超特急、4万人のファンと美しきレールの先に輝く夢の実現を誓ったKアリーナ横浜公演
4月より全国9都市を回るホールツアー<Rail is Beautiful>を行っていた9人組ダンス&ボーカルグループ超特急が、そのファイナルとなる追加公演を8月27・28日にKアリーナ横浜で開催した。今ツアーのテーマはタイトルからも明らかなように、ズバリ“美”。演出プロデュースを務めるユーキの指揮のもと、多彩な超特急楽曲を“美”で再定義・再解釈した構成に、これまでのツアー全15公演とその期間に得た経験値をすべて注ぎ込んで、まさしく集大成ともいえるステージを展開。美を象徴する“花”を随所でモチーフとしながら、史上初のメインダンサー&バックボーカルグループの本領をいかんなく発揮していった。27日にはニューシングルの発売、28日には年末から年をまたいで開催される東名阪アリーナツアーも発表。2日間で合計4万人の8号車(超特急ファンの呼称)と、最高の夏の思い出を作り、美しきレールの先に輝く夢の実現を誓った。
“超特急らしさ”を追求した1st EP『Just like 超特急』を4月17日に発表して以降、地上波の音楽番組にも多数出演して、クール&セクシーな「Steal a Kiss」や変顔が炸裂するシュールな「ジュブナイラー」など、ギャップありすぎな二面性で旋風を巻き起こしてきた彼ら。その人気はツアーの期間中にも急上昇し、全公演がソールドアウトとなって決まった今回の追加公演も、一昨年に9人組の新体制となって以来の最大キャパシティにもかかわらず、2デイズとも完売という勢いだ。満員のオーディエンスが詰めかけたKアリーナに、開演時刻になると普段の発車ベルとは異なる優美なBGMが流れ、花びらで飾られた紗幕がドロップ。そしてステージ上のLEDパネルが花で埋め尽くされ、その向こうに大きな花のオブジェの前でポーズを取る9人の姿が透けて現れる。なんとも繊細でファンタジックな登場に、推しメンカラーに光るペンライトと歓声でいっぱいになった場内に届けられた1曲目は、ウエディングソングの「Yell」。それぞれのイメージカラーをベースにした抑えた色調のセットアップに身を包み、ノーブルな雰囲気で柔らかな微笑みを浮かべる9人は、まさに花婿を思わせるたたずまいだ。天まで抜けるような歌声を聞かせるタカシとシューヤの前でダンサー7人が舞うという、メインダンサー&バックボーカルの理想形を表したパフォーマンスも、とにかく優雅の一言。さらにシューヤのたっての希望で、会場内に濃厚な花の香りが漂う仕掛けもあり、目と耳だけでなく、五感のすべてから超特急の“美”を8号車に注ぎ込んでいく。
そんな驚きに満ちた幕開けから、序盤戦では超特急の楽曲が持つ美しさを多角的にフィーチャー。続く「シャンディ」ではサイズの異なるモニターが不規則に並ぶ退廃的な映像効果も借りながら、歪んだ愛をエモーショナルかつシリアスな表情で歌い踊って、幻想的でヒリつくような美しさを。「Four Seasons」では花枠に飾られたビジョンに映る軽快なダンスをなめらかなボーカルが彩って、季節ごとに咲く花の美しさを温もりいっぱいに表していく。ジェントルでエレガント、かつロマンティックに振り切った始まりは“Beautiful”をタイトルに掲げる今ツアーならではで、「Kアリーナ、みんなと最高の景色作っていこうぜ!」とユーキが声をあげると、9人は「Magnifique」でステージ左右のウイングに大きく展開。世界の美しさを爽快に歌い上げ、この広い空間を8号車と共有できる喜びを確かめあい、カイははにかむような笑みと投げキスをカメラに贈る。そこからアリーナ席中央に設えられたセンターステージへと進み、続いたのは「a kind of love」。「みんな一緒に!」とリョウガが誘い、コミカルな動きやメンバー同士のじゃれ合い、大胆な変顔を取り入れた“らしい”ダンスで客席を揺らしていくが、それもストリングスの美しい音色と“君が必要”と歌う切実なメッセージと合わさることで、切なくも温かな多幸感へと昇華する。優しさと激しさ、愛らしさとクールを駆使し、さまざまな“美”を表現しながらも、超特急としての強いメッセージもしっかり訴えていく――これぞ“ザ・超特急”なスタイルだ。
台風10号の到来で一度は開催が危ぶまれていただけに、ユーキは「無事に開催できてよかった!」とMCで喜びをあらわに。それぞれが気合を表明し、この公演を前に短髪にしたタカシも「楽しみすぎて髪の毛切りすぎてもうた!」と宣言する。そんな自己紹介と気合をそれぞれが表し、ひとりステージに残ったユーキは今ツアーで恒例となった一発芸を披露。FODでの配信や収録も入っていた2日目の最終公演では、事前に考えてきたというじゃんけんネタで、場内の喝采をさらった。
しかし車掌姿のシューヤが「ここ、ライブ会場じゃないんですよ! 駅のホームですから早く出てください!」とユーキを追い出してからは、メインステージに電車のパネルがイン。学生服のリョウガ、タクヤ、マサヒロとサラリーマンのハル、そしてラフな私服スタイルのカイ、アロハが電車に乗り込むと、車掌の制服を着たタカシ&シューヤの生歌に合わせ、ミュージカル形式で楽曲を綴っていく。安全と8号車の笑顔を確認した2人が「この電車は『Rail is Beautiful』行きとなっております。それでは出発進行!」と宣言し、「Rush Hour」にもまれて6人は踊るが、ステージ上段に登場した赤いドレスのユーキ……ならぬユー子にアロハはひとめ惚れ。カイやハルとダンスで掛け合いながら「Pretty Girl」で猛アピールして、ユー子を抱きかかえるようにリフトすると、赤い薔薇を手渡して遂に告白に成功する。そこからディナーにエスコートしてデートに進むものの、テーブルマナーに戸惑う姿を「Table Manners」の歌詞に合わせて演じるアロハの後ろには、ウェイタースタイルでダンスするリョウガ、タクヤ、マサヒロが。パニックに陥った心情を「panipani」で表し、ユー子に無理矢理キスしたアロハは、リョウガと共に「Kiss Me Baby」のキレキレなダンスで、いきなり色気をダダ漏れにする。だが、そこにオレンジのワンピースを着た本カノ役のハルが「ちょっと! なに浮気してんのよ!」と登場するなり、警察官のカイが「愛と正義のパトロール!」と現れて「POLICEMAN」でアロハとハルを元サヤに収め、仲直りのキスで一件落着。最後は車掌にカップル、ウェイターに警察官と、なかなかのカオスなビジュアルで「ラキラキ」を全員で楽しく踊り、客席に“yeah!”のコールを湧かせていった。物語に合う楽曲をチョイスし、それを歌うボーカルに合わせてダンサーが演じるというコミカルなパフォーマンスは、史上初のメインダンサー&バックボーカルというグループ構成に、10年を超えるキャリアで豊富な楽曲レパートリーを持つ彼らだからこそ。そこに加入から2年で果敢に喰らいついていくシューヤ、マサヒロ、アロハ、ハルと2桁号車の4人も頼もしく、加えてユーキとハルは公演を重ねるごとにビジュアルの可愛らしさに磨きがかかっていた。そんな変身力もパフォーマーとしては確実に1つの武器になるだろう。
「まだまだ素敵な旅は続きます。それでは出発進行!」というタカシの号令からは、さらに“美”の象徴とも言える“花”の物語を表していく。LEDには超特急BULLET TRAIN号に乗ってくつろぐメンバーの映像が映り、最後に真っ白な服でたたずむ9人と、ステージに現れたリアルの9人が完全にシンクロ。そしてセンターで掌から花の種を落としたタクヤが突如、猛烈な蹴りを繰り出して「Cead Mile Failte」を投下すれば、LED上では種から出た芽が真っ赤な花となる。重低音のシンフォニックなトラックに乗るアグレッシブでダイナミックなダンスは、裾の長い白衣装によく映えて、シューヤの圧倒的フェイクから歪んだ声で“摘ませない花を”と叩きつけられるツインボーカルも力強い。続いて、新体制では今ツアーが初披露となった「Beautiful Chaser」は、タカシとシューヤが仰向きに横たわったままで歌う幕開けで驚かせたのに加え、ダンサーが7人と増えたことによりパフォーマンスの迫力が大幅アップ。エレキギターが鳴り響くへヴィロックと猛烈な勢いで噴き上がるファイヤーボールを背に、何よりモニター越しに凄まじい目力で圧倒するユーキはまさしく悪鬼の様相で、先ほどまでのユー子ちゃんとのギャップで観る者を震え上がらせる。まばたきすら許さず釘付けにしたパフォーマンスの衝撃を、スローなハーモニーで鎮めたのは、続いてボーカル2人だけで歌われた「霖雨」。だが、エモーションの強さは絶妙な揺らぎを聞かせる歌声からも明らかで、その波動がまた1つの美しさを生み、曲終わりにダンサーが合流してからは「Thinking of You」へとつないでいく。センターに立つタクヤはメンバーの間を行き交いながら“君”を想うひたむきな物語を描き出し、LEDに映る月夜の花畑とボーカル2人が重ね合うフェイクが繊細にコラボレート。最後は「Cead Mile Failte」で咲いた赤い花をタクヤが掲げて、超特急のパフォーマンス力を見せつけた“花”ブロックの幕を閉じる。時に激しく叩きつけるように、時に儚く抱きしめるように。人が一生で味わう感情を、さまさまなに描き出した楽曲で、それぞれの“美”を映し出す彼らの多彩な表現力は、新体制となって以来ライブにテレビ出演、俳優活動と、すべての経験から還元されたものであるに違いない。
そんな豊かなパフォーマンスをビジュアル面からも支える衣装は、今回もカイのプロデュースによるもので、演出プロデュースを務めるユーキの伝えたいメッセージを落とし込んだものだそう。例えば、ここで着ている衣装は白地に白糸で花や植物の模様が入っており、その模様に込めた想いについて、ユーキは「タクヤが手から種を落としたということは……?」とヒントをくれた。その白衣装はボーカル2人でステージを預かり、センターステージに進み出て「今、目の前にいる大切な人や特別な存在を、より大切に思える。そんな楽曲を用意しました」(タカシ)と歌い上げた「Holtasoley」にもぴったりとマッチ。会場の真ん中から“そばにいるよ”と放たれる力強いボーカルは包容力満点で、互いに見つめ合いながら紡がれるハーモニーは至上の美しさだ。2人の頭上に集められた光の効果や星空のように瞬く照明と相まって、まるで天上にいるかのような幸せな心地を味わわせる。湧き起こる拍手にタカシが「ありがとう」と告げると一転、スレンダーな黒衣装に着替えたダンサーによるダンスブリッジがメインステージで開幕。いきなりバク宙をかますユーキを皮切りに、鍛えあげられた筋肉を自在に駆使するマサヒロ、センスの良いアクションで妖艶な空気感を醸すカイと、イメージカラーの照明を浴びて順にソロダンスを披露する。突然センターステージに現れたリーダー・リョウガが、しなやかに身をしならせて歓声を呼べば、ハルは溌溂とブレイクダンス。流れるような動きでセクシーに魅せるタクヤ、速いテンポでフロアに舞うアロハと個性を表したところにボーカルが加わってからは、煽情的なナンバーで超特急のボーカル&ダンス力を堪能させ、8号車の体温を上げる危険なブロックに突入する。
まず、最新EP『Just like超特急』の収録曲であり、数々の歌番組でもパフォーマンスしてきた「Steal a Kiss」では、頬に、口に、首筋にキスを求め、曲中の「こっち向けよ」(アロハ)、「素直になれよ」(タクヤ)という生声台詞には黄色い悲鳴が。燃え上がる8号車の心を表すかのようにスパークラーの火花も熱く打ちあがり、クライマックスで「好きなんだろ」と笑って舌を出すユーキがトドメを刺す。“ヤバい予感”を歌う「MORA MORA」では獣が喰らいつくような表情をアロハが見せたり、シューヤはマイクを逆手で持って歓声を浴びたりと、仕草、振り、表情のすべてが“ヤバい”そのもの。曲中にスリリングなダンスパートも盛り込まれ、楽曲の誘惑度をさらに上げていった。そこにマサヒロがチェアを持ちこみ、シューヤのウィスパーにタカシがフェイクを乗せて「Body Rock」へ。全英詞の粋なムードと暗がりのなかで、チェアを愛おしみ、もてあそぶようなダンスで腰を揺らす彼らは、黒い衣装を身に着けた細身のシルエットだけでも抜群に美しい。ゆったりとしたうねるビートは、しかしおなじみの人気曲「We Can Do It!」でアッパーに炸裂。レーザーが派手に飛び交うステージの上、メンバー同士で顔を寄せ合い、頭を抱き、身体をなぞって8号車を狂喜乱舞させた。ちなみに「Body Rock」も新体制となって今回のツアーが初披露だったが、回を増すごとにセクシーのメーターは振り切れ、ブロック自体の魅力を引き上げ。ボーカル面でもフェイクやファルセットの自由度が増し、感情の迸りが声になって現れる場面も多く、ツインボーカルの醍醐味を華やかに花開かせていった。
広大なKアリーナの場内温度が明らかに上昇したところで、メンバー名を順にコールする「Call My Name」からは、ダメ押しとばかりアッパー曲のメドレーで8号車をアゲまくる。「My Buddy」では9人と一緒に踊る8号車のペンライトが壮観な光の海を作り、その光景にタクヤも“超特急!”“最高!”とコール。「Secret Express」のイントロが鳴れば客席は“Tic Tac Tic Tac”の大合唱となり、「超えてアバンチュール」では「ヘドバンタイム!」というリョウガの煽りで光の海が大揺れする。打ちあがるファイヤーボールを背に9人でセンターステージへと駆けだすと、タクヤはカメラに顔を押しつけて「盛り上がれ!」と「SAY NO」で過激にチアアップ。さらにマサヒロが「ラストまで盛り上がれ!」が煽ってからは、なんと2桁号車がアリーナ通路に下りて、楽曲のエキセントリックなパワーを客席内から爆発させる。ステージに戻った彼らを囲んでスパークラーの火花が噴き上がり、続く「Burn!」では今度は1桁号車がアリーナ席へ。8号車のど真ん中でバッテンダンスを先導し、曲中の落ちサビを初日はタカシとシューヤが、2日目は9人全員で歌って、2万人の8号車がペンライトの光を捧げるという絶景を作り上げた。必死になってペンライトを振り、コールする8号車の懸命な姿は間違いなく美しく、これこそ超特急の最も伝えたかった“美”ではないかと気づかせる。
Kアリーナ公演の初日となった27日には、ユーキが「1曲目に、この景色を見て泣きそうになった。初めて見た景色で、すごく綺麗で幸せいっぱいでした」と明かすと、ハルも「僕も1曲目から危なかったんです。すごく幸せだなって思える瞬間の一つでした」と同意。そして翌日の最終公演で、ユーキは熱い想いの丈をぶちまけた。
「ホントに今、心から楽しいです。不安とかは一切なくて、メンバーと8号車とスタッフの皆さんと一緒に、こんな素敵な景色を迎えられたのが本当に嬉しいです。だってさ、超特急、常に最高更新してるんだよ? それができているのも元からいた1桁号車の5人に、入ってくれた2桁号車の4人、新しく乗車してくれた8号車、昔からいる8号車。すべての皆さんがいたから、今こうしてこのステージに立ててます! まだまだ夢に向かうから、その夢に向かって、最後にこの曲を贈ります」
そうして贈られたのは、この9人での始まりの曲でもある「gr8est journey」。ステージ上段のLEDパネルが開いて再び現れた花のオブジェは満開に咲き誇り、彼らがこのツアーで果たした進化をハッキリと表していた。決意の籠もったダンスは“次のステージへ さあ向かおう”の歌詞をかつてなくリアルに伝え、タカシとシューヤは見つめ合いながら“僕が君の事 連れて行こう”と、声を高ぶらせながらユニゾンで歌い上げる。8号車とメンバー、スタッフとメンバー、そしてメンバー同士と、お互いに手を取り合い、美しきレールを走っていく超特急というグループの在り方が、そこから痛いほどに伝わってきた。最年少のハルで始まったカウントアップを、リーダーのリョウガが締めくくり、8号車と共に“エイト!”と声をそろえるのも、そんな人間味あるスタイルの表れ。気づけばメンバー全員で選んだという花の香りが、オープニングと同じように漂い、銀吹雪が舞うなか「一緒に歌おう!」と叫ぶタカシに応えて、客席は大きく揺れるペンライトと合唱の海になる。9人がオープニングと同じポジションに戻るとパネルが閉まり、LED上で花畑を疾走するBULLET TRAIN号は、やがて8号車カラーのピンク一色に。超特急が向かう先は、常に8号車の元――そんな嬉しいメッセージを残して、本編は幕を閉じた。
アンコールは舞台裏ではしゃぐ彼らの生中継で始まり、映像の中から飛び出すようにステージ中央に登場した9人は、そのまま「Summer love」でセンターステージとウイングに疾走。客席にサイン入りお手玉を投げ込みながら、表情豊かに夏の恋のときめきを描き出していく。超特急の鉄板サマーチューンでタクヤは指ハートやピースを飛ばし、「お前らツアー楽しかったか!」と煽ったシューヤは、キメの“I love you…baby”で嫌がるリョウガとハートを作る。そんな楽しいひと時の後、9人は新体制史上最大キャパシティのステージに立てた喜びと感謝を口々に告げながら、4ヶ月にわたるツアーの最終日には想いをあふれさせた。
アロハは2万人の前でパフォーマンスできていることに「“頑張ってよかったな”って思う」と告げ、「gr8est journey」前のユーキのMCに触れて「期待を超えるような、もっともっと応えられるような人間になって感謝を伝えたい」と宣言。同じくユーキの言葉について「メチャメチャきました!「gr8est journey」前に泣かせるんじゃないよ!って」と言ったシューヤも、「マジで行けると思ってるんで、これからも俺ら9人についてきてください!」と強気を表しつつ、目を潤ませていた。当のユーキは「僕たち超特急が、8号車の生きる糧……生きる車両になれたら」と伝え、マサヒロは「みんなに追いかけ続けたいと思わせるアーティストであり続けるので、これからもビッグニュース楽しみにしててください」と胸を張る。さまざまな準備をして平日のライブを迎えてくれた8号車が2万人もいることに言及したカイは「2万人、それ以上の方々の2時間だけじゃなく、人生を背負ってパフォーマンスしないといけない」と、オーディエンスに対する責任を明言。タカシも「こうやってみんなを笑顔にしていくことが僕たちの一番求めていること、超特急の責任、任務だと思っています。だから、これからも明るい太陽のように8号車を照らして、笑顔にできるように、どんどん突っ走っていきます」と笑顔を見せる。
タクヤは8号車それぞれの人生があることを踏まえて「僕たち超特急が、みんなの背もたれになりたいなと思ってます。しんどいときに寄りかかって、フッと息を抜ける場所になってほしい。だから、明日から元気にいってらっしゃい!」と語りかけ、8号車の心を震わせた。そして8号車の「頑張れ!」の声援を受けながら「当たり前じゃないことが……どれだけ大切なんだろうなってことが、すごく身に沁みてわかって。こうやってライブができていることがすごく、すごく幸せです」と声を震わせたのはハル。「今回のツアーの中で驚くことがたくさんあった」と語るリョウガは、そんなハルの泣き顔について「酷い顔になるはずが美しかった」とべた褒めし、「何より8号車の方々が、僕たちの美しさというものを感じ取って、きっとビックリしたんじゃないかなって思っています」とおどけてみせた。
しかし、そう言う彼自身が超特急ならではの美しさを見せつけることとなり、続いて「ジュブナイラー」をコールするや、ド頭から“ばっちこいや!”のコールが場内にこだまする。センターで変顔とガヤを繰り出すリョウガを筆頭に、ブートキャンプ風の全力ダンスはかなりの消費カロリーだが、ツアー初日に比べると格段の余裕で歌いこなし、踊りこなしてみせるのはさすが。そこに “傷つくことを恐れずひたすら走れ!”と泣けるメッセージが仕込まれているのも超特急流で、さらに「8号車が俺たちのこと応援してるように、俺たちも8号車のこと応援してるから! 一緒に歌って1つになりましょう!」とユーキが「fanfare」への号令をかける。センターステージに出た9人は思いの丈を歌に、ダンスに込め、感無量の表情でユーキが手を差し出すと、キャノン砲から銀テープが!「最高だよ!」と8号車の合唱を称賛したシューヤは、さらにタカシと繊細にフェイクをかけ合わせ、壮大な空気を作り出してライブのフィナーレを美しく飾っていった。
ライブを終えると8号車に挨拶すべく、メンバーはステージを端から端まで爆走し、センターに戻る際にはユーキが素晴らしく美しい連続宙返りも披露してみせた。また、最終公演では客席をバックに写真&動画撮影も。8号車と一緒にツアータイトルをコールして、ユーキは「皆さんと走ってきたこの道のりを振り返ってみたら、本当に美しい景色だと思います。超特急はまだまだ走り続けるので、みなさんの力で超特急を大きくしてやってください!」と普段よりも長く、深く、頭を下げる。その言葉を証明すべく、終演後には嬉しい新情報も告知。27日には21枚目のシングル『AwA AwA』(アワアワ)が11月6日にリリースされること、28日には全国4都市を回るアリーナツアー『Joker』が年をまたいで行われることが発表された。12月20・21日の大阪城ホールを皮切りに、結成記念日の12月25・26日には国立代々木競技場 第一体育館、年明けの1月4・5日にはAichi SKY Expo(愛知国際展示場 ホールA)、そして1月28・29日には横浜アリーナと、東名阪+横浜を全8公演で回るツアーは超特急史上最大規模のもの。黒一色に身を包み、グローブをはめて不敵な笑みを浮かべるティザー映像も、これまでの超特急とは一味違うイメージを提示して、期待を掻き立てずにはおかない。
“美しさ”とは何なのか?――ツアーが始まった当初から彼らが投げかけてきた問いに、彼ら自身のパフォーマンスが示した答えを紐解くならば、最も超特急らしい“美しさ”とは決してあきらめずに己の信じた道をひたむきに進むことだろう。事実、ツアー中にユーキは「困難の先に生まれる美があると思う」「綺麗だけが美しいんじゃなくて、頑張ってる姿が美しく思える」とも語っていた。幾多の困難の果て、ようやく見出した“Beautiful”のただ中にいる現在の超特急。その次のステージに“Joker”というワイルドカードを用意した彼らには、無敵の未来が広がっている。
文:清水素子
写真:米山三郎・笹森健一
セットリスト
M2:シャンディ
M3:Four Seasonz
M4:Magnifique
M5:a kind of love
M6:Rush Hour
M7:Pretty Girl
M8:Table Manners
M9:panipani
M10:Kiss Me Baby
M11:POLICEMEN
M12:ラキラキ
M13:Cead Mile Failte
M14:Beautiful Chaser
M15:霖雨
M16:Thinking of You
M17:Holtasoley
M18:Steal a Kiss
M19:MORAMORA
M20:Body Rock
M21:We Can Do it!
M22:Call My Name
M23:My Buddy
M24:Secret Express
M25:超えてアバンチュール
M26:SAY NO
M27:Burn!
M28:gr8est journey
EN1:Summer love
EN2:ジュブナイラー
EN3:fanfare
リリース情報
発売日:2024年11月6日(水)
特設サイト:https://bullettrain.jp/21stSingle/
ライブ・イベント情報
追加公演
8月27日(火)Kアリーナ横浜 OPEN 17:00 / START 18:30
8月28日(水)Kアリーナ横浜 OPEN 16:30 / START 18:00 ※Thank you! SOLD OUT!!
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