【コラム】BARKS烏丸哲也の音楽業界裏話011「名前を突然変えないでください」

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海外アーティストの日本語表記がとても難しいことはよく分かる。そもそも言語の音節構造が違うから、お互いに完全一致しない。東京は「とうきょう」だけど、欧米人は頑張っても「ときお」となる。そういうことが主要因なのかはわからないけど、アーティストやバンドの日本語表記がいきなり変わると「え?」ってなりますよね。慣れ親しんだファンであれば「なんだよそれ」となかなか咀嚼しきれないこともある。

「ビリー・シーン」が登場時は「ビリー・シーハン」だったなんて小ネタはいいとして、当時からボストンのギタリストは「トム・ショルツ」「トム・シュルツ」…どっちが正解なのか未だわからない。本当は「J・マスキス」なのに未だに「J・マスシス」表記が主流という現実もある。「チャカ・カーン」も発音的には「シャカ・カーン」だとか。

途中で訂正されたことで、慣れ親しんだ名前がちょっと遠く感じてしまうこともある。「フィル・リノット」だったのに、いつのまにか「フィル・ライノット」。そういやIBANEZは純日本ギターブランドでそもそも「イバニーズ」だったけど、海外に行ったら欧米人が絶対に「アイバニーズ」と呼んじゃうもんで、そっちに寄せたってことですかね。「クーンズライチ」が「クイーンズライク」に変わった時はひっくり返ったし、「ビル・ブラッフォード」が「ビル・ブルーフォード」になったときもなかなか慣れなかったけど、いずれも最初の表記が違っていたというパターン。それにしては何十年も間違ったまま浸透してしまいました。「アーチ・エネミー」もそうですね。

表記なんて臨機応変にやりゃいいじゃんってことなんですが、データベースを有する音楽メディア側としては理路整然と対応する必要があり、意外と神経を使ったりするわけです。

外人の表記でいえばもうひとつ、昔から素朴な疑問があるんですが、例えば「David」さん。デヴィッドですが、同時に短縮形でデイヴとも言われますよね。どちらでも呼ばれる人…デイヴ・リー・ロス/デヴィッド・リー・ロスとか、デヴィッド・ギルモア/デイヴ・ギルモアなどはどちらでも違和感ありませんが、頑なにデヴィッドな人、デイヴな人、いますよね。デイヴ・ボウイとは絶対言わないし、デヴィッド・ナヴァロとも言わない。これは日本だけのことですか?本国ではどうなんでしょう。海外でも同じですか?誰か教えて。

絶対にデヴィッドな人
→ デヴィッド・ボウイ
→ デヴィッド・フォスター
→ デヴィッド・シルビアン
→ デヴィッド・ゲッタ
→ デヴィッド・バーン
→ デヴィッド・クロスビー
→ デヴィッド・リンドレー
→ デヴィッド・サンボーン
→ デヴィッド・リンチ
絶対にデイブな人
→ デイヴ・グロール
→ デイヴ・ムステイン
→ デイヴ・メイソン
→ デイヴ・ウェックル
→ デイヴ・マーレイ
→ デイヴ・グルーシン
→ デイヴ・ナヴァロ
→ デイヴ・マシューズ
→ デイヴ・スペクター

「ロバート」と「ロブ」問題もありますね。ロブ・ハルフォード(ジューダス・プリースト)はどちらもOKですが、ロバート・フリップ(キング・クリムゾン)はそうはいかんです。もういいか(笑)。



文◎BARKS 烏丸哲也

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