【ライブレポート】10-FEET、全31曲150分超えの横浜アリーナワンマンは最高の祭り「ブチかませ!俺らが全部、受け止めたるわ!!」

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10-FEETが5月19日、屋内公演としては自身最大規模となるアリーナワンマンライブ<10-FEET ONE-MAN LIVE 2024 〜急なワンマンごめんな祭〜>の横浜アリーナ公演を開催した。

◆ 10-FEET 画像

全国ツアー<10-FEET “コリンズ” TOUR 2023>のツアーファイナルとなった2023年11月23日の沖縄ミュージックタウン音市場公演で、突如開催発表されたのがアリーナワンマンライブ<10-FEET ONE-MAN LIVE 2024 〜急なワンマンごめんな祭〜>だ。2024年4月24日には京都市勧業館 みやこめっせ3F 第3展示場で、そして、5月19日に神奈川 横浜アリーナで行われた自身初のアリーナ単独公演より、横浜アリーナのレポートをお届けしたい。

定刻から10分過ぎた18時10分のこと。暗転直後、SE「そして伝説へ」が流れると、客席全てを覆いつくす勢いで、10-FEETや京都大作戦のタオルがオーディエンスによって掲げられた。10-FEETの巨大ロゴがステージ上に映し出される中、赤いライティングが徐々にトーンを強めると、オーディエンスのハンドクラップも大きくなるばかり。それに応えて軽い足取りで順にステージに現れたKOUICHI(Dr, Cho)、NAOKI(B, Vo)、TAKUMA(Vo, G)の3人。



「よっしゃ、いこうか!」──TAKUMA

TAKUMAのその言葉に、さらにでかい声で「ヨコハマー!!」と重ねたのはNAOKI。「いけるかー! この曲や、レッツゴー!!」とTAKUMAは畳みかけ、直後、KOUICHIのハイハットによるカウントを合図に「goes on」へ突入した。客席エリアを埋めつくす12000人が、すでに高まった高揚感の限界を、さらに超える勢いで興奮を炸裂させた。歌いながらも、TAKUMAは「会いたかったぜ、おまえら。ほんまに!」と素直な気持ちを口にすると、12000人も歓喜と狂喜の大歓声で気持ちを10-FEETにぶつける。のっけから熱くて強い相思相愛ぶりだ。

その熱と勢いを激盛りしながら曲を次々に繰り出す10-FEET。最近のフェスのステージではあまり聴けていなかった「hammer ska」や「2%」をはじめとする数々の曲に加え、「10-FEETファンがやたら、“やれやれ”とうるさい曲」とTAKUMAが語った「火とリズム」、「めっちゃ古い曲。知らん曲だったら、新曲やと思って聴いといて」(TAKUMA)と23年前に2ndシングルとして発表した「PLANLESS」も放り込む。




さらに、TAKUMAの突然のムチャぶりによって、通常はTAKUMAの叫びから始まるところをNAOKIが野太い声で“JUST A FALSE! JUST A HOLE!”と叫んだ「JUST A FALSE! JUST A HOLE!」へ。そして、これまたTAKUMAの「俺の真似して」というムチャぶりで、KOUICHIが戸惑いながらもギターリフを口で歌い、そこにTAKUMAが本物のギターでリフを重ねて「BE NOTHING」に入るという荒ワザも。どれだけライブを重ねていても、二度と同じライブをしないのが10-FEETだ。すでに結成から27年目で、ベテランの域に入っているとも言えるが、この日はバンド結成当時のようなふざけ方も遊び心も無意識のうちにやっちゃうし、3人の微笑ましくなるやり取りが随所にあった。初々しさまでにじみ出るライブだ。

しかしライブが中盤を迎えたころには、人として、バンドマンとして、様々な経験を重ねてきた10-FEETがステージにいた。最新シングル「Re方程式」に続いて演奏された「シエラのように」「BUZZING」「深海魚」が沁みる。悲しみや辛さを解きほぐし、優しく抱きしめてくれるメロディやメッセージを持つ曲を3人は響かせ、そしてTAKUMAは言葉も重ねた。


「最近、調子いいやつ、いいことあったやつ。おめでとう! 幸せが長く続きますように。うまくいってないやつ、いいことありますように。病んでるやつは、プライド高いやつが多かったり、負けず嫌いが多かったり。せやけど、それ以上に優しいやつが多いと思います。俺は嫌いじゃないです。俺も根暗やし、明るくなりたいと思って、こんな感じで“ハーッイ!!”って言うてるし。イジメられてるやつ。俺もイジメられてたからすごく分かるし。その孤独感、後々、絶対にすごいエンジンになるから。思いっきり大事なものを照らす光に必ず変わるから。だから、あきらめんな。そんな気持ちいっぱいでやっています。悲しみは、怒りは半分に。嬉しいことは倍に。それがライブやろ!」──TAKUMA

ここから広がった「アンテナラスト」は、亡くなった祖母への気持ちと、祖母がくれた深い愛情をTAKUMAが綴った曲でもある。目の前からいなくなって初めて分かる大切さと、だからこそ気づく、どんなときも受け止めてくれた優しさと強さ。そうした状況を自分に当てはめ、共感し、涙も滲ませる12000人だった。


だがそんな感動のまま、この日のライブは終わらなかった。印象的なリフから始まる「RIVER」、すでに説明不要の「第ゼロ感」という有無を言わせないキラーチューンを連発。それどころか、急遽、NAOKIの発案で「1sec.」、KOUICHIのリクエストで「STONE COLD BREAK」まで緊急追加。10-FEETはバンドサウンドとエネルギーを12000人に容赦なく浴びせ続け、12000人のオーディエンスも遠慮なくシンガロングして全身で喜びも炸裂させる。

さらに曲が続く中、TAKUMAは「悲しいことあったやつ、苦しいことあったやつ、ブチかませ! 俺らが全部、受け止めたるわ!!」と力強く言い放った。完全に解き放たれたオーディエンス、クシャクシャの笑顔だ。それを目にして満足そうな表情の3人。

「元気でな。幸せになれよ。俺も頑張るから、おまえらも頑張れよ!」──TAKUMA


10-FEETからの熱いエールが12000人の胸に響き続けた。またアンコールでは、音源未発表ながら関西のABCラジオとABCテレビ『2024 ABCプロ野球テーマソング』に起用されている「gg燦然」も披露。

さらにタオルが咲き乱れながらの「CHERRY BLOSSOM」。TAKUMAのムチャぶりで「BUZZING」を再びやるのかとNAOKIとKOUICHIを慌てさせつつ、ラストを締めくくったのは「back to the sunset」。トータル31曲、150分超え。10-FEETの無邪気さと純粋さと愛情、12000人の喜びが溢れかえった最高の祭りとなった。


取材・文◎長谷川幸信
撮影◎toya/HayachiN/石井麻木

■<10-FEET ONE-MAN LIVE 2024 〜急なワンマンごめんな祭〜>2024年5月19日(日)@横浜アリーナ セットリスト

01. goes on
02. hammer ska
03. 火とリズム
04. Mr.bullshit
05. JUNGLES
06. 2%
07. PLANLESS
08. SHOES
09. JUST A FALSE! JUST A HOLE!
10. BE NOTHING
11. ハローフィクサー
12. SLAM
13. アオ
14. 求め合う日々
15. 4REST
16. Re方程式
17. シエラのように
18. BUZZING
19. 深海魚
20. アンテナラスト
21. RIVER
22. 第ゼロ感
23. 1sec.
24. STONE COLD BREAK
25. 蜃気楼
26. VIBES BY VIBES
27. その向こうへ
28. ヒトリセカイ
encore
en1. gg燦然
en2. CHERRY BLOSSOM
en3. back to the sunset

■21stシングル「helm’N bass」


2024年7月3日(水)発売
予約リンク:https://lnk.to/10feet_0703
【初回生産限定盤(CD+DVD)】UPCH-89567 ¥2,000+税
【通常盤(CDのみ)】UPCH-80609 ¥1,100+税

▼CD全3曲収録 (初回生産限定盤/通常盤共通)
1. helm’N bass
 ※アサヒスーパードライ × 3x3.EXE PREMIER 応援ソング
2. gg燦然
 ※2024 ABCプロ野球テーマソング
3. Re方程式
 ※TBS系金曜ドラマ『フェルマーの料理』主題歌

▼DVD (初回生産限定盤のみ)
<京都大作戦2023〜今年は可能な限り全フェスに参加してくだ祭!〜>
・DAY1:ハローフィクサー / VIBES BY VIBES / 蜃気楼 +オフショット映像
・DAY2:深海魚 / 第ゼロ感 / CHERRY BLOSSOM +オフショット映像



▼CDショップ別購入者先着特典
・TOWER RECORDS/TOWER RECORDS ONLINE:クリアファイル(A5サイズ)
・Amazon.co.jp:メガジャケ(各形態別)
・セブンネット:アクリルチャームミニキーホルダー
・楽天:缶バッジ
・UNIVERSAL MUSIC STORE:ステッカーシート
・他全国CDショップ/ECサイト:ポストカード

■デジタルシングル「gg燦然」先行配信
2024年6月14日(金) 0:00〜 配信開始
※2024 ABCプロ野球テーマソング


■WOWOW『10-FEETスペシャル』6月&7月放送および配信予定

▼『10-FEET ONE-MAN LIVE 2024 ~急なワンマンごめんな祭~』
6月30日(日)午後9:00
※放送配信終了後~2週間アーカイブ配信あり
収録日:2024年5月19日(日)
収録場所:神奈川・横浜アリーナ

▼10-FEET Music Video Collection
7月30日(火)午後11:00
※10-FEETの楽曲の歴史を映像でプレイバック。20年以上の歴史の中で積み上げてきた彼らのミュージックビデオから、メンバーが厳選した作品を一気にお届け。

■<京都大作戦2024 〜翔んで騒いで万々祭゛〜>


7⽉6⽇(⼟) 京都府⽴⼭城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7⽉7⽇(⽇) 京都府⽴⼭城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
open9:30 / start11:00
〒611-0031 京都府宇治市広野町⼋軒屋⾕1

▼7⽉6⽇出演者 ※50⾳順
【源⽒ノ舞台】Ken Yokoyama / Saucy Dog / サンボマスター / 湘南乃⾵ / dustbox / 10-FEET / FOMARE / HEY-SMITH
【⽜若ノ舞台】炙りなタウン / GUMX / サバシスター / SIX LOUNGE / SHANK / Maki / RED SPIDER
▼7⽉7⽇出演者 ※50⾳順
【源⽒ノ舞台】ENTH / SUPER BEAVER / 10-FEET / 東京スカパラダイスオーケストラ / Dragon Ash / マキシマム ザ ホルモン / RIZE / ROTTENGRAFFTY
【⽜若ノ舞台】アルステイク / Age Factory / THE SKIPPERS / Fire EX. / プッシュプルポット / Paledusk / MAYSON's PARTY
※10-FEETは2⽇間とも出演

【鞍馬ノ間】EGOLA / ⼤阪籠球会 / TEAM ISHIKAWA / TEAM-S / TEAM NICK / TEAM HAPPY LUCKY FROM SOMECITY OSAKA / TEAM FUKUOKA / ちきゅう
京都ハンナリーズ (エキシビションマッチ)

▼チケット
・通常札:2⽇通し券 18,820 円(税込) / 1⽇券 9,410 円(税込)
・童札(わらべふだ):2⽇通し券 9,400 円(税込) / 1⽇券 4,700 円(税込)
※童札は、2024年7⽉時点で⼩学⽣(⽣年⽉⽇が2012年4⽉2⽇〜2018年4⽉1⽇)の⽅が申し込み可能。必ず⼤⼈の⽅(通常札・家族札購⼊者)と⼀緒にご来場ください。童札のみでの⼊場はできません。
(問)公演:サウンドクリエーター 06-6357-4400
(問)チケット:https://ticket.kyoto-daisakusen.kyoto/contact

■京都⼤作戦会員『はんなり会』

・はんなり会の会員コースは年額・⽉額・無料会員の3種類があり、年額会員は<京都⼤作戦2024>来場時の特典として「レプリカ万能札」の進呈や「はんなり休憩処」の利⽤などのサービスを受けることができる。
・はんなり会プラス限定の「写絵 -MOVIE」では、出演アーティスト発表に先駆けて、⼀⾜早く解禁してしまう「フライング通信」も配信されている。
・会員コンテンツや<京都⼤作戦2024>来場者へのサービスは随時追加されていく予定とのこと。

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