【コラム】鳥羽一郎の次男・木村徹二、デビュー曲「二代目」MVが100万回再生目前。演歌シーンをアップデートしていく存在へ
大御所、鳥羽一郎の次男で2022年、父と同じ演歌歌手としてもデビューを飾った木村徹二のソロ・1stシングル「二代目」のMVの再生回数が、演歌の新人では異例の100万回再生に届こうとしている。
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YouTubeのコメント欄では、「こういう、心に響く歌手を待っていたんだよ」「演歌界にすごいサラブレッドが現れたね」「久々に男らしい歌声に、惚れました」など称賛の声が続々と寄せられ、持って生まれた声の素晴らしさと歌唱力がすでに多くの人の心をつかんでいる。
自身の置かれた境遇そのままに、サビで《俺は二代目 継いだ心意気》と力強く歌う「二代目」は、映像を含めてド直球。伝統芸能を継いだと想像させる二代目男性たちも登場するMVでは、華々しいデビューのイメージとはほど遠い飾りっ気のない服装で、真摯に歌に向かい合う木村の姿を見ることができる。
ちなみに父の鳥羽一郎は大ヒット曲「兄弟船」で1985年にNHK紅白歌合戦に初出場し、その後、紅白の常連に。鳥羽の実の弟である山川豊も「函館本線」「アメリカ橋」などをヒットさせ、紅白歌合戦に出場と兄弟で大成功をおさめた。そのDNAなのか、鳥羽の長男、木村竜蔵と次男、徹二は2016年にアコースティックデュオ、竜徹日記を結成。オリジナル曲のほか、森山直太郎の曲のカバーなどもYouTubeにアップしているが、透明感のあるのびやかな歌声、息の合ったハーモニーで魅了し、現在も活動を続けている。と同時に兄の竜蔵は演歌歌手に楽曲を提供するなど、ソングライターとしても活躍。弟の徹二はコブシのきいた演歌も歌える実力が評価され、ソロデビューを飾ることになった。
子供の頃から音楽に親しむ環境に育つも、学生時代はサッカーやバスケットボールに熱中していたためか(趣味も筋トレ)見た目はアスリート系。デビュー時のキャッチフレーズは「ガツンと響く! アイアンボイス!!」で近年、めっきり少なくなった男っぽい演歌歌手を目指している。「二代目」の作詩、作曲を手がけたのは兄の竜蔵。父親と同じ世界で兄弟共に活躍することになったのは運命の悪戯だろうか。
■新曲「夢の花道」も収録の「二代目」特別盤に覗く木村徹二の素顔
2ndシングル「二代目」特別盤には、兄の竜蔵が作曲を手がけた新曲「夢の花道」と、鳥羽一郎が1985年にリリースした「海の祈り」のカバーが収録されている。管楽器が印象的なテンポ感のあるアプローチになった「夢の花道」は、心折れる時があっても夢に向かって突き進んでいく若者を描いた楽曲。公開されているMVについて木村徹二は「楽屋での準備風景やステージ袖の姿など、普段皆様が見られない様なシーンもあって、特別感のあるものになっているかと思うので、皆さん是非観てください!」とコメントしているが、撮影風景や楽屋風景(ゴハンを食べたり、おどけてダンスのステップを踏んでみたり、無邪気な笑顔を見せる場面も)が盛り込まれ、等身大の素顔が覗ける貴重な映像に仕上がった。
正統派演歌を歌う若手シンガーとして勝負する一方で、その肩肘張らないニュートラルな姿勢、爽やかな佇まいも多くの人たちから支持されている。プロモーションイベントでは軽快なトークで集まったファンを笑わせ、Twitterでは自身のキャッチコピーの“アイアンボイス”にひっかけて「朝イアン、早イアン、おはイアン」と呟くなど基本、ハイテンション。語尾に「よろぴく♡」とハートマークを付けるなど、そのギャップも魅力に繋がっていきそうだ。
■初のカバーアルバム『ザ・カバー ~昭和演歌名曲選~』では大物歌手の名曲たちに挑戦
「二代目」特別盤と同時発売されたアルバム『ザ・カバー ~昭和演歌名曲選~』で木村徹二がカバーした楽曲は美空ひばりの「みだれ髪」、美川憲一の「柳ケ瀬ブルース」、五木ひろしの「よこはま・たそがれ」、八代亜紀の「舟唄」、内山田洋とクール・ファイブの「長崎は今日も雨だった」、北島三郎の大ヒットで知られる「与作」など昭和を象徴する歌手たちの歌い継がれてきた名曲ばかり。鳥羽一郎の楽曲で2005年に山川豊とNHK紅白歌合戦で兄弟デュエットを果たした「海の匂いのお母さん」も収録されている。
印象的なのは臆することなく、大御所たちの大ヒット曲を爽快なまでに歌いきっている木村のアティチュードだ。原曲の色褪せないメロディを活かす真っ直ぐなボーカルはビブラートも含めて耳に心地よく、日常の中にJ-POPが溶け込んでいた平成生まれの世代だからこそ歌える新しい正統派演歌になっているところに可能性を感じる。もちろん、“二代目”というプレッシャーはあるだろう。ないはずがない。が、その背負い方は昭和世代とは違うはずだ。自身の代表曲にしたいと語る曲「二代目」を引っ提げ、演歌シーンをアップデートしていく存在として活躍することを期待したい。
文◎山本弘子
リリース情報
2023年7月26日(水)リリース
1. 二代目
作詩:木村竜蔵 / 作曲:木村竜蔵 / 編曲:遠山敦
2. 夢の花道
作詩:麻こよみ / 作曲:木村竜蔵 / 編曲:遠山敦
3. 海の祈り
作詩:星野哲郎 / 作曲:船村徹 / 編曲:遠山敦
4. 二代目 [オリジナル・カラオケ]
5. 夢の花道 [オリジナル・カラオケ]
■Album『ザ・カバー ~昭和演歌名曲選~』
2023年7月26日(水)リリース
1. みだれ髪
2. 柳ケ瀬ブルース
3. よこはま・たそがれ
4. 夢芝居
5. 舟唄
6. 津軽平野
7. 矢切の渡し
8. 長崎は今日も雨だった
9. 与作
10. 海の匂いのお母さん
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