【インタビュー】ファンキー加藤、いつも近くで⾒守ってくれる母への感謝「10周年というタイミングがベストかなと思ったんです」
ファンキー加藤が、新曲「優しい光」を2月14日にデジタルリリースした。ソロとしての新曲リリースは4年ぶりである。ファンキー加藤として初めて“母”という大きなテーマに真正面から挑んだ大切な楽曲だ。いつも近くで⾒守ってくれるお⺟さん。そんな唯⼀無⼆の存在であるお⺟さんへ、あの頃は照れ臭くて言えなかった感謝の気持ちが込められている。「優しい光」は、多くの人が共感できる歌詞が印象的な珠玉の一曲に仕上がった。
◆ファンキー加藤 画像
2024年はソロデビュー10周年という節目の年で、4月28日には、東京・日比谷野外大音楽堂で10周年記念ライブ<I LIVE YOU 2024 in 日比谷野外音楽堂>も控える。2021年3月に再始動したFUNKY MONKEY BΛBY'Sで得た多くの経験も活かし、アニバーサリーイヤーを突き進むファンキー加藤。今回のインタビューでは、2014年からスタートしたソロ活動と、FUNKY MONKEY BΛBY'Sとして奮闘した10年間を振り返ってもらいつつ、今作の制作秘話や、《僕もあなたのように》と歌詞に綴った偉大なる母への想いについて、実体験を交えたエピソードなどを存分に語ってくれた。
◆ ◆ ◆
■自分もいつかはと思ってはいたけど
■中々踏み込めずにいた場所なんです
──2月14日に、ソロアーティストとしては約4年ぶりとなるニューシングル「優しい光」がリリースされます。
ファンキー加藤:2021年にFUNKY MONKEY BΛBY'Sとしてファンモンを再始動して、そのレールの上で加速し切るまではFUNKY MONKEY BΛBY'S に集中したいというのがあったんです。だから、この3年ほどの間はソロの活動をほとんどしていなかったのですが、僕は今年ソロデビュー10周年なんですね。このタイミングでシングルを出すことにしたのは、それが1番大きかったです。今年は10周年ということで、またソロのほうに重心を置いてやっていこうと思って1曲作ることにしました。
──ファンモンの再始動を受けてソロを封印される辺りは男気があるといいますか、ファンキー加藤さんらしいなと思います。
ファンキー加藤:僕は、中途半端なことはできないんですよね。再始動というのはやっぱりそれくらい重いものだと受け止めていたし、次はもう解散なんていうものは絶対的にないですから、そのスタートダッシュをいい形で切れるようにしたかったんです。実際ツアーも2回やって、日本武道館とか大きい会場でもライブができて、アルバムもリリースして……という密度の濃い3年だった。それを経て、ここで一旦離れておいたほうが長くやれる秘訣でもあるかなというのもありましたね。
──ソロ活動、FUNKY MONKEY BΛBY'Sの両方としっかり向き合いたいという気持ちを持たれていることが分かります。
ファンキー加藤:両方ちゃんとやりたいです。ソロからファンになってくれた人もいて、そういう人達からは「いつソロをやるんですか?」という声をもらっていましたし。ずっとソロを続けてきたという自分の中の意地というか、誇りというか……小さいものですが、そういうものがあるので、FUNKY MONKEY BΛBY'Sをやっている間もソロのことを忘れはしなかったです。全力でFUNKY MONKEY BΛBY'Sに取り組みつつも心の中の片隅には、“いつか、また”というのが常にありました。
──約4年ぶりにリリースすることになって、曲調や歌詞などはどんなふうに決められたのでしょう?
ファンキー加藤:「優しい光」は母への感謝の気持ちを歌った曲で、昔から僕の中にはそういう曲を作りたいという思いがあって、ずっと機をうかがっていたというか。“母への感謝”というのは、もういろんなアーティストさんが1度は歌うと言っていいくらいのテーマだし、世の中に名曲と言われるものが山ほどあるじゃないですか。だから、自分もいつかはと思ってはいたけど、中々踏み込めずにいた場所なんです。揶揄されがちなテーマだなと思って、ずっと出したい気持ちがありつつ形にすることができなかった。でも、ここだと。ソロ10周年のこのタイミングしかないと。お母さんの歌となるとどうしてもパーソナルな部分を出さないといけないものになるので、ソロデビュー10周年というタイミングがベストかなと思ったんです。
──昔から構想は持たれていたんですね。ということは、今回は“母への感謝”というテーマを踏まえて曲も作られたのでしょうか?
ファンキー加藤:そうです。母への思いを歌うという大軸を伝えて、そうすると必然的にアップテンポの曲よりはミドルからバラード寄りの曲になってくるねという話はしていて。それで、クリエイターの皆さんにお力添えをいただきながら曲を形にしました。でも、今回は歌詞のほうが大変でした。最初は、あまりにも加藤俊介とうちのお袋……初江というんですけど、加藤俊介と初江だけの物語になってしまうと、あまりよくないかなと思ったんです。なので、みんなに共感してもらえるような余白の部分を設けようと思ったんですけど、 全然書けなくて。自問自答して“俺と初江の曲にしちゃえ!”と振り切ったら、スラスラと書けたという感じでした。
──パーソナルな視点に絞り込むことでリアリティーのある歌詞になっていて、逆に多くのリスナーの共感を得られると思います。たとえば、2番の歌詞に出てくる《借りっぱなしの 5000 円》や《横目に素通りした朝ごはん》などは“あるある”ですよね。
ファンキー加藤:5,000円とかは「じゃあ、返せよ」という話ですよね(笑)。昔ライブハウスかクラブにいくのにお金がなくて、5,000円くらい借りたような気がするんですよ。で、そのままになっている。それ以降ちゃんとお年玉とかをあげているし、なんならいろんなプレゼントをしているけど、なんかモヤモヤしたままずっと来ているんです。かといって、今さらあらたまって5,000円を返すというのもなぁ…という(笑)。
──わかります(笑)。そういうことも親子ならではですよね。
ファンキー加藤:ですよね。《横目に素通りした朝ごはん》というのも当時は全く気にとめていなかったけど、昔の僕はそういうことを繰り返していたんです。朝はもういつもギリギリまで寝ていて、朝ごはんには目もくれずに「いってきまーす」と言って学校に行っていた。ほぼ毎日そういう感じなのに、お袋は毎朝ちゃんとごはんを用意してくれていたんですよね。そのありがたさに、当時は気づいていなかった。「優しい光」はそういった自分の実体験を、そのまま書いた歌詞になっています。
◆インタビュー【2】へ
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