【鼎談】locofrank × HAWAIIAN6 × dustbox、聖域に再集結「俺たちはバンドマンという人生を選んでいる」
■別々に作った曲なのにストーリーがある
■それって奇跡じゃないですか
──楽曲それぞれのテーマは違うと思いますが、歌詞の中身が相手に対しての手紙とか、頑張れエールも見え隠れする挑発にも感じられたんです。オーディエンスに対してというよりも、まずメッセージを向けたいのが、お互いのバンドのような。
HATANO:そんな美しい余裕はあったのか(笑)?
木下:まあ、でも意識するところはあるんじゃないですかね。仲間に向けてという意味では、どうしたって一番近い仲間を意識するだろうし、思い浮かべもするから。愛だ恋だというところも少なからず育んできた間柄というか、惚れた腫れたの感情だけではない愛を知る年齢になりましたから。俺も全曲の歌詞を読みましたけど、やっぱり20代や30代の頃とは違う歌詞を書くようになってるなと思う。年代が一緒だからこそ、ストレートに響くし(笑)。それが手紙かどうかは分からないですけど、バトンの受け渡しはしていると思いますね。
SUGA:僕は、いつも言葉遊びみたいな感じで作詞しているんですよ。語呂のいい言葉を、まずパズルみたいにハメていく。でも、そのときの感情はやっぱり入りますからね。制作期間にメンバーや仲間と話したことや、その時期に感じたものが自然に反映されると思います。
──再び3組が音源に集まったわけですが、目指す景色や方向も11年前とはまるで変わりました?
HATANO:そうですね。バンドはいつまでも続くものではないって理解できたんです。でも、続いているからおもしろい。続かないってことが理解できたから、初めて続いているってことに価値を見い出せたんです。放っておいても続くと思ってたときは、続いてることの凄さが分からないじゃないですか。ところが、いつか途切れちゃうかもってのがリアルにいる、それも自分たちのすぐそばに。だからおもしろいし、なくしたくないものは必死にやるんですよ。
▲木下正行(Vo, B / locofrank)
──HAWAIIAN6の「No Age」はそういったメッセージも入っていると感じました。
HATANO:そうなんですか(笑)。俺の考えですけど、曲というものは弾き語りできるべきだと思っていて。もともとそういう作り方でやってきたんですよ、HAWAIIAN6は。今回、「No Age」だけは俺がオケを作って、メロディのイメージは(安野)勇太に任せて。自分にはメロディのイメージもあったんですけど、今回は合作みたいにやってみようと思ったんです。
──それはどうして?
HATANO:『SOULS』(2002年8月発表)を作ってた頃は、メロディは全部俺が決めてたんですよね。でも、今は今で、今の自分らの作り方でいいんじゃないかなと思ったんです。足りなかった自分たちも含めて、これが今の自分たちなんですよ。目指すべきものがあと二歩先にあるなら、何ヵ月何年掛かるか分からないけど、そこまで行ってみたらいい。そこまで辿り着けなかったとしても、自分たちの気持ちさえ途切れなければ、バンドはいくらでも変わっていけるし、いくらでも成長できるから。全てが通過点だし、全てにワクワクしているんです。
──dustboxは楽曲アレンジ面で、あまり型にはまらない感じですよ。
SUGA:自由になりましたね。作曲にメンバーみんなの意見がしっかり入ったのがでかいと思うんです。今回、3曲に入魂ってことで、みんなでこねくり回したというか。
──アレンジ面での合作なんですね。
SUGA:どれだけ熱量を込められるかって、曲構成もしっかり話し合って作ったんです。気合い入ってましたね。作ってるときは大変だなって思ってましたけど、作り終えた今、苦悩したのも楽しかったなっていう。
──結果、dustboxの新たな一面がかたちになりましたよね、「Contrast」とか。で、バンドをやめる気持ちを最終的に止めたのが、森 勇介さんの「隣で歌っていてほしい」という言葉だったという話があったlocofrankですが、バンド感の高さが感じられる仕上がりだと思いました。
木下:新しいドラムの横川慎太郎も加入して、今回ひとり1曲ずつ作ったんですよ。歌詞もひとり1曲ずつ書いて。だから3曲3様になったと思うんです。新しくドラムが入って、まず必要というか必然だったのが、みんなのベクトルを一緒にするっていう作業で。どういう気持ちで歌っているのかとか、そういう意識の共有ができたときの曲作りでもあったんです、今回は。いいタイミングでの『THE LAST ANTHEMS』だったなと。
──バンドのキャリアが長くなると、腹を割って話をするってことを、ついつい忘れがちいになりますからね。
木下:言わなくても分かるだろ、みたいなね。キャリアが長くなると、自然に阿吽の呼吸が出来上がっていくものですから。でも俺たちは、一度それが許されない状況にもなったので。「バンドを新しく組みました」と言っても過言ではなかったから。バンドを始め立ての頃のような感じで、メンバー全員でひとつのことに立ち向かえるってのは、おもしれえなって思いますね。
──では、お互いの曲を聴いてみて、いかがでした?
木下:感じたことは一緒だと思うんですけど、蓋を開けてみたら、それぞれがそれぞれの色をちゃんと出しているって思いましたね。いいアルバムができたと思っているし、ずっと聴いていられるんですよ。完成前はワクワクと不安が入り混じっている感じでしたけど、今は“ほらー! できたやろ!!”みたいな気持ち。期待以上の仕上がりで、HAWAIIAN6とdustboxの曲を聴いたら、やっぱり良かったですね。
SUGA:改めて、このバンドたちとアルバムを作って良かったなと思う。聴いたときに“ウワ〜ッ、これだよこれ!”って思ったんで。悔しいと思う部分もあったり、純粋にいい曲だなと思ったり。“できねえとか言ってたくせに、いい曲を作りやがったな”と(笑)。
HATANO:1枚のアルバムとして、いいものができたなと思いました。続けて聴いていったときに、いいアルバムだなと素直に思えたんで。
SUGA:最初に各バンドごとに3曲ずつ聴いたんですね。そのあとに、スプリットアルバムの曲順どおりに9曲を聴くと、曲の印象がまた違って聴こえるんですよ。
──ストーリーが見えてくる曲順になっていますからね。
HATANO:それは意図してないけどね(笑)。
SUGA:でも、すげーおもしろかったです。何回も聴いちゃいましたから。
▲HATANO (Dr / HAWAIIAN6)
──4月25日から全7公演のツアー<THE LAST ANTHEMS TOUR>もスタートしますが?
HATANO:楽しみですね。自分たちが望む場所があって、ライブ開催を望んでくれる人たちがいて、こんな幸せなことはねえだろって、素直に思えるんですよ。初日がどうとか、ツアーファイナルがどうとかではなく、ライブ1本1本が最初で最後。何本目って考え方は昔から好きじゃないんですよ。1分の1を何回繰り返すかっていう。この歳になっても変わらずやれたらいいなってだけですね。
SUGA:いい作品ができたと思うんで。ここからお楽しみがいっぱいあるし、来てくれるお客さんも楽しみにしていてほしい。
──11年前のツアー<locofrank HAWAIIAN6 dustbox ZEPP TOUR 2013>とは雰囲気もまた変わるんでしょうね。
HATANO:11年前と比べて、演者のジャンプが低くなってる(笑)。同じようにお客さんも飛べなくなってますから(笑)。
──よくないな、言ってることが(笑)。
木下:肩も上がらなくなってます(笑)。
HATANO:その生々しさがいいんです。お互いに歳を取っても、まだ同じものに夢中になれている。いいことじゃないですか。いくつになってもあの当時のようなワーッという気持ちで会場にいてくれたら、それでいいんじゃないですか。ただ、あまりムチャをすると関節を痛めるぞっていう(笑)。
木下:こんな時代に、3バンドが集まってアイテムを出すわけですけど、1枚目を持っている人はCD盤を並べて、これが2作目かってことを味わってほしい。家で盤をわざわざデッキに入れて聴いてほしい。俺らが憧れていたあの時代のワクワク感…1回目は聴き流して、2回目は歌詞を読みながら聴いて、3回目は噛みしめて、みたいな。なんとも言えない時間を楽しんでほしいな。
SUGA:曲順もみんなで考えたし。アルバムにストーリーがある。それって奇跡じゃないですか。別々に作った曲なのに、全部が集まったときにストーリーも生まれるって。歌詞を読みながらゆっくり味わってほしいですね。
取材・文◎長谷川幸信
撮影◎野村雄治
■locofrank × HAWAIIAN6 × dustbox『THE LAST ANTHEMS』
【CD】 XQDB-1027 ¥3,000(+Tax)
Released by IKKI NOT DEAD
1. If / locofrank
2. Contrast / dustbox
3. No Age / HAWAIIAN6
4. Ephemeral Magic / locofrank
5. Curse / dustbox
6. Ballad Of The Setting sun / HAWAIIAN6
7. Daybreak / dustbox
8. Reborn / locofrank
9. The Ocean / HAWAIIAN6
■ツアー<THE LAST ANTHEMS TOUR>
5月10日(金) 名古屋 CLUB QUATTRO
5月12日(日) 大阪 Yogibo MRTA VALLEY
5月14日(火) 福岡 BEAT STATION
5月21日(火) 札幌 cube garden
5月24日(金) 仙台 Rensa
5月29日(水) 東京 Zepp DiverCity(Tokyo)
■locofrank × HAWAIIAN6 × dustbox 直筆サイン入りチェキ プレゼントキャンペーン概要
【応募資格】
・日本国内にお住まいの方
・X (Twitter)アカウントをお持ちの方
・BARKS編集部 X (Twitter)アカウントから投稿される応募用のポストをキャンペーン期間内にリポストした方
※必ずご自身のアカウントを“公開”にした状態でご参加ください。アカウントが非公開の場合は参加とみなされません。
※ダイレクトメッセージを受信拒否設定している場合、参加とみなされません。
【賞品名・当選人数】
・locofrank × HAWAIIAN6 × dustbox 直筆サイン入りチェキ
・2名様
【応募方法】
1. BARKS編集部 X (Twitter)アカウント「@barks_news」をフォローしてください。
2. BARKS編集部 X (Twitter)アカウントから下記キャンペーン期間中に投稿されるキャンペーン応募用の投稿をリポストしてください。
3. 上記で応募は完了となります。
※フォローを外すと応募権利がなくなりますのでご注意下さい。
【応募期間】
2024年4月18日(木)~2024年5月18日(土)23:59まで
※上記期間内にされたリポストが応募対象です。
【当選発表】
・X (Twitter) DMにて当選のご連絡と専用フォームのURLをお送り致します。
・専用フォームで必要事項を入力ください。
【賞品発送】
・配送は国内のみ、賞品は2024年6月中旬に発送予定です。
※やむを得ない事情により賞品の発送が若干遅れる場合がありますので予めご了承ください。
※ 以下のような場合には、ご当選の権利を無効とさせていただきます。
1. ご住所入力の不備により、賞品がお届けできない場合。
2. ご不在などにより、運送会社での保有期間を超えて賞品をお届けできなかった場合。
【ご注意事項】
・転売 (不特定多数への転売、オークションなどを含む)目的でのご応募は、ご遠慮願います。
【個人情報取扱い】
・お客様からいただいた個人情報は、賞品の発送及び、サービスの開発や、個人を特定しない統計資料、当該プレゼント/モニタにおける商品の発送、及びそれにまつわるサポートのために利用いたします。上記以外の目的で個人情報を利用する場合は、予めその目的を明示し、お客様の同意を頂いた場合のみ、個人情報を利用いたします。
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