【インタビュー】AI、アルバム『RESPECT ALL』にあなたへ届けたいメッセージ「もっと分かり合えたら」
すべての人をリスペクトし、互いの違いを認め合いながら、誰もが自分らしく生きられる社会を目指したい──8月23日にリリースされるAIのニューアルバム『RESPECT ALL』は、彼女が一貫して表現してきたメッセージがさらに強く、濃く、美しく反映された作品となった。
◆AI 動画 / 画像
佐藤浩市×横浜流星W主演映画『春に散る』の主題歌「Life Goes On」、ボブ・ジェームス「Shamboozie」をサンプリングしたデジタル先行シングル「リスペクト」、ちゃんみなをフィーチャリングに迎え入れた「WORLD DANCE feat ちゃんみな」など収録された全10曲はHIP HOPから感動バラードまで実に多彩。また初回盤付属特典は、2022年の全国ツアー<AI DREAM TOUR>より、東京国際フォーラムファイナルを全曲ノーカットで収録するほか、半年以上の密着ドミュメンタリーなど3時間半以上の豪華映像作品となる。
本作『RESPECT ALL』に込めた想いについて、AI自身の言葉で1曲1曲について語ってもらったロングインタビューをお届けしたい。
◆ ◆ ◆
■ただでさえ大変なときに
■人と人が問題を起こしている場合じゃない
──ニューアルバム『RESPECT ALL』、素晴らしいです。“すべての人をリスペクトしよう”という明確なメッセージを掲げた作品だなと。
AI:ありがとうございます。最初は“CRY”というテーマでアルバムを作ろうと思ってたんですよ。“泣ける曲”ということなんですけど、それにもいろいろあると思うんですよね。私は暗い曲が好きなんだけど(笑)、明るくても泣ける曲もあるだろうし。次のツアー(<AI ”RESPECT ALL” TOUR>)も見据えて、みんなに感情を出してもらって、泣いて、いろいろと発散してスッキリしてもらえたらなと。
──はい。
AI:そこから始まって、映画の主題歌(映画『春に散る』主題歌「Life Goes On」)のお話をいただいたり、“ライブで盛り上がる曲も作りたい”とか“サンプリングの曲もいいよね”とか、いろいろ広がって。だから“CRY”だけではないんですけど、メッセージをはっきり伝えたいという気持ちはありましたね。これまではもっと大きい愛を歌うことが多かったんだけど、たとえば“シングルマザーの方に聴いてほしい”とか、希望を感じられなくて苦しんでる人、毎日楽しく過ごしている人も含めて、“個人”に届けたいというか。
──ひとりひとりに伝えたいという思いが、『RESPECT ALL』というタイトルに集約された、と。
AI:そうですね。いろんな人がいて、いろんな国があって、それぞれの考え方があるじゃないですか。大事なのはお互いの話を聞いて、相手のことを知って、“そうか、この人はこういう人なんだな”ともっと分かり合えたらいいなと。私が今さら恋愛の曲を歌ってもアレじゃないですか(笑)。若いときはそういう曲もいっぱい作りましたけど、今は結婚して子供もいるし、自分もちょっとずつ成長してきて、考えることや目に入ることも違ってきてますからね。私の周りにもシングルマザーの方とか、両親の介護をしている方もいて、経験することが変わってきていて。“毎日大変だな”と思ってる人もいっぱいいるし、みなさんに“一人じゃないよ”というメッセージを届けたいんですよね。今って、苦しんでる人が多い気がするんですよ。誰も自分のことをわかってくれない、“自分は一人だ”というところで追いつめられると、“どうなってもいい”と思ってしまうこともあるのかなと。“それをどうやったらストップさせられるのかな”ということも考えるんですよね。それを探りつつ、曲を作っているところもありますね。
──なるほど。
AI:「やめたほうがいい」と言っても、もっと良くない方向に行ってしまうこともあると思っていて。そうじゃなくて、やっぱり「何でそうしたいのか」と話を聞くことが大事じゃないかなと。直接会える人だったら話を聞けるけど、そうじゃない人に向けて、音楽で伝えられたらいいなと思ってるんですけどね。
──素晴らしい。AIさんらしい考え方だと思います。
AI:いえいえ。最近、自然の災害も増えているじゃないですか。ただでさえ大変なのに、人と人が問題を起こしている場合じゃないと思うんですよ。こういう時代だからこそ、みんなが無事で、もっと幸せに過ごせたほうがいい。そうやってシンプルに考えていけば、世界も変わっていくのかなとか。全部つながってますからね。
──では、収録曲について聞かせてください。デジタル先行シングル「リスペクト」はボブ・ジェームスの「Shamboozie」をサンプリングした楽曲。
AI:そうなんです。私達の世代は、ボブ・ジェームスさんの原曲よりもラキムの「ゲス・フーズ・バッグ」のサンプリングで知った人が多いかもしれないですね。この曲は「久しぶりにサンプリングの曲をやりたいな」というところから始まって。歌詞は“いじめ撲滅”ですね。いじめている子、いじめられている子の両方にメッセージを届けたいと思って。トラブルはどこにでもあるし、うちも夫婦ケンカしますけど(笑)、争い事のはじまりって、ちょっとしたことだったりするんですよね。今そういう状況にある人たちに向けて、仲良くなれるきっかけになるような曲にしたいなと。
──“弱いものイジメはもうやめよう みんなで守ろう お互いを”もそうですけど、本当に率直な歌詞だなと。
AI:そうじゃないと子供たちには伝わらないので。もう少しカッコつけた言い方をしたいなと思うこともあるんだけど、はっきり言わないとわからないですからね。一番伝えたいのは、“人をリスペクトすることって、大事だよ”ということ。たとえば学校だと、同じ教室で勉強して、同じ給食を食べているわけじゃないですか。ちょっとした違いで揉めたり、イジメにつながるんだと思うけど、そこで大事なのはやっぱり話をすること、リスペクトすることかなって。相手の状況がわかれば、“だからこの子は、こういうことをするんだな”って理解できるはず。そういう状況は愛情でいくらでも変えられるし、傷ついた心も直せるはずだと思ってます。
──この曲、コーラスとして平和ちゃん(AIの娘)が参加してますね。
AI:はい(笑)。学校に行く前に「“リスペクト”って言って!」って。それをスマホで録って、編集で重ねてもらいました。この曲のボーカル、私と平和の声しか入ってないんですよ。
──そして「WORLD DANCE feat. ちゃんみな」(Produced by Yaffle)には、ちゃんみなさんが参加。希望、愛の大切さを二人の目線から歌った楽曲ですね。
AI:最高に楽しかったですね。ちゃんみなさんとはイベントとかで会ったことはあったんだけど、じっくり話したことはなくて。でも、“いつか曲をやりたいな”と思っていたので、思い切ってオファーしたらOKしてくれました。スタジオで歌入れして、第一声から「うわ、すごい!」ってヤラれましたね。彼女のヤンチャな感じだったり、彼女はお酒は飲まないみたいですけど、ちょっと酔っぱらったようなフロウもこの曲にバッチリはまっていて。最高でした。
──おふたりのコントラストが見事です。
AI:リリックも素晴らしかったですね。“何も考えないでいい” “明日のために”という私の歌詞に対して、“何も考えたくない” “明日は知らない”というフレーズを書いてくれたんですけど、それがすごくリアルなんですよ。ちゃんみなさんはすごくいい人なんだけど、この曲ではちょっとワガママな感じで表現してくれて。何て言うんだろう、私はもう大人になってしまって、歌詞を書くときに“失礼のない言い方にしたほうがいいかな”と考えることもあって。でも、ちゃんみなさんは若いし、遠慮せずどんどん言っちゃってほしいんですよね。「WORLD DANCE」のラップもすごい説得力だし、彼女が参加してくれたことで、やっとこの曲が完成したという感じがあります。
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