【ライヴレポート】LUNA SEA、35周年記念 全41本のツアーは伝説の<SHINING BRIGHTLY>再現で感動の幕開け
LUNA SEAにとって最大規模となるツアー<LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR 2024 ERA TO ERA >の<EPISODE 1>が5月25日および26日の神奈川・相模女子大学グリーンホール 大ホールにて幕を開けた。
◆LUNA SEA 画像
2023年に開催されたアリーナツアー<DUAL ARENA TOUR 2023>のファイナル公演でRYUICHIは本ツアーの実施を発表し、アルバム『MOTHER』『STYLE』を再構築した物語にはまだ続きがあると予告したが、<EPISODE 1>は活動休止後の1998年発表のアルバム『SHINE』を掲げたツアー<SHINING BRIGHTLY>と、2000年の終幕前のアルバム『LUNACY』を携えたツアー<BRAND NEW CHAOS>を今のLUNA SEAが蘇らせるというもの。2DAYS会場では初日公演を<SHINING BRIGHTLY>、2日目公演を<BRAND NEW CHAOS>として行われ、前述のアリーナツアーで訪れることができなかった都市には、<MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE>と<UN ENDING STYLE>が届けられるかたちだ。ここではファンクラブSLAVE会員限定公演となった初日公演<SHINING BRIGHTLY>の模様をレポートする。
終幕前のツアーの初日を幾度も飾ってきた相模女子大学グリーンホールは、LUNA SEAの地元・神奈川にある会場でもあり、当時からLUNA SEAのライヴに足を運んできたSLAVEにとっては特に思い入れのある場所ではないだろうか。MCでRYUICHIは「1996年以来」と話していたが、変わっていない外観を見た瞬間、タイムスリップしたような気持ちにさせられた。
そして、初日のタイトルは<SHINING BRIGHTLY>。LUNA SEAは1997年、約1年の活動休止期間を設け、各自がソロ活動に専念した。そこで得たものをフィードバックし、制作されたのがアルバム『SHINE』だった。今なおライヴの定番になっている代表曲のひとつ、「I for You」や「SHINE」、「STORM」が収録されているのが本作。全13曲、約70分という大作になった。
開演は18時。定刻を過ぎてハンドクラップが徐々に大きくなっていく中、ほの暗いステージに秒針を刻む音が鳴り響くと大歓声が。オープニングは新たな時の始まりを告げる「Time Has Come」だ。Jの太いベースサウンドと真矢の鼓動のようなビートの刻み、RYUICHIのボーカルで始まり、やがてスケール感たっぷりのサウンドが会場をすっぽり包みこんでいく恍惚感。SUGIZOがメロディックなギターソロを奏で、演奏は徐々に熱を帯びていく。
はじけるような「Déjàvu」では盛大なシンガロング。1階客席の両サイドへと伸びていくスロープにメンバーが移動したり、INORANとSUGIZOはドラム台にのぼって真矢とコンタクトを取ったり。当然、アリーナクラスの会場ではないのでメンバーの姿が近くに見えるのだが、35周年を迎えたバンドとは到底思えない佇まいと驚くべきフットワークの軽さだ。
「35周年ツアー、みんな会いたかったぜ! 今日はプラチナムチケットだよね。SLAVEのみんながLUNA SEAをずっと支えてくれていたわけだし、今夜は特別な夜にしましょう!」──RYUICHI
RYUICHIが「我がメンバーたちよ」と呼びかけると一際大きな歓声。そして、アルバム『SHINE』の中でも最も尖った「Unlikelihood」の曲名を告げると、また大歓声。Jがベースをかき鳴らしながら歌い、RYUICHIのヴォーカルが絡んでいくエキサイティングなナンバーだ。JがINORANを指差し、INORANのストロークがフィーチャリングされる場面など、SLAVEを胸アツにさせるポイントが随所に盛り込まれている。そして、REBOOT後は演奏されていなかった楽曲「VELVET」と「MILLENNIUM」が披露され、今のLUNA SEAならではのグルーヴで届けられるのも本ツアーの醍醐味。セットリストは1998年当時の<SHINING BRIGHTLY>をベースにさらに純度を高めたものだ。
ボルドーの衣装を着たRYUICHIが「28年ぶり? 1996年以降、初の相模原ですけど、僕の家、近いですよ。ここから」と場内を沸かせ、当時は相模原のことを「相模っぱら」と言っていたと懐かしい思い出も。そして、世界では今も戦争が起こっていることに触れ、「今日ここに集まっている全員で、俺たちの想いを世界に向けて発信したいと思います」と演奏されたのは「NO PAIN」だった。
罪のない人たちの血が流されている状況を“赤いドレス” “赤い靴”と表現した「NO PAIN」はラヴソングのようでいて、彼らからのメッセージが隠されている。赤い光の束のような照明が注ぐ中、RYUICHIの説得力のあるヴォーカル、INORANのザラついたフレーズ、SUGIZOの旋律が心に刺さる。ここからのセクションはLUNA SEAの深遠サイドの真骨頂。SUGIZOがヴァイオリンに持ち替えての2曲でさらに世界に引き込み、7分超えの大曲「ANOTHER」は全員の演奏が引き立つ構成。ドラマを引き出す真矢のプレイとJのメロディックなベース、支えるリズムセクションの存在感も際立っている。
陶酔したところで20分のインターバルを挟み、後半へと。真矢のドラムソロから、当時のようにテンガロンハットを被って登場したJのベースソロが加わり、場内をグルーヴさせる。そして全員が揃って「FATE」を投下。また、再び客席を沸かせたのがRYUICHIの発言だった。
「約26年ぶりに<SHINING BLIGHTLY>をやってるんだけど、最高だよね。LUNA SEA35周年を迎えました。もっと喜んでくれることをいろいろ考えて、みんなに届けていきたいと思います。知っての通り、過去最大規模の全国ツアーということで、正直無謀ですが、僕も全通できるように考えたいと思います」──RYUICHI
本人の“全通”発言に会場が思いのほか爆笑に包まれたことに気づいたRYUICHIが、「常にピークを押し上げていくような全通感。俺たちらしいツアーにしようね」と付け加えると、「RYUICHI!」という声があちこちから飛ぶ。こういうやや天然なところも当時から変わっていないLUNA SEAであった。
SUGIZOがアコギ、INORANがグレッチのギターに持ち替えて奏でられた「BREATHE」では2人がRYUICHIを囲むようにギターを弾く場面も。駆け抜けていく後半戦は「BELIEVE」「ROSIER」などライヴでおなじみのナンバーを連続投下。SUGIZOがペットボトルを投げ入れ、Jが「行くぞ! 相模原!」と叫び、1998年の活動再開に火をつけた覚醒のロックナンバー「STORM」が本編のエンディング。LUNA SEAのバンドの矜恃は何ひとつ変わっていない。そのことに再び胸が熱くなる。
アンコールでは35周年を迎えたLUNA SEAに、世代を超えたSLAVEたちが歌うお祝いソング“Happy Birthday to You"が響き渡った。客席に揺れるブレスレット型のLUNA SEAライトの光。何十年経ってもSLAVE発信のサプライズは変わることがない。
ステージに真っ白なシャツに着替えたRYUICHIが最初に登場し、「I for You」から夢を見ているような至福の時間へと。「SHINE」では両脇それぞれのスロープのマイクでSUGIZOとINORANがコーラスをとって曲に広がりをもたらし、SUGIZOが眩い光を届けるような素晴らしいソロを響かせた。かけがえのない光景と音が広がっていく。
メンバー紹介を挟み、その最後にRYUICHIから、「みなさんにひとつお願いがあります。この後、我々メンバーとみんなの旅が始まるわけだけど、スタッフにも熱い拍手をお願いします。そして実はこの後、#LUNAPIC(ライヴ撮影OK)をやりたいんですよ。前回も何曲か撮ってもらったけど、芸術的な作品から“この写真が上がってるんだ!?”っていうものまであって(笑)。まぁそれはいいんだけど、ピックアップされるようないい写真を「WISH」で一点集中、みんなで残したいよね」──RYUICHI
そこにJが「今日、(会場に)入れなかった人とか、全国のみんなが写真を期待してるんだよね」とSLAVEにさらなるプレッシャーをかけ、SUGIZOも「カッコいいヤツ、お願いします」と追い討ちをかける。アンコールのラストは2階前方まで飛んできた銀テープが一瞬の内になくなった「WISH」だ。銀テープを素早くゲットし、スマホで神ショットを狙って撮影しながら、全力で歌うSLAVEたちは、さすがとしか言いようがなかった。
ダブルアンコールはRYUICHIが「わかる人にはわかるかな。次はラストの曲ですが、始まりの曲でもあります。今夜、集まってくれた全員と一緒に上りつめたいと思います」と伝説ライヴのMCを彷彿とさせながら伝えたLUNA SEAとSLAVEを繋ぐ名バラード「UP TO YOU」。セットリストの始まりと終わりの曲に“今”への想いが込められていた。
感謝の気持ちを伝えたRYUICHIが、LUNA SEAのキーワードについて、「ただ音楽を愛して自分たちの中にあるオリジナリティを高めていくだけ」と言ったのも不動の5人で続けてきたからこその境地なのだろう。各自が感謝の想いを表したエンディングで、Jはマイクに向かって「最高の初日ありがとう! 全国ツアー、一緒に突っ走っていこうぜ!」と絶叫。いつもならステージ上に最後まで残っているはずのSUGIZOがいないことに戸惑う様子を見せながら真矢は、カラフルなスティックを何本も投げ入れ、両手を合わせ、深くお辞儀をしてSUGIZOの代わりに挨拶。こうして、超スペシャルな初日は幕を閉じたのだった。
取材・文◎山本弘子
撮影◎田辺佳子
■<LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR 2024 ERA TO ERA -EPISODE 1->
open17:00 / start18:00 ※SLAVE会員限定公演
<SHINING BRIGHTLY>
5月26日(日) 神奈川・相模女子大学グリーンホール 大ホール
open16:00 / start17:00
<BRAND NEW CHAOS>
6月01日(土) 宮城・仙台サンプラザホール
open17:00 / start18:00
<SHINING BRIGHTLY>
6月02日(日) 宮城・仙台サンプラザホール
open16:00 / start17:00
<BRAND NEW CHAOS>
6月07日(金) 群馬・高崎芸術劇場 大劇場
open17:30 / start18:30
<MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE>
6月09日(日) 千葉・市川市文化会館 大ホール
open17:00 / start18:00
<UN ENDING STYLE>
6月14日(金) 高知・高知県立県民文化ホール オレンジホール
open17:30 / start18:30
<MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE>
6月16日(日) 香川・レクザムホール(香川県県民ホール) 大ホール
open17:00 / start18:00
<UN ENDING STYLE>
6月21日(金) 滋賀・滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール
open17:30 / start18:30
<MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE>
6月22日(土) 岐阜・長良川国際会議場 メインホール
open17:00 / start18:00
<UN ENDING STYLE>
6月29日(土) 兵庫・神戸国際会館 こくさいホール
open17:00 / start18:00
<SHINING BRIGHTLY>
6月30日(日) 兵庫・神戸国際会館 こくさいホール
open16:00 / start17:00
<BRAND NEW CHAOS>
7月06日(土) 福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
open17:00 / start18:00
<SHINING BRIGHTLY>
7月07日(日) 福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
open16:00 / start17:00
<BRAND NEW CHAOS>
7月13日(土) 沖縄・沖縄コンベンションセンター 劇場
open17:00 / start18:00
<EPISODE 1 -FINAL- DAY1>
7月14日(日) 沖縄・沖縄コンベンションセンター 劇場
open16:00 / start17:00
<EPISODE 1 -FINAL- DAY2>
■<LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR 2024 ERA TO ERA -EPISODE 2->
open17:00 / start18:00
<IMAGE or REAL>
7月28日(日) 新潟・新潟県民会館
open16:00 / start17:00
<SEARCH FOR MY EDEN>
8月03日(土) 石川・本多の森 北電ホール
open17:00 / start18:00
<MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE>
8月04日(日) 富山・オーバード・ホール 大ホール
open17:00 / start18:00
<UN ENDING STYLE>
8月10日(土) 広島・上野学園ホール
open17:00 / start18:00
<IMAGE or REAL>
8月11日(日) 広島・上野学園ホール
open16:00 / start17:00
<SEARCH FOR MY EDEN>
8月18日(日) 大阪・フェスティバルホール
open17:00 / start18:00
<IMAGE or REAL>
8月19日(月) 大阪・フェスティバルホール
open17:00 / start18:00
<SEARCH FOR MY EDEN>
8月24日(土) 東京・東京ガーデンシアター
open17:00 / start18:00
<IMAGE or REAL>
8月25日(日) 東京・東京ガーデンシアター
open16:00 / start17:00
<SEARCH FOR MY EDEN>
8月31日(土) 北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru
open17:00 / start18:00
<EPISODE 2 -FINAL- DAY1>
9月01日(日) 北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru
open16:00 / start17:00
<EPISODE 2 -FINAL- DAY2>
■<LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR 2024 ERA TO ERA -EPISODE 3->
open17:00 / start18:00
<LUNACY 黒服限定GIG>
09月16日(月/祝) 山梨・YCC県民文化ホール (山梨県立県民文化ホール)
open17:00 / start18:00
<SHINING BRIGHTLY>
09月22日(日) 愛知・名古屋国際会議場 センチュリーホール
open17:00 / start18:00
<BRAND NEW CHAOS>
09月23日(月/祝) 愛知・名古屋国際会議場 センチュリーホール
open16:00 / start17:00
<LUNACY 黒服限定GIG>
10月04日(金) 三重・三重県総合文化センター 大ホール
open17:30 / start18:30
<IMAGE or REAL>
10月06日(日) 栃木・宇都宮市文化会館 大ホール
open17:00 / start18:00
<SEARCH FOR MY EDEN>
10月11日(金) 福島・いわき芸術文化交流館アリオス アルパイン大ホール
open17:30 / start18:30
<LUNACY 黒服限定GIG>
10月15日(火) 埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
open17:30 / start18:30
<SHINING BRIGHTLY>
10月16日(水) 埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
open17:30 / start18:30
<BRAND NEW CHAOS>
10月25日(金) 岩手・さくらホールfeat.ツガワ 大ホール
open17:30 / start18:30
<MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE>
10月26日(土) 青森・リンクステーションホール青森
open17:00 / start18:00
<UN ENDING STYLE>
11月14日(木) 神奈川・神奈川県民ホール 大ホール
open17:30 / start18:30
<EPISODE3 -FINAL- 黒服限定GIG DAY1>
11月15日(金) 神奈川・神奈川県民ホール 大ホール
open17:30 / start18:30
<EPISODE3 -FINAL- 黒服限定GIG DAY2>
■キャンペーン
A賞:直筆サイン入り 特製アクリルスタンド (各会場2名)
B賞:特製A3ポスター (各会場50名)
参加賞(ハズレなし):メンバー5種ランダムトレカ (全員)
▼各キャンペーンの詳細
https://www.lunasea.jp/news/LUN_news_20240523
■<LUNA SEA 35th Anniversary『MEMORIAL TALK & UNPLUGGED SESSION』>
open17:30 / start18:30
▼チケット
¥5,500
※SLAVE会員限定開催
▼SLAVE会員限定によるストリーミング生配信決定
https://www.lunasea.jp/news/LUN_news_20240517
入会:https://www.lunasea-slave.jp/siteinfo/joinguide
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