【コラム】木村徹二、デビュー曲「二代目」MVが演歌では異例の100万回再生突破。3つのストレートな魅力とは?
2022年11月にデビューした演歌歌手・木村徹二。YouTubeで公開された彼の1stシングル「二代目」の公式ミュージックビデオが、2022年10月公開から約10か月をかけて100万回再生を突破した。演歌歌手の新曲のビデオが公開1年以内に100万回を超えることは年に数曲というくらい珍しく、ましてや彼のように新人としてはかなり異例のヒットだ。
また、CDシングルの売上も、ほぼ同時期に出荷3万枚を突破(メーカー調べ)。昨今は、演歌界でも収録曲違いのシングルを数種類発売することで一気に売り上げるパターンも多くなっているが、木村の場合は2023年7月に特別盤が発売されるまで、1種類のみをコツコツとキャンペーンで売り伸ばしてきたのが特長。実際、週間売り上げが千枚を超えたのは予約分が集中した発売週のみだが、オリコンTOP100には22週間もランクイン(2023年9月現在)。有線では、7月26日付、週間USEN演歌リクエストランキング1位、8月9日付、週間USEN HIT 演歌/歌謡曲ランキング1位を獲得し、その後もTOP10圏内を推移している。
こうしたロングヒットの理由には、主に3つの理由があると筆者個人は考える。
第一に、何といっても木村のストレートな歌声が挙げられるだろう。キャッチコピーの“ガツンと響く!アイアンボイス!!”とあるように、父親ゆずりの硬い声質を受け継ぎつつ、30代(1991年生まれ)ならではの穏やかさも備わっており、幅広い世代に届くことだろう。
第二に、自らのルーツをストレートに反映した楽曲のチカラも大きい。「いつか師匠(おやじ)を超えてやる」といった歌詞は、彼のリアルな目標として共感しやすいし、サビ前からサビにかけて、静寂から一気に駆け上がるようなメロディーも際立っている。ちなみに、作詞・作曲は実兄の木村竜蔵が手がけており、弟の声の魅力をより引き出している。
そして、第三に、彼の誠実さが垣間見えるストレートなキャラクターも大きいだろう。彼の公式チャンネルの人気コンテンツとして“木村徹二が本気で歌ってみた”というカバー動画がほぼ毎週アップされているのだが、決してテクニックに走るわけでもなく、カメラを意識するわけでもなく、その名の通り懸命に歌っている姿が印象的だ。身長183㎝、体重85㎏という体型や趣味:筋トレというプロフィールも、その実直さに拍車をかけている。
そんなストレートな魅力が詰まった木村徹二の初LIVE<木村徹二ファーストライブ〜ファーストアイアンぶちこむぜ〜>が、9月19日、東京・なかのZEROホールにて実施される。デビュー曲「二代目」と、その特別盤に収録された新曲の「夢の花道」や鳥羽一郎のカバーである「海の祈り」を聴き比べても、格段に成長が見られるように、彼の魅力はあまりに未知数だ。このライブでの体験を原動力とし、そのストレートな魅力に磨きをかけることで年末の賞レースで弾みをつけ、ゆくゆくは“師匠”である鳥羽一郎同様にNHK紅白歌合戦に出場する日を大いに期待している。
文◎臼井孝(人と音楽をつなげたい音楽マーケッター)
リリース情報
2023年7月26日(水)リリース
1. 二代目
作詩:木村竜蔵 / 作曲:木村竜蔵 / 編曲:遠山敦
2. 夢の花道
作詩:麻こよみ / 作曲:木村竜蔵 / 編曲:遠山敦
3. 海の祈り
作詩:星野哲郎 / 作曲:船村徹 / 編曲:遠山敦
4. 二代目 [オリジナル・カラオケ]
5. 夢の花道 [オリジナル・カラオケ]
■Album『ザ・カバー ~昭和演歌名曲選~』
2023年7月26日(水)リリース
1. みだれ髪
2. 柳ケ瀬ブルース
3. よこはま・たそがれ
4. 夢芝居
5. 舟唄
6. 津軽平野
7. 矢切の渡し
8. 長崎は今日も雨だった
9. 与作
10. 海の匂いのお母さん
ライブ情報
2023年9月19日(火)東京・なかのZERO 小ホール
開場:15:30/開演:16:00
プレイリスト情報
この記事の関連情報
【連載】いま、聴きたい演歌・歌謡曲 vol.7(本人歌唱指導付き)木村徹二、瀬川瑛子、キム・ヨンジャ、花咲ゆき美、知里
木村徹二、最新曲「みだれ咲き」特別盤を先行配信&カップリング曲MV公開決定
【連載】いま、聴きたい演歌・歌謡曲 vol.5(本人歌唱指導付き)木村徹二、はやぶさ、大江裕、原田波人、戸子台ふみや
木村徹二、不透明な時代を生き抜く決意の新曲「みだれ咲き」先行配信リリース
【連載】いま、聴きたい演歌・歌謡曲 vol.3(本人歌唱指導付き)三山ひろし、木村徹二、山川豊、美川憲一、大江裕
木村徹二、不透明な時代を生き抜く決意描いた新曲「みだれ咲き」リリース
【新連載】いま、聴きたい演歌・歌謡曲 vol.1(本人歌唱指導付き)川野夏美、二見颯一、木村徹二、田中あいみ、一条貫太
【ライブレポート】木村徹二、家族愛溢れる初ワンマンコンサート開催「兄弟で力を合わせて演歌界を盛り上げられるよう頑張ります」
【コラム】鳥羽一郎の次男・木村徹二、デビュー曲「二代目」MVが100万回再生目前。演歌シーンをアップデートしていく存在へ