」(増田)

「NEWSかっこよかったでしょ? NEWSが1番でしょ? 俺もそう思う! そう、これが自己肯定感。みんな、自分愛していこうよ! 生きてりゃ辛いこともある。俺もこの会場来る前に1つ原稿を終わらせてきました。本が出たり、グッズが出たり、ライブに行くってことはお金がかかります。たくさん楽しいことをするために僕たちは働くんです。いきますよ、労働!(ファン:労働!)勤労!(ファン:勤労!)僕がみんなに伝えます。毎日が勤労感謝の日!」(加藤)

続けて小山が締めの言葉、“僕たちの名前は?”に“NEWS” とファンが答えるライブ定番のやりとりが行われ、「日出づる処」を強く丁寧に歌い上げ、ライブは終幕を迎えた。

ライブ全体を通して、歌詞をいろいろな場所に投影し、歌うだけでなく視覚からもメッセージを伝えてくる演出があり、曲を大事にしていることが伝わってきた公演だった。そして、かわいいもかっこいいもパワフルもセクシーも、どんなジャンルもこなすメンバーの表現力に脱帽。今回の公演にはカメラが入っていたとのことなのでライブ映像で再び見れることを期待したい。そして次ツアーも楽しみに待ちたい。

文◎吉田 藍

セットリスト

JAPANEWS
ROOOTS
NEWSニッポン
BLUE
チャンカバーナ
FIREWORKS
JANGARA
本 ス テー ジ
カランコロン(小山ソロ)
origami
バタフライ
さくらガール
Cherry Blossom Girl
Distance
おもちですか!
almond(加藤ソロ)
kawaii(増田ソロ)
鳴神舞
うらめしや
ギフテッド
Sweet Martini
バンビーナ
U R not alone
weeeek
Weare TeamNEWS
SUMMER TIME
フル スイング
日出づる処
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