【鼎談】coldrain × HEY-SMITH × SiM、TRIPLE AXE<THE LAST TOUR>の真実を語る「今まで考えてもなかったようなことが起きるかもしれない」

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現在の日本のラウド/パンクシーンを代表するcoldrain、HEY-SMITH、SiMの3バンドによる3マンツアーとして2012年にスタートして以来、12年間続いてきた<TRIPLE AXE TOUR>がツアー活動の封印を発表して、2024年の7~8月、<TRIPLE AXE THE LAST TOUR 3MAN SHOWS>を開催した。

◆TRIPLE AXE 画像

そして、計5公演で行われた同ツアーから、<TRIPLE AXE TOUR>史上最大規模となった8月21日のファイナル公演(@千葉・幕張イベントホール)の模様が、10月31日19時からABEMA PPVにて独占配信されることが決定した。

それに合わせて、ABEMAで無料配信されるスペシャルトークの収録のため、スタジオに集まった3バンドのフロントマン──coldrainのMASATO、HEY-SMITHの猪狩秀平、SiMのMAHがBARKSのインタビューに応え、<TRIPLE AXE TOUR>の12年間を振り返りながら、ツアータイトルに掲げた“LAST”という言葉とは裏腹に<TRIPLE AXE TOUR>の夢のある未来についても話してくれた。


   ◆   ◆   ◆

■TRIPLE AXEとしてやったことがないことで
■やりたいと思っていることがあるんです


──最初に、まず一点確認させてください。TRIPLE AXEのウェブサイトに「更なる飛躍を求めツアー活動を封印することを決断」と書いてありますが、ということは、封印するのはツアー活動だけということなんでしょうか?

猪狩:すごい的確な。

MASATO:いきなり芯を食ってきますね。

猪狩:誰もそこに気づいてなかったのに。

──えっ、じゃあ単発のイベントはやるかもしれないんですか?

MAH:そうですね。それについて、俺らはウソはついてないし、ウソも書いてないし。

猪狩:別に言っちゃってもいいと思うんですけど。もっとも、まだ何も決まってないですよ。

──はい。決まってはいないけど。

猪狩:俺はやりたいと思ってます。ツアーっていうのは難しいかもしれないけど、またこの3組で集まって、何かやるってことはやりたいです。

MASATO:しかも、やったことないことで。


▲MASATO (coldrain)

──やったことのないことで?

MASATO:はい。TRIPLE AXEとしてやったことがないことでやりたいと思っていることがあるんですよ。

MAH:ここで話していいの?

MASATO:いや、やりたいことはありますってことだけだよ。

MAH:だって、<THE LAST TOUR>って謳ってるのに何かやりますって書いてあったらおかしくない?

MASATO:でも、普通にライブを単発でやるって思われてもイヤじゃん。

──あー、確かに。

MASATO:ダサってなると思う。

猪狩:いや、全然言っていいんだけど。

MAH:TRIPLE AXEは、この3人の間でこういうやり取りが毎回あるんですよ(笑)。

──なるほど(笑)。

猪狩:ただ、まだ固まってないんで、やりたいことはあるけど、まだ何もわからないというのが正直なところです。


▲猪狩秀平 (HEY-SMITH)

MAH:“TRIPLE AXE”って3文字に省略されるとき、“TAT”ってなるんですけど、つまり<TRIPLE AXE TOUR>なんですよ。一番最初がツアーだったから、その頭文字を取って物販にTATって使ったのかな。それがファンにも浸透して、“なんだか泣いてる顔みたいだし”みたいに。そう、だから、ツアーが基本で、単発でやるのがイレギュラーだったんですよね、今までは。俺らとしては、TRIPLE AXEを一回休止するよっていうのはイコール、ツアーをするのはやめるよってことなんです。

──はい。

MAH:やっぱりツアーをやるってなると、よくある東名阪札福の5本だったとしても、2週間ぐらいはスケジュールを確保しなきゃいけない。それを毎年やるって、ものすごく大変なことなんです。そういう意味で、これからも毎年ツアーをやるとは思わないでほしいっていう。「来年もツアーあるんでしょ」って言われると、正直、ちょっときついっていうのもありました。それで一旦ツアーはやめますっていう。<THE LAST TOUR>の時、MCでもそれは言っていて、だからTRIPLE AXEそのものをやめるわけではないんですよ。

──やめるわけではないというところで、すでにツアー以外のことでやりたいことが具体的なものとしてあるわけですね?

MASATO:それを俺が言いかけて、さっき怒られました(笑)。

猪狩:いや、そんなことはないけどね。でも、そこにそんなに言及してくれる人はいなかったんで。

MAH:そうだね。みんな最後のTRIPLE AXEって雰囲気だったもんな(笑)。

──ところで、TRIPLE AXEを12年間続けてきて、一番良かったことは何でしょうか?

MASATO:12年間やれたことじゃないですか、まずは。

猪狩:俺はもう絶対に解散せずにHEY-SMITHを続けられたことですね。ちょうど半分ずつぐらいになったんですよ。オリジナルメンバーと新たに加わったメンバーが。で、今も一緒にライブできてるから、ほんまやめずによかったと思うんですけど、それはやっぱりTRIPLE AXEがあったからというのがかなりあります。


▲MAH (SiM)

──MAHさん、いかがですか?

MAH:いっぱいあるんですけど、最近のことで大きかったのは、俺、コロナ禍で仕事が全部ぶっ飛んでなくなった時に、めちゃくちゃ病んでたんですよ。妻にも「激ヤセして心配だ」って言われてたし、夜中に、ぶわって目が覚めて、“あぁ~~~~”みたいな。それくらいすべてを取り上げられた感覚があって。でも、その中でもおぼろげに、こんな方法だったら音楽を続けられるかもと思ったことを、HEY-SMITHとcoldrainにだったら言えたんですよね。しかも、彼らに言ったら、もうやるしかないんですよ。

──やらざるを得ない状況になってしまう、と。

MAH:そう。この2バンドに言うってことは、やるってことだから。実際、彼らがいてくれたおかげで配信ライブもやれたし、一緒に合宿して、音楽を作り始められたし、すごく救われた。それがTRIPLE AXEやっていて、良かったって思うことですね。

──12年間続けてこられたってすごいことだと思うんですけど、12年間続けてこられたのは、この3バンドだからというところがやはり大きいんですか?

猪狩:そうだと思いますよ。

MAH:うん。

猪狩:仲がいいバンドや、MAH、MASATOよりもプライベートで会うバンドマンもいますけど、そいつらと3マンで12年間続けられるかって言われたら、それはもう全然別の話になる。TRIPLE AXEだから続けられたんだと思います。

MAH:そうだな。

猪狩:みんな違っていてよかったです。

──あー、音楽性も、性格も。

猪狩:そう。

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